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REPORTレポート

◆ドクターカッパーは景気の先行き不安を示唆

2023.06.29 レポート

いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。

 

 

◆きのうの日米株価指数終値

日経平均株価 33,193.99 +655.66
TOPIX 2,298.60 +44.79
マザーズ 806.27 +7.61
NYダウ 33,852.66 -74.08
ナスダック総合 13,591.75 +36.08
S&P500指数 4,376.86 -1.55

 

きのうの米国市場はダウは反落、ナスダックは2日続伸と指数まちまちの
展開となりました。

 

パウエルFRB議長は28日にECB(欧州中央銀行)が主催する「ECBフォーラム」
のパネルディスカッションに出席し、次回7月のFOMCでの追加利上げを実施する
可能性を示唆。

 

さらにインフレについて「想定していたよりもしつこい」と述べ、米国の
インフレ率の2%回帰は2025年以降になるとの見通しを示したことを受け、
さらなる利上げ観測が浮上したことが相場の重石となりました。

 

きのうも「FRBの要人発言などで早晩、『金利先高観から景気減速懸念で調整』
という展開を迎えやすい」とお伝えしていたように、早くもパウエル議長から
追加利上げを示唆するコメントが出た格好です。

 

S&P500では、エネルギー、通信サービス、一般消費財などが堅調だった一方、
公益、素材、生活必需品、ヘルスケアなどが軟調な展開。

 

また取引終了後にFRBによる銀行のストレステスト(健全性審査)結果の発表を
控えていたこともあり、金融業界に対して慎重ムードが広がり、銀行株が軟調
な動きとなっています。

 

個別銘柄では米商務省がAI(人工知能)向け半導体の中国への輸出停止を
検討していて、早ければ7月にも実施されるとの見通しが報じられたことから
半導体株中心に売り込まれエヌビディアやアプライドマテリアルズ、
インテル、ラムリサーチなどが下落となっていますが、高原推移は続いて
います。

 

一方、アナリストが目標株価を引き上げた動画配信のネットフリックスが
買われたほか、アップル、マイクロソフト、アルファベット、テスラなどの
主力ハイテク株は買われナスダックをけん引しました。

 

◆ドクターカッパーは景気の先行き不安を示唆

 

銅の需要は景気の先行きを示すことから「ドクターカッパー」の異名を
持つコモディティですが、足元の値動きは明るい見通しを示している
とは決して言えない値動きとなっています。

 

(銅先物・週足チャート)

 

昨年下落が続いていた銅価格は同年7月ごろに底打ちし、そこからことしに入り
反転上昇の動きをみせていましたが、4月ごろから再び下落基調へと入って
きています。

 

ちょうどチャート上に示した三角保ち合いを上にブレイクできずに下方向に
押され始めた形です。

 

 

今週発表された米国の5月の耐久財受注や、新築住宅販売件数などは予想を
上回る指標が多く、米国ではリセッションはまだしばらくないという声も
出てきていますが、そうであればこのドクターカッパーの動きが間違えている
か、または米市場の値動きが間違えているか、はたまたその他の国で景気後退
の兆しが見えているかのどれかということになります。

 

上記3点の中で可能性があるリスクとしては、中国の景気減速懸念です。

 

中国は足元でゼロコロナ対策を終了させ、景気は底入れするとの期待がありました
が、このところの中国を巡っては、米中対立の再燃やそれに伴う半導体を中心とした
サプライチェーンの再構築の動きが経済活動の足かせとなることが懸念されています。

 

先日、中国の李国強首相が景気刺激策を検討しているということが報じられ、
中国景気の回復への期待はあるものの、中国の財政状況を鑑みると、大規模な景気
刺激策は難しいものと思われます。

 

(中国の政府債務対GDP比 出所:Bloomberg)

 

その理由は借金の増加です。

 

日本も言えたものではありませんが、中国も政府債務がGDP比で今年の第1四半期に279.7%
に急上昇しており、これは前四半期に比べて 7.7%増加でここ3年間でみれば最大の伸びと
なっています。

 

そのため銀行の預金準備率を引き下げたりなどの緩和策は講じているものの、景気を
大きく上向かせるような策というのは限られていると思われます。

 

相場を長くやっている方であれば、2015年に起こった中国の景気減速から世界同時株安
に陥った所謂「チャイナショック」を覚えていらっしゃる方も少なくないと思います。

 

幸いにも日本市場は米中対立からくる地政学リスクから投資マネーが中国市場から
日本市場に移り、漁夫の利を得ている状況です。

 

仮に中国が景気後退へと陥り、上海総合指数や香港ハンセン指数などが暴落となっても、
2015年ほどの暴落は起こらないかもしれませんが、中国からのインバウンドや輸出など
日本経済の外需支えとなっていることは紛れもない事実ですので、まったくの無傷という
わけにはいきません。

 

(上海総合指数・月足チャート)

 

上図の三角保ち合いを下にブレイクしてしまうようなことになれば、危険シグナルと
考えています。

 

 

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