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REPORTレポート

◆市場の利上げ停止期待は時期尚早

2023.04.11 レポート

いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。

 

◆きのうの日米株価指数終値

 

日経平均株価 27,633.66 +115.35
TOPIX 1,976.53 +11.09
マザーズ 739.22 +8.79
NYダウ 33,586.52 +101.23
ナスダック総合 12,084.36 -3.60
S&P500指数 4,109.11 +4.09

 

きのうの米国市場は3指数まちまちとなったものの、朝方からは
揃って下げ幅を縮小させる展開となりました。

 

先週末に発表された3月の米雇用統計で予想から大きく乖離すること
なく、引き続き堅調な労働情勢を受けてリセッションへの過度な
警戒感が和らぎ景気敏感株を中心に買われる展開となりました。

 

最終的な雇用者数の事前予想は23.8万人に対して、結果は23.6万人の増加。

 

失業率は3.6%の予想に対して3.5%と低下したものの、出稼ぎを
目的とした移民の流入などにより失業率が低下しにくく、労働参加率も
上昇基調になっている側面もあり、強過ぎる結果とはなっていない
ことから株式市場には以前にお伝えしていた3割の確率のポジティブ
な内容として捉えられました。

 

個別銘柄では半導体のマイクロンテクノロジーやアドバンスト
マイクロデバイセズ、ラムリサーチ、KLA、エヌビディアなどが
上昇。

 

景気減速懸念の後退から重機のキャタピラーや化学のダウが上昇
しダウ指数をけん引したほか、本邦で植田日銀新総裁の就任記者会見
で金融緩和の継続の意向が伝わったことで為替相場ではドル高円安が
進行し、米長期金利も上昇となったことからウェルズファーゴや
シティ、バンカメ、JPモルガンなど金融株も堅調な展開となりました。

 

 

 

◆市場の利上げ停止期待は時期尚早

 

きのうNY連銀が公表した消費者期待調査では1年後の期待インフレ率が
4.7%、3年後が2.8%とそれぞれ上昇といった結果となりました。

 

(1年後、3年後の期待インフレ率の推移)

 

先月の調査では1年後のインフレ率が4.2%までコロナ後以降で大きく
低下する場面もみられましたが今回の調査では再び上昇する結果となり、
物価上昇の粘着性が窺えます。

 

足元では雇用も堅調で求人件数も若干減ったもののそれでもなお1000万件
あたりで高原推移していることからFRBが物価目標とする年2%までには
相当のギャップがある状態です。

 

マーケットは先月の銀行破たんなどもあって次回のFOMCが最後の利上げ
でその後は停止、徐々に利下げを織り込んでいるようですが、足元の物価指標
とFRB高官のインフレ抑制に対する強い発言を踏まえれば、利上げ停止を
期待するのは時期尚早と
考えています。

 

もっとも今週発表される3月のCPI(消費者物価指数)が予想を大きく下回る
低下を示せばそれもあり得るかもしれませんが、今回のNY
連銀の調査から
考えると予想に近い数字、下手をすると上昇という
ことも十分に考えられると
思われます。

 

そして怖いのがマーケットはインフレが低下することを期待しているだけに
予想を上回る上昇となった場合、その反動は大きくなる
ということです。

 

5月にあと1回の利上げ見通しが2回、3回と増えるとともに、金利が上昇し、
高PERのハイテク株を中心に売り込まれる可能性があります。

 

(ナスダック100指数・月足)

 

ナスダック100指数の月足を見ると奇しくもちょうど昨年8月に付けた高値水準
のところまで戻ってきており、上振れる結果となれば、踵を返したように
再度下落に転じる可能性があります。

 

(ナスダック100指数と日経平均株価の推移)

 

またナスダック100指数と相関性の強い日経平均株価も強いインフレ指標が
出てくると金利高株安により、同時多発的に売り込まれやすくなることには
注意が必要です。

 

雇用統計は無事通過となりましたが、目先の重要イベントとして、明日の
CPI、そして週末14日には3月の小売売上高が控えているほか、1-3月期の
銀行決算もスタートします。

 

本格的なリセッションによる株価の大きな下げというのは利上げを停止
してからになりますが、それまでの予行演習的な下落に慣れておくと
耐性も付いてもらえると思います。

 

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