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REPORTレポート

◆FRBの年内利上げはあと1回、だが・・・

2023.03.15 レポート

いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。

 

◆きのうの日米株価指数終値

 

日経平均株価 27,222.04 -610.92
TOPIX 1,947.54 -53.45
マザーズ 738.35 -17.49
NYダウ 32,155.40 +336.26
ナスダック総合 11,428.15 +239.30
S&P500指数 3,919.29 +63.53

 

きのうの米国市場は、銀行破たんや2月の米CPIの結果を受けて利上げペース
の減速期待が高まったことが後押しとなり3指数揃って上昇となりました。

 

今月12日から米国はサマータイムに入り、1時間早い市場のオープン、クローズ
となった、初のCPI(消費者物価指数)の発表となりましたが、2月の結果は

 

・米・2月消費者物価指数(CPI):前年比+6.0%(予想:+6.0%、1月:+6.4%)
・米・2月消費者物価コア指数:前年比+5.5%(予想:+5.5%、1月:+5.6%)
・米・2月消費者物価指数:前月比+0.4%(予想:+0.4%、1月:+0.5%)
・米・2月消費者物価コア指数:前月比+0.5%(予想:+0.4%、1月:+0.4%)

 

となり、価格変動の激しい食品とエネルギーを除くコア指数だけが前月比で
予想を上回る結果となり、残りは予想と一致となりました。

 

特に前月は前月比で予想を上回る結果となっていたことから、市場では
インフレ再燃が警戒されていましたが、予想とほぼ一致という結果となった
ことぉ受けて来週のFOMCでは+0.25%の利上げ幅にとどまるとの見方が
強まり金利も上昇しましたが、足元で大きく下落していたこともあって、
株式への影響は少なく、株価の支援材料となりました。

 

ダウは前日までの5日続落しその下げ幅は1600ドル超となっていましたが、
財務省やFRBが異例の預金の全額保護をすると明言していることもあり、
徐々にセンチメントの改善が見られ始めた模様です。

 

個別銘柄では、銀行破たんの風評で売り込まれていた地銀のウェスタン・
アライアンス・バンコープがヘッジファンドのシタデルによる同社株を
大量購入したことが報じられ大幅高。

これにより同じく破たん懸念で急落していたファースト・リパブリック
銀行やチャールズ・シュワブといった金融株も連れ高する展開となり
ました。

 

また主要なところでは利上げ停止観測が早まったことや雇用1万人の
追加削減を発表したメタが+7.2%の上昇、今月頭に開催されたインベスター
デイ後、失望売りが出ていたテスラなども反発しています。

 

半導体関連も反発し、アドバンスト・マイクロ・デバイセズをはじめ、
エヌビディアやインテル、KLA、アプライド・マテリアルズなども
上昇となりました。

 

 

◆FRBの年内利上げはあと1回、だが・・・

 

足元のシリコンバレーバンク、そしてシグネチャーバンクが相次いで
経営破たんとなったことを受けて、市場では今後FRBによる利上げの
ペースにも変化が見られるようになりました。

 

(政策金利の見通し3/15付け)

 

直近では来週開かれるFOMCで+0.25%の利上げ、その後は6月まで
利上げなしという銀行破たん前の年内3回、またその間には+0.50%の
利上げも?という見通しとはまったく違った予想に変わってきました。

 

そもそも今回の2行の破たんはイレギュラーな取り付け騒ぎによって
引き起こされたもので、米財務省もFRBもそれが分かっており、連鎖
的な破たん、また信用不安にはつながらないとの見方もあり、異例の
預金者全額保護という決定に至ったものと思われます。

 

この早急な措置を鑑みると20年のコロナパンデミックで市場が混乱
したときも早期に量的緩和の無制限実施などを発表し、市場が
落ち着いたことが想起されます。

 

これは2008年のグローバルフィナンシャルクライシス(GFC)所謂
リーマンショック後の対応策の失敗の際の轍を踏まないことに
起因していると考えています。

 

リーマンショックを経験したことがない投資家の多くは、「リーマン
ブラザーズが経営破たんしたから株価が大暴落した」と思っている
方が多いと思いますが、実際は少し違います。

 

08年9月半ばにリーマンブラザーズが経営破たんした際には実は
その直後はあまり株価は下落していません。

 

 

実際に大きく下げ始めたのは同年9月末からです。

 

この9月末に米議会では金融安定化法案として公的資金を注入して
リーマンブラザーズを助けるかどうかの議論がなされていました。

 

当初は上下院ともに法案可決の方向で動いていましたが、最終的に
下院で否決となり、公的資金は注入しない、リーマンブラザーズを
助けないとなったことから市場の混乱が始まり、大幅安となって
いきました。

 

その後長らくの景気後退時期を経験し、この同じ轍を踏まないように
ということで市場でパニックが起きたら被害が浅いうちに手を差し
伸べるという政策スタンスに変わってきたのではと考えています。

 

きのうは日本株も一時700円安まで売り込まれその中心が銀行、
保険といった金融株でした。

 

しかし国内でも鈴木財務大臣が米国銀行の破たんを受けて会見を
していましたが、国内への飛び火、影響はほとんどないと明言
していることもあって、早晩国内の金融株も買い直される動き
になると思われます。

 

特に銀古株は売り長の状態が続いていて、売り方は今回の下落を
待ってましたとばかりに喜んでいるはずなので大量のショートカバー
が入れば、多少荒っぽく値を戻していくのではとみています。

 

今後の金利見通しからやや話が逸れましたが、上図を再度見て
もらうと6月まで利上げ無しで、その後7月から段階的に利下げという
予想が出ていますが、これはやや早計かとみています。

 

FRBの物価目標は2.0%であり、今回の結果でもまだ6.0%と目標の
3倍も高い水準にあるため、今後はインフレ+今回のような実体経済
への悪影響を鑑みながらということで利上げのペースは緩やかになる
かと思いますが、利下げは少なくとも年後半まで持ち越されるものと
思われます。

 

おそらく利下げ停止後の次の市場の乱高下要因はFOMCのたびに金利
現状維持(利下げなし)で株安、利下げ発表で株高という形に
変わってきます。

 

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