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REPORTレポート

◆FRBは年3回の利下げ見通し、一方で市場は年6回の利下げに期待

2023.12.14 レポート

いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。

 

 

◆きのうの日米株価指数終値

日経平均株価 32,926.35 +82.65
TOPIX 2,354.92 +1.76
グロース 664.97 +1.54
NYダウ 37,090.24 +512.30
ナスダック総合 14,733.96 +200.57
S&P500指数 4,707.09 +63.39

 

きのうの米国市場はFOMCの結果とその後のパウエルFRB議長のハト派
姿勢の会見を受けて金利が低下、株価指数は3指数揃って大幅高と
なりました。

 

注目された12月のFOMCでは3会合連続での政策金利据え置きとなり、これ
自体はすでに織り込まれていましたが、公表された経済見通しと2024年の
政策金利見通しは9月のFOMCから一段とハト派的となり、FRBが見通す
政策金利は9月の年2回の利下げから年3回の利下げへと緩和姿勢が強まる
形となりました。

 

(12月FOMCでの経済物価見通しと金利見通し)

 

9月の時点では政策金利は2023年5.6%から24年5.1%とされていて、
現行の5.25%-5.50%の政策金利からするとあと1回の利上げの可能性
がありました。

 

しかし実際はそのラスト1回の利上げは行われず、そこから考えると
来年の利下げは事実上1回となっていたことになりますが、今回は
上図資料で示されたように2023年5.4%から24年4.6%とマイナス0.8%
の金利低下が見込まれていることから0.25%ずつの利下げが行われることに
なると年3回の利下げということになります。

 

その後のパウエルFRB議長の会見では、「金利水準はピークに達した可能性
がある」とコメントし、さらに「利下げについて議論を行った」とこれまで
一貫してタカ派でもハト派でもない中立的なコメントを発信し、市場に
過度な期待も失望も持たせないスタンスを取っていたパウエル議長が、
異例とも言える来年の利下げに言及するハト派に傾斜した発言をしたことで
米長期金利は4.0%前半まで急低下、米株市場は3指数揃って会見後から
上げ幅を急拡大させる展開となりました。

 

https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcpresconf20231213.htm

(パウエル議長記者会見)

 

個別銘柄では、ウォルグリーン・ブーツアライアンスが、ドラッグストア
チェーンの分離について協議が続けていると伝わり7%超の大幅高となり、
ダウ指数をけん引。

 

また今回の利下げ観測から金利が低下したことで産金関連のバリックゴールド
やニューモントも6%の上昇となったほか、財務悪化懸念が後退したUSバンコープ
やフィフスサードなどの地銀株が軒並み上昇。

 

住宅需要の回復期待も高まり、ホームデポを始めレナーやDRホートンなど
関連銘柄も上昇となりました。

 

一方で、ファイザーがコロナ終息と共に同社のワクチン需要が減少するとし、
24年度見通しを発表し売上高・利益ともに市場予想を下回ったことから
▲7%弱の大幅安となっています。

 

 

 

◆FRBは年3回の利下げ見通し、一方で市場は年6回の利下げに期待

 

(12月FOMCでの経済物価見通しと金利見通し)

 

もう一度上図を見返してみると、来年の米GDP成長率は9月の見通し時点
の1.5%成長から0.1ポイント下方修正され、1.4%成長の見通しとなりました。

 

一方で、PCEインフレーション(物価見通し)においても9月の2.5%から
2.4%、食品とエネルギー価格を除くコアPCEも2.6%から2.4%へそれぞれ
物価見通しが引き下げられ、これを理由に来年3回の利下げが妥当とFRBは
考えたものと推察されます。

 

このハト派姿勢に変わったことを好感し、市場は金利低下株高に反応しました。

 

しかし、この期待が市場ではさらに前のめりになってきています。

 

(市場が織り込む政策金利水準)

 

上図は今回のFOMC後の市場が織り込む政策金利水準を示したものですが、ご覧
の通り、FRBの年3回の利下げの倍の年6回の利下げを織り込み、来年12月には
金利は3.75%-4.00%まで下がるとの見通しとなってきています。

 

来年の12月になってみないとどちらが正しいかは分かりませんが、このFRBと
市場の期待との乖離が修正される段階でマーケットはボラタイルな展開にいずれ
なっていくことには注意が必要です。

 

さて、米市場は大幅高で帰ってきましたが、米長期金利が大幅に低下、これ以上
の利上げはないとの見方が強まったことで為替相場ではドル円が142円台前半と
一気に円高方向に振れる展開となっています。

 

これが大型外需株を中心とする日経平均やTOPIXの重石となる可能性がある
一方で、金利低下を受けてこれまで蚊帳の外に追いやられていた東証グロースに
上場する銘柄には追い風となる可能性が高まってきます。

 

来年はグロース復活の年になるともみており、個別銘柄だとなかなか選別が
難しいという方は東証グロース250【2516】、東証グロース・コア【1563】
のETFなどを予算の1枠、2枠を使って仕込んでおくのも良いかと思います。

 

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