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REPORTレポート

◆いよいよ今年最後のFOMC、政策金利発表(利上げ)後の値動きはこの4パターンだ

2015.12.16 レポート

こんにちは、株の学校 マナカブ.com講師の中山です。

 

 

いよいよ今晩に迫った今年最後のFOMC(政策金利発表の会議)です。

今回利上げに踏み切るとなると、約10年ぶりにアメリカは利上げをすることになります。

 

 

10年ぶりということは、この利上げ後の値動きに対して機関投資家やファンドの現役ディーラーでさえも未体験の方も多くいるようで、利上げ後のドル相場、株価の値動きも意見が分かれていて面白いところです。

 

 

僕なりに利上げ後の値動きについて考察してみました。

大きく分けると4パターンの値動きに分かれます。

 

 

 

①ドル高・株安シナリオ

まず、最も教科書的な値動きがこれになりますが、利上げが予定通り実行されれば、他通貨との金利差拡大期待からドルが買われ、相対的にリスク資産となる株が弱含む展開です。

ただ、これまでもお伝えしているようにすでに利上げに踏み切るであろうことは市場では織り込み済みのため、上級者的に考えるのであれば、来年以降の利上げのペースに焦点が移っていることもあり、政策金利発表後のイエレンさんの会見で「2016年にFRBが予定している政策金利1.375%を上方修正する場合もある」などのタカ派的な発言があれば、ドル高、相対的に株は売られるという展開となります。

 

 

ただ、これまでのハト派的なFOMCメンバーの意見、利上げに慎重姿勢を見せていた姿や中国経済、新興国への影響などを鑑みると利上げのペースを早めていくような発言はまずでないかとみています。

 

 

 

②ドル安・株安シナリオ

こちらの展開のキーワードは「材料出つくし」それと「株価下落がドル売りへ」になります。

まず「材料出つくし」に関してですが、12月利上げが市場コンセンサスでほぼ確定しているため利上げ決定を契機にいったんの利益確定売りが出やすい場面になるという展開です。

 

 

相場の格言には「うわさで買って、事実で売れ」という言葉もあるように、個別銘柄をみていても上方修正や自社株買いが発表された企業などの値動きを見ると寄り付きは特別買い気配点灯で朝高から始まるものの、引けにかけて上げ幅を縮小して終わるような銘柄も散見されるように、期待の時点で買っておいた短期筋などは材料が出たところでいったん利益を確定するために反対売買を行う向きがあります。

 

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以前にも過去のレポートでご紹介した投機筋の円売りポジション(円を売ってドルを買っている保有高)はまだまだ解消されておらず、利上げ発表と同時に反対売買される展開がこれになります。

 

 

もう一つのキーワード「株安がドル売りへ」についてですが、最近の相場展開をみてみるとドルと米国株、ドルと商品相場(特に原油を筆頭としたエネルギー相場)に教科書的な動きが見られない展開も出てきています。

市場がそれだけ色々な意見を持っているという証拠だと思います。

 

 

現在のFRBメンバーの9月時点での2016年の利上げペースの見通しの中央値は1.375%となっています。

金利発表後のイエレンさんの会見で「このペースを早めることもある」と言ったタカ派的な発言があったり(ないと思いますが)9月時点での利上げ見通しに変更が無い場合、市場コンセンサスでは現在の予想値以下で金利上昇を見越しているためいったんドル買いは進むのですがその分リスク資産としての株は売られやすい展開となります。

 

 

また新興国通貨も利上げによってドルが買われるため売られやすい展開となり、想定以上の新興国通貨が売られるような展開となれば、これが「世界経済に悪影響を及ぼすのでは?」という不安を想起しリスク資産である株が売られ始めます。

 

 

その株価下落をリスクと感じてドル高で動いていた流れが一転してドル売りに変わるというのがこのシナリオです。

つまり、FOMCの利上げ見通しが9月時点より上方修正、または変更がなければいったんはドル高→しかしこの影響で新興国通貨安、リスク資産としての米国株が下がればその流れが影響してドル売りに逆回転という展開です。

 

 

 

③ドル高・株高シナリオ

こちらの動きとしてキーワードになってくるのは「不透明感の払拭」です。

市場というものが嫌う一つに不透明感というものがあります。記憶に新しい中国株、中国経済、中国が発表する指標など専門家でさえも正しい数字かどうか見極められないという不透明感で大暴落になったことは記憶に新しいところかと思います。

これまでのドル相場を振り返ってみても、9月に利上げがあるのか、今回12月に利上げがあるのかでアナリストたちの予想も分かれていました。

この不透明感がボラティリティを高める要因であったため、2,3ヶ月前、雇用環境が若干弱含んだときに「米国は利上げをしないんじゃないか」ということが噂されドルは上値の重い展開となっていました。

 

 

しかし、今回利上げをするということが明確化されればそれが米国経済の堅調さを物語ることになりますので、市場期待を動かしドルは買われ、株も上がるというシナリオがこれになります。

 

 

 

④ドル安・株高シナリオ

最後のこちらの展開は上記2番目の値動きの逆です。

「材料出つくし」によってドルは売られ、現状これ以上の急速なドル高に苦しめられている米国の外需関連企業の銘柄を中心に買いが入り株は上がるという展開がこれです。

 

 

またイエレンさんはもともとハト派の人ですから「利上げのペースは今後の経済指標を見据えた上で行うものとし、状況によっては利上げの見通しを緩める場合もある」などの慎重な発言がなされれば、利上げがトロいのであればという思惑からこれもリスクオンの動きに作用して来ますので株が買われその流れでドルも買われやすい展開となり、ドル安・株高から最終的に3番目のドル高、株高の動きに変わるでしょう。

 

 

以上、FOMC目前にファンダメンタルズを想定した値動きをご紹介しましたが、一番皆さんが気になるのは結局どの動きになるの?

ってことだと思います。

 

 

 

しかし、残念ながらこれは僕にも分かりません。

分からないというか、金利発表後のイエレンさんの会見でのコメント次第でどのパターンも考えられますので予想しづらいと言ったほうが正解でしょうか。

 

 

敢えて、個人的な予想をするとするならば、④→③でしょうか。

いったんは利上げ決定で材料出つくしによるドル売りが始まりますが、FOMCメンバーもその多くがハト派か中立的な立場の人が多いため、利上げのペースに関しても「市場との対話」を重視し、緩やかなペースになるものと思われます。

そのためイエレンさんの会見でも「利上げは世界経済の動向を注視した上で行っていく」というような慎重なコメントが出てくるものと思われ、いったんはドル売り米国株買いの動きに入りますが、その後は堅調な米国株の動きに引きずられるようにドル高に転換していくのではないかとみています。

 

 

日本株のマーケットはすでにクローズしていますが、先物や為替をいじる人にとって少しでもお役に立てれば幸いです。

 

 

今回のFOMC、利上げはQEという量的緩和を3回も行った後の利上げ、米国経済が両手を挙げて喜べるほど景気がいい状態ではないタイミングでの利上げと米国にとってこれまでにない未曾有の挑戦です。

 

 

そのため今回のFOMC前にポジションを持ち越していくというのは正直博打でしかありませんので、僕が為替や先物の人間であればノーポジで今晩の動向を見極めたうえで短期的な値幅取りと中期的なスタンスと資金を二分して舵取りをしていきます。

 

 

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