REPORTレポート

いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。

◆きのうの日米株価指数終値

日経平均株価　32,710.62 +91.28
TOPIX　2,349.75 +17.75
マザーズ　758.61 -1.56
NYダウ　34,837.71 +115.80
ナスダック総合　14,031.81 -3.16
S&P500指数　4,515.77 +8.11

先週末の米国市場は注目された8月の雇用統計は好感されたものの、
その後に発表された8月のISM製造業景況指数が予想を上回ったこと
から金利が上昇し、株価の重石となりました。

まずは雇用統計についてですが非農業部門雇用者数は予想17.0万人に
対して18.7万人増と小幅に上回る結果となったものの、失業率は
予想3.5％に対して3.8％と増加。

また労働者の平均時給は前年同月比で4.4％の予想に対して4.2％と
低下し、失業率が低下したことと所得の伸びが鈍化したことが好感され
朝方から買い優勢の展開となりました。

しかしその後に発表された8月のISM製造業景況指数は予想47.0に対して
47.6と好不況の節目とされる50を下回った結果とはなったものの前月の
46.4から伸びたことやサブインデックスでは雇用が伸びたことや原油
価格の再上昇を理由に仕入れ価格が上昇したことが追加利上げを後押し
する材料として警戒され米長期金利が上昇、朝方上昇していた株価は
中盤にかけて値を消す展開となりました。

（ISM製造業景況指数・サブインデックス）

また米国は本日、日本の勤労感謝の日にあたるレイバーデイで3連休
ということもあり、金曜日から休みを取っている人も多く、積極的な
売買が手控えられたことも要因の一つかと思われます。

個別銘柄では中国の新たな不動産支援により資源価格の上昇を見込んで
銅関連のフリーポートマクモランやサザンカッパーなどが上昇。

半導体インテルのCEOゲルシンガー氏が「同社の第3四半期の状況は
予想を上回って推移している」とコメントを発信したことから4％超上昇し、
ISM製造業景況指数でエネルギー価格の上昇が仕入れ価格に影響している
ことが改めて意識されエネルギー関連のシェブロン、エクソンモービル
なども上昇となりました。

一方で医薬品大手でダウ採用銘柄でもあるウォルグリーンブーツアライアンス
のCEO、ブリュワー氏が退任を発表したことで同社株は▲7％以上の下落と
なったほか、EVのテスラは米国で一部の車両の値下げを発表したことから
利益率低下が懸念され▲5％の下げとなっています。

◆インフレ懸念再燃！原油価格は再び上昇サイン点灯

今回の8月のISM製造業景況指数でエネルギー価格の上昇により仕入れ価格
が上昇していることをお伝えしました。

日本でもガソリン価格が高騰し、消費者の悩みの種となっています。

その原油価格ですが、再び上昇する可能性の高いサインが点灯しています。

（WTI原油価格・日足チャート）

上図を見ると7月下旬に加工していたトレンドを上にブレイクし、足元では
チャートパターンでも有名な「カップウィズハンドル」を示現させています。

コーヒーカップに似た形からこう呼ばれるのですが、ポイントは実際に上昇
し始めたらどこまで上がるか？という点ですが、カップのトップからボトムを
付けた値幅分、上昇するということがよく言われます。

（カップウィズハンドルの値動きパターン）

実際にこれを今回のWTI原油に当てはめると1バレル＝約100ドルとなります。

目先は86.5ドル前後に上値を抑えてくれる可能性のある重要な節目があるため
そこで頭打ちとなって下落に転じてくれればいいのですが、ここをブレイク
してくるようであれば、上昇していく可能性が高まります。

物価の上昇はひとたび起こり始めるとかなり粘着性の高いものですので、
ここ数カ月で漸く落ち着きを見せ始めたインフレが仮に再燃となれば、
マーケットでは追加利上げの警戒感から株安に転じるおそれがあることには
注意が必要です。

目先はこの原油価格の動向に再注目していきたいところです。

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