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REPORTレポート

◆FOMC後の米株安に注意

2023.06.14 レポート

いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。

 

◆きのうの日米株価指数終値

 

日経平均株価 33,018.65 +584.65
TOPIX 2,264.79 +26.02
マザーズ 806.22 +8.55
NYダウ 34,212.12 +145.79
ナスダック総合 13,573.32 +111.40
S&P500指数 4,369.01 +30.08

 

きのうの米国市場は注目だった物価指標に落ち着きが見られ始めたこと
からFRBの金融引き締め姿勢が緩む期待から3指数揃って上昇と
なりました。

 

注目されていた5月の米CPIの結果は以下です。

 

前年同月比4.0%(予想:4.1%)
前月比0.1%(予想:0.2%)
コアCPI前年同月比5.3%(予想:5.3%)
〃前月比0.4%(予想:0.4%)

 

食品とエネルギーを除くコアは予想と一致でしたが、レギュラーの方は
予想を小幅ながら下回ったことと前月から総じて伸びが鈍化したことを
受けて今晩予定されているFOMCでの追加利上げの可能性がほぼゼロ
となり、安心感から幅広い銘柄が買われる展開となりました。

 

ただ先日カナダ中銀、オーストラリア中銀が利上げを実施したことも
あり、7月には再びFRBは0.25%の追加利上げをする観測は続いており、
米長期金利は3.8%台と高水準で推移していることもあって、これが
やや株価の重石となっています。

 

ダウはこれで6日続伸となり2月13日以来およそ4カ月ぶりの高値。
ナスダックとS&P500も4日続伸し、揃って連日で昨年4月以来の高値を
更新しました。

 

個別銘柄では、重機のキャタピラーが3%超の上昇となり、化学の
ダウ・インクや工業・事務用品のスリーエムなど景気敏感株が上昇。

 

中国人民銀行(中国の中央銀行)が景気支援で短期金利を引き下げた
ことが材料視され、資源のフリーポート・マクモランやUSスチール、
アルミ大手アルコア、鉄鋼のニューコアなどシクリカル関連も上昇
となりました。

 

EVのテスラはこの日も上昇し、これで13連騰。
ゼネラル・モーターズやフォードなども上昇しています。

 

一方で相場のけん引役となっていたアップルはマクロ環境の悪化で
iPhoneの販売やAPP Storeのサービス収益が鈍化するとの理由から
UBSが投資判断を買いから中立に引き下げたことが影響し、小幅安
となりました。

 

 

◆FOMC後の米株安に注意

 

5月の米CPI(消費者物価指数)が鈍化の兆候を見せたことで6月の
利上げの思惑はほぼ消失しました。

 

今朝の時点では約92%が政策金利据え置きとなっていますが、CPI
発表直後の市場が予想する6月の利上げ確率は一時0%となっていました。

 

CPIを無事通過して一息つきたいところですが、次いで今晩はFOMC、
そしてその後のパウエルFRB議長の会見が予定されています。

 

6月の利上げは見送りが濃厚ですが、注目はリリースされるレポート
の今後の政策金利見通し(ドットチャート)とパウエル議長の発言
です。

 

3月に公表されたドットチャートでは、ことしの金利見通しは
約5%でちょうど今がその水準に到達している状況です。

 

(ドットチャート23年3月時点)

 

そして来年、再来年にかけて金利を下げていくというのが現在の
FRBメンバーのコンセンサスとなっています。

 

この見通しが今回のFOMCで変更がなければ安心感から相場はまだ
しばらく堅調に推移することになると思われます。

 

一方で、FRBが物価目標とする年2%水準までは今回のCPIが鈍化
したとてまだ2倍の開きがありますので積極的な追加利上げは
年後半はないとしても、マーケットが期待しているような
8月、9月ごろからの利下げ実施においては可能性は低いとみています。

 

WSJのFRB専門記者(=ほぼFRBの代弁者)のニック・ティミラオス氏
からも「FRBは6月は利上げを停止しても追加利上げが基本路線である
ことを示す可能性がある」と発言。

 

 

(Nick氏のツイート)

 

そのため、FOMC後のパウエルFRB議長の会見でも今回の利上げ停止で
市場が浮足立たないようバランスを取るためタカ派的な発言が出てくる
可能性も十分にあるとみています。

 

特に今は米市場も金利高でも株安になるどころか労働市場が堅調なこと
もあって、リセッションしてもソフトランディングになるとの見方
から堅調な推移をしています。

 

よって、今時点から利下げをほのめかし青田買いで株高が助長されて
しまえば、資産効果からインフレが再燃する可能性が高くなりますので
99%の確率で利下げに言及することはないとみています。

 

あとはパウエルFRB議長のタカ派発言をどれだけ市場がシリアスに
受け止めるかによって今晩、そして明日の日本市場に影響を及ぼす
とみています。

 

色々御託を並べましたが、詰まるところFOMC後にさらなる株高になる
というよりも材料出尽くしから株安、パウエルFRB議長のタカ派発言
にマーケットが過敏に反応するようなら下げは大きくなる可能性が
あるのではと個人的にはみています。

 

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