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REPORTレポート

◆FRB、預金保護プログラムに最大2兆ドル拠出

2023.03.17 レポート

いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。

 

◆きのうの日米株価指数終値

 

日経平均株価 27,010.61 -218.87
TOPIX 1,937.10 -23.02
マザーズ 736.65 -5.75
NYダウ 32,246.55 +371.98
ナスダック総合 11,717.28 +283.22
S&P500指数 3,960.28 +68.35

 

きのうの米国市場は、信用不安がやや後退したことからショートカバーを中心
とした買い戻しの動きで3指数揃って上昇となりました。

 

米国に引き続き欧州でも銀行の財務リスクに対する懸念が広がる中、きのう
ECB理事会が行われ、欧州ではインフレの高止まりから3会合連続の+0.5%の
大幅利上げを決定しました。

 

発表直後は金融不安がくすぶる中での大幅な利上げが決定されたことで、
欧州株は一時下落する場面もみられましたが、スイス中銀によるクレディ・
スイスに対するスイス資金供給策の発表に加えて、経営不安で預金流出が
加速しているファースト・リパブリック銀行に対し、JPモルガンやウェルズ
ファーゴなどが、合計300億ドル(約4兆円)を預金することで合意したことが
伝わったことも支援材料となり、同行の株価は一時▲36%急落していたところから
+28%と大きく買い戻される動きがみられました。

 

また足元で下落していたその他の金融株も軒並み高となっています。

 

米国では3月11日の週の新規失業保険申請件数が発表されましたが、結果は
19.2万件と市場予想の20.5万件をを下回り改めて労働市場の堅調さが
示されました。

 

また2月の住宅着工件数も予想131.0万件に対して145.0万件(年率換算)
と大きく伸びたことから住宅需要の堅調さも維持されている状況です。

 

来週に控えるFOMCを前に強い経済指標が出たこともあって銀行の破たんショック
の直後は次の会合では利上げ無しとの観測も広がっていましたが、ECBが
利上げを決定したことも手伝って再び+0.25%の利上げの確率が8割ほどに
上昇する動きとなっています。

 

 

個別銘柄では、金融株のほか、アナリストが投資判断を引き上げた
半導体のインテルが+6.2%の大幅高。

これに連れ高する格好でアドバンスト・マイクロ・デバイセズや
エヌビディア、KLA、マイクロン・テクノロジーなど半導体関連が
買い直される動きが目立ちました。

 

一方、ディフェンシブ色の強い1ドルショップのダラーゼネラルや
ダラーツリーが値下がりし、リスクオフで買われていた金関連の
バリックゴールドなども反落する展開となりました。

 

 

◆FRB、預金保護プログラムに最大2兆ドル拠出

 

先週末のシリコンバレーバンクの破たんを受けて、FRBは特別
融資プログラムとしてBank Term Funding Program(BTFP)の創設を
発表しました。

 

内容は企業や家計を支えるため、銀行、貯蓄協会、信用組合、
および米国財務省、政府機関の債務を約束するその他の適格な
預金機関に対して最大 1年間の貸し付けを行うもので、急な資金
需要に対して後ろ盾するプログラムとなっています。

 

対象は預金だけでなく国債、およびモーゲージ債、担保として
看做されるその他の適格資産が対象となっており、これらの資産は
すべて額面通りでの評価で拠出することを約束したプログラム
となっています。

 

JPモルガンの試算によればこのBTFPの規模は2兆ドル(約270兆円)
とされており、米国のGDPの1割強という屈強なプログラムと
なっています。

 

きのう、パリバショックにつながる恐れとお伝えしましたが、当面は
システミックリスクは大幅に後退したとみて
良いと思います。

 

米銀破たんの後、スイスの大手銀行クレディスイスに飛び火しましたが、
もし今後、他の銀行に火種が移った場合、ECBでも似たような緊急
プログラムを発動し、信用不安払しょくに動くものと思われます。

 

そういった意味では半ばパニック的な売りが波及した銀行、保険
関連株は絶好の仕込み場と言っても良いと思います。

 

国内ではきのう、2月の貿易統計が発表され輸出は7.65兆円、前年同月比
で+6.5%となり、2月としては1979年の統計発表以来で1位の輸出額
となっています。

 

(2月貿易統計【日本】)

 

しかし、額面が伸びた背景にあるのが円安で、税関長公示レートは昨年2月、
1ドル=114.84円からことしの2月130.38ドルと前年同月比で13.5%もの
円安が進行したことが大きく影響しており、数量ベースでは好不況の
節目とされる100を割り込む90.6と5カ月連続のマイナスとなっています。

 

国内では大手企業を中心にベースアップが満額回答ラッシュとなっている
ようですが、足元の外需動向をみると為替差益という脆弱な材料により
額面が増えているだけに本当にベースアップして大丈夫か?という
心配もあります。

 

最後に先日ご紹介したMOVIX指数をご紹介しておきます。

 

(MOVIX・日足チャート)

 

昨日は米株が上昇したことでVIXが下がり上昇となりやや下げたものの、足元では
危険水準の6.5倍を越えている状態となっており、まだまだ予断は許さない状況
です。

 

梅雨の一時の晴れ間とならなければいいのですが。

 

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