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REPORTレポート

◆春のマイナス金利解除観測が強まりリスクオフの動き

2024.03.08 レポート

いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。

 

 

【相場概況】

◆きのうの日米株価指数終値

日経平均株価 39,598.71 -492.07
TOPIX 2,718.54 -12.13
グロース 765.78 -9.98
NYダウ 38,791.35 +130.30
ナスダック総合 16,273.38 +241.83
S&P500指数 5,157.36 +52.60

 

きのうの米国市場は再び半導体関連が買い直される格好で相場のけん引役となり、
3指数揃って反発となりました。

 

パウエルFRB議長は前日の下院での議会証言に続き、この日は上院での議会証言で
利下げ開始の条件となる物価の安定を達成できるとの確信を持てるようになるのに
「そう遠くない」と述べたことがセンチメント改善につながり反発の動きとなりました。

 

ISM景況指数をはじめこのところ経済指標で予想や前月を下回る数字が出ていただけに、
利下げ開始の時期が近いことが確認されたことで景気後退を回避できるとの見方が
強まりました。

 

加えてECB(欧州中央銀行)のラガルド総裁もインフレが落ち着きを見せ始めている
ことから6月からの利下げを示唆したことも支援材料となりました。、

 

翌日の雇用統計を見極めたいとの様子見ムードもあってダウは伸び悩んだものの、
半導体株の上昇にけん引されナスダック指数は上げ幅を拡大し1.5%の上昇。
S&P500も1%の上昇となり、最高値を更新しました。

 

個別銘柄ではパウエル議長のコメントで金利が低下したことでハイテク株や
半導体関連が上昇。

 

台湾のTSMCが5%超の上昇、そしてエヌビディアやオランダのASMLも4%超の
上昇となり、それぞれ最高値を更新。

 

またマイクロンテクノロジーも投資判断の引き上げや上方修正が発表された
ことで買われたほか、メタも3%超の上昇で最高値を更新、足元で下落していた
グーグルも反発し2%の上昇、マイクロソフトも堅調でした。

 

一方で、中国関連のJDコム、アリババ、バイドゥが軟調で医薬品のファイザー、
アムジェン、ディスカウントストアのターゲット、百貨店のノルドストリーム、
コールズ、クレジットカードのマスターなど消費関連に弱い動きが見られました。

 

 

◆春のマイナス金利解除観測が強まりリスクオフの動き

 

きのうの日経平均株価は500円ほど下落し、4万円台から39500円台と大台陥落
となりました。

 

後場から急激に値を下げていったわけですがこの背景にあったのが再来週に
予定されている日銀会合でのマイナス金利解除、金融緩和の終了観測が出た
ためです。

 

報道ベースでは一部の政府関係者からマイナス金利解除の時期は日銀に任せるとし、
その時期は3月でも4月でもどちらでも構わないという意見がでたことから、一気に
為替は円高に振れ、株式市場でもリスクオフの動きが強まりました。

 

今般の日銀の金融政策は2013年4月からスタートした「量的・質的金融緩和」ですが、
その最大の政策目標は、デフレからの脱却、インフレ目標2%です。

 

その後、日銀は2016年1月に「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」に政策を
修正し、同年9月には「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入しこれまで
緩和姿勢を継続してきました。

 

(東京都区部の消費者物価指数)

 

しかし、足元ではすでに物価指数は日銀の目標としてる年2%水準を越えており、
いつ緩和が解除されるのかに市場は注目をしています。

 

日銀の植田総裁は「賃金と物価の好循環が確認出来るまでは緩和を継続する」、
「弱い場合は躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる」と姿勢を続けています。

 

その理由として物価は2%を超えているものの、賃金上昇で物価が上がり、
物価上昇でさらに賃金が上がる好循環がまだはっきりとみられないため緩和
姿勢を取っています。

 

現に世帯収入ではマイナスの状態がまだ続いています。

 

(勤労世帯の収入)

 

名目(額面)でも物価変動を除いた実質ベースでもマイナスとなっており、
直近昨年12月時点では▲7.2%となっています。

 

まさにインフレにより多くの世帯が収入減(支出増)となっていることを示して
おり、ことしの春闘で賃金の上昇率は4%、よくて5%とされていますが、
それを加味しても実質ではマイナスとなります。

 

市場では今月の会合での3月解除論、また新年度に入ってからの4月解除論が
多いですが、個人的にはもう少し様子を見てから解除に踏み切る可能性も
あるのではとみており、マーケットが3月、4月の解除を想定してリスクオフに
傾斜したタイミングで売られたところは絶好の買い場になってくるとみています。

 

もし仮に、3月4月にマイナス金利が解除されたとしても、植田日銀総裁は、
「マイナス金利解除=引き締め方向にシフト」というスタンスはこれまでの
会合後の会見でも当面は移行しないスタンスを取っているだけに、解除となって
もそこから上がっていくとみています。

 

つまり、解除が警戒される間の期間だけがリスクオフで、解除が実施された後は
株価は持ち直していく投資格言の「Buy the rumor,Sell the fact(噂で買って
事実で売れ)」の逆、「噂で売って、事実で買う」動きになってくるとみています。

 

よってその意味でこの3月、4月はマイナス金利解除観測が警戒され上値の重い展開に
なりやくなると考えています。

 

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