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REPORTレポート

◆リスクオンに傾斜しすぎている日本株

2023.06.21 レポート

いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。

 

◆きのうの日米株価指数終値

 

日経平均株価 33,388.91 +18.49
TOPIX 2,283.85 -6.65
マザーズ 858.34 +5.97
NYダウ 34,053.87 -245.25
ナスダック総合 13,667.29 -22.28
S&P500指数 4,388.71 -20.88

 

 

連休明けの米国市場は中国の景気減速懸念とパウエル議長の議会での発言
待ちで3指数揃って下落となりました。

 

中国人民銀行(中銀)はこの日、景気の下支えを狙って政策金利を引き下げ
たものの、予想よりも小幅だったことから景気減速への懸念が強まり景気
敏感株中心に売られ、指数は続落スタート。

 

またFRBのパウエル議長の上院、下院での議会証言を前に、FRBメンバーの
ウォーラー理事やFOMCでの投票権は持たないもののタカ派で知られるリッチ
モンド連銀のバーキン総裁から利上げ継続を支持する発言が相次いだことも
あって、利上げ長期化を示唆する発言が出る可能性もあることから利益確定
売りが目立つ一日でした。

 

加えてきのうは5月の米住宅着工件数が発表され、市場予想を大幅に上回る
強い内容となったことも利上げへの警戒感を高める材料となりました。

 

個別銘柄では、EVのテスラが+5%超の大幅高。

GMやフォードに続き、新興EVメーカーのリビアン・オートモーティブが
テスラの急速充電設備を利用できるポートを搭載することを明らかにし、
テスラの充電規格が業界標準になりつつあることからテスラに買いが入り、
リアビアンも大幅高となりました。

 

その他、エヌビディアやメタなどが上昇しナスダックの下げは小幅に
とどまった一方で、景気動向に敏感なボーイングやスリーエム、重機の
キャタピラー、化学のダウ・インクなどの景気敏感株が軒並み安と
なっています。

 

◆リスクオンに傾斜しすぎている日本株

 

日経平均株価は5月17日に3万円の大台乗せとなり、そこからわずかひと月
も経たないうちにさらに+3000円の上昇で、6月13日には33000円台乗せ
となり、メディアではバブル時の高値38,957円をいつごろ突破してくる
のか?という話題が出てくるようになってきました。

 

AIバブルや円安、海外勢の日本株買いが続けば年内、または来年には
越えてくる可能性はあるかもしれませんが、足元の相場状況は過熱感が
満載といったところで、いったん屈伸運動(押し目)を作らないことには
さらに上にはいきにくい相場状況になりつつあります。

 

(裁定残と日経平均株価の推移)

 

まずは最低残(裁定買い残-裁定売り残)は過去のピークである4億株を
越えているということです。

 

過去推移をみてもこの4億株を超えるほど買い残が売り残よりも
積み上がるとだいたい相場は天井を付けやすくなります。

 

(日経平均株価・日足チャート)

 

続いてテクニカル面でみると買われ過ぎ、売られ過ぎの過熱感を測るオシレーター
指標で知られるRSIが足元でその買われ過ぎを示す70~90のところで往来していて
過熱感が高まっています。

 

さらに言えば、図で示したように株価は上がっているのにRSIは徐々に下がって
きていることも分かります。

 

これはダイバージェンス(逆行現象)と言って、一見すると強い株価の動きでも
RSIでみれば弱い動き、天井が近いときに見られる現象です。

 

一番近い過去では20年12月から21年2月ごろにかけても株価は上昇しているのに
RSIは下降するダイバージェンスが起こりましたが、その後、株価は下げに
転じていきました。

 

(2020年12月-21年2月のRSIダイバージェンスと日経平均株価の推移)

 

そして個人的には今回もし下がり出すとその下落幅が大きくなりやすいとみています。

 

その理由は多くの投資家が株価の上昇に耽溺してヘッジをほとんどかけていない
ということです。

(信用残と日経平均株価の推移)

 

上図は信用残(信用買い残-信用売り残)と日経平均株価を比べたものになりますが、
足元では信用残が270億株と過去に見ないほど積み上がっています。

 

21年12月ごろも信用残が膨らんだタイミングがありますが、このときでも
240万株超で、これほどまで信用残が積み上がったことは見たことがありません。

 

それに対して、青い売り残はほとんど増えていないことが分かるかと思います。
日経平均が急上昇していることもあって、ショートポジションを取って、
踏まれるのが怖いという心理からなかなか空売りが出来ていないことを示します。

 

ただ、最低残は過去ピーク、テクニカル指標でも天井圏を示唆しているということ
からこの上昇の流れが変わった場合、十分にヘッジが出来ていないことから半ば
パニック売り的な下げが起こる可能性もあるとみています。

 

何度も言うように6、7、8月、この3か月は鬼門の月です。

 

長い目で見れば上かもしれませんが、目先は個人的にはまったく楽観視していません。

上がったところは手堅く利確して、次の押しを待つ余裕を持つように
したいところです。

 

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