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REPORTレポート

◆S&P500化する日経平均株価

2024.02.16 レポート

いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。

 

 

【相場概況】

◆きのうの日米株価指数終値

日経平均株価 38,157.94 +454.62
TOPIX 2,591.85 +7.26
グロース 725.70 +2.65
NYダウ 38,773.12 +348.85
ナスダック総合 15,906.17 +47.03
S&P500指数 5,029.73 +29.11

 

きのうの米国市場は景気敏感株中心に買いが入り3指数とも続伸。
S&P500は4日ぶりに過去最高値を更新しました。

 

朝方発表された1月の米小売売上高が市場予想から大幅に下振れたことで、
FRBが利下げに動きやすくなったとの見方から金利が低下し株高の動き
が強まりました。

 

 

(米小売売上高の前月比と前年同月比推移)

 

小売売上高は増加すれば消費が旺盛ということで景気が良好と捉えられ
ますが、1月の小売売上高は7002億9100万ドルとなり、前月比で▲0.8%
と予想の▲0.1%から大幅なマイナスとなりました。

 

もっとも12月のクリスマス、年末商戦という消費が伸びやすい12月と
1月と比較してもあまり意味はなく、重要なのは前年同月比ですが、それは
+1.1%と伸びています。

 

またニューヨーク連銀とフィラデルフィア連銀の2月製造業景況指数が
市場予想から大幅に上振れし、景気に対する楽観的な見方が強まったことで
景気敏感株中心に買いが入りました。

 

ダウは終日堅調に推移し続伸。

大型ハイテク株や半導体株の一角が軟調だったことからナスダックは
マイナス圏で推移する時間帯がありましたが、後半から値を戻し、プラス圏
に浮上し小幅続伸。

 

S&P500は4日ぶりに過去最高値を更新しました。

 

個別銘柄では、ウェルズ・ファーゴがOCC(通貨監督庁)より、営業慣行の
不正行為に関する2016年の同意命令を解除したことが伝わり、7%超の大幅高。

 

決算発表や一部車種の値下げでネガティブ視されていたEVのテスラも
この日は反発となり6%超の上昇。

 

その他、産金関連のバリックゴールドや銅関連のサザンカッパー、鉄鋼の
ニューコアなど資源関連が好調。

 

加えて百貨店大手のノルドストリームやコールズ、化学のダウインク、
1ドルショップのダラーゼネラルなどが買われています。

 

一方で売上高見通しを下方修正し、大規模な人員削減計画を発表した
IT機器のシスコシステムズが下落。

 

アルファベットやマイクロソフト、アマゾン、エヌビディアなども下げ、
ナスダック指数の重石となりました。

 

 

 

◆S&P500化する日経平均株価

 

日経平均株価はきのう38157円とついに38000円の大台に乗せ、バブル期の
高値38915円まであと700円程度となりました。

 

しかし今回の日経平均の爆上がりに対して、多くの投資家が冴えない
パフォーマンスになっているのではないかと思います。

 

(騰落レシオ)

 

騰落レシオの値上がり銘柄数と値下がり銘柄数を見てみると、今年に
入って特に目立つのが値上がり銘柄よりも値下がり銘柄数が多いのに
日経平均株価が上昇しているという点です。

 

これは日経平均株価に採用されている指数ウェイトの高い銘柄や225
採用の半導体関連ばかりが買われていて日経平均株価を押し上げている
だけであり、他はぱっとしていないことの証左です。

 

よって出遅れ株を買っても出遅れ続け、高値で買いにくい主要半導体
を敬遠すればそちらは上昇とまるでS&P500のマグニフィセント7の
ような相場つきとなっているのがいまの日経平均株価の中身です。

 

実際に売買代金上位の225採用の半導体銘柄と日経平均株価を比較
したいと思います。

 

・レーザーテック

 

・東京エレクトロン

 

・アドバンテスト

 

・ディスコ

 

・SCREEN HD

 

・ルネサスエレクトロニクス

 

・信越化学工業

 

とマグニフィセント7に因んで「7人の半導体サムライ」をピックアップ
しましたがご覧のように昨年から日経平均株価を大きくアウトパフォーム
している銘柄ばかりです。

 

この理由に関しては生成AIへの期待もありますが、それ以外に大きく影響
しているのが国内外の機関投資家による日の丸半導体の爆買いとみています。

 

個人投資家と違ってファンドを運営している機関投資家などはベンチマーク
である指数(日経平均株価やTOPIX)に勝たないといけないという使命があります。

 

日経平均株価が昨年から上昇をはじめ、ことしに入ってもなおその勢いが
止まらないとなればこの日経平均株価をアウトパフォームする成績を出すには
否が応でもいま勢いに乗っている半導体関連を買わなければ勝てないということに
なります。

 

それと資金の出し手である顧客への運用の説明責任も付いてくるため保身のため
というのはやや言い過ぎですが、説明がしやすい半導体関連を運用を指揮する
ファンドマネージャーの個人的な見解は「高値で買いにくい」という本音が
あったとしても買わざるを得ない台所事情があるのではと考えています。

 

ただこういった形で中身の伴っていない一部の銘柄だけが局所的に買われて
バブル期の高値更新というのはあまりいい形ではなく、日本の景気が良いから
上がっているわけでもなく、2000年のドットコムバブルに近い様相を呈して
いるのはやや気がかりです。

 

ここから半導体関連以外の銘柄への個別循環物色の展開になるかどうかで、
地に足の着いた上昇になるのかが決まってきます。

 

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