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◆ISM製造業が1年半ぶりに50を回復
2024.04.02 レポート -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
【相場概況】
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 39,803.09 -566.35
TOPIX 2,721.22 -47.40
グロース 734.62 -11.83
NYダウ 39,566.85 -240.52
ナスダック総合 16,396.83 +17.37
S&P500指数 5,243.77 -10.58週明けの米国市場はダウは下落、ナスダックは小幅反発と指数まちまちの
展開となりました。朝方発表された3月のISM製造業景況感指数が50.3と市場予想の48.1を上回り、
好不況の節目となる50を1年半ぶりに上回り、特に価格指数が予想以上に
上昇したことを受けて市場の利下げ期待が後退。米長期金利が再び4.3%台まで上昇したのをきっかけに利益確定売りが
出やすく、ダウは200ドル超の下げに。
一方で半導体株などの一角が買われたことでナスダックは小幅反発しています。セクター別では、コミュニケーションがが上昇し、エネルギーと情報技術が
買われた一方、不動産、ヘルスケア、工業、生活必需品などが下げました。個別銘柄では、アナリストによる目標株価の引き上げが伝わった半導体の
マイクロン・テクノロジーが5%超の大幅高となり上場来高値を更新。これを受けてか台湾のTSMC、ASML、ブロードコム、KLAなど他の半導体関連も
上昇し、半導体指数(SOX)は1%超の上昇となり3日続伸。その他足元で売られていた中国関連のピンドゥ、バイドゥ、アリババ、
JDコムなどが揃って上昇。アルファベットやメタ、マイクロソフトなど大型ハイテク株の一角も堅調でした。
一方、薬局チェーン、ウォルグリーンが2024年業績の下方酒精を発表し、
これが嫌気された▲10%弱の大幅安となったほか、2月の言説支出がプラスの予想
に反して▲0.3%と落ち込んだこともあって、ホームデポやレナー、DRホートン
など住宅建設関連が軟調でした。◆ISM製造業が1年半ぶりに50を回復
(ISM景況指数とS&P500の推移)
きのう3月のISM製造業景況指数が公表されましたが、22年10月ぶり1年半越しに
好不況の節目となる50を上回る結果となりました。特にポイントとなるのが、このISM製造業景況指数とS&P500の相関性は強く、
指数が上昇すればS&P500も上昇し、指数が下落すればS&P500も下落する動きが
顕著にあ割られているのが分かるかと思います。さらに、このISM製造業景況指数は周期があり、過去を振り返ると15年、19年が
底となり、4年サイクルで上下を繰り返していることも分かります。つまりその4年サイクルで言えば、ことしが底打ちの年となりこれから上向いて
くることが期待できます。ただ上図を見ても足元では株価が先行して上昇している分、いったん下落調整
を迎えた後、ISM製造業景況指数が上昇していけば、それにつられて株価も復調し、
再び連動していく動きになってくるのではとみています。その下落調整のきっかけとなってくるのがFRBが現時点で予定している年3回の
利下げプランを年2回、または1回に修正することで市場の利下げ期待が失望と
代わり調整を迎える可能性もあるとみています。話は変わり、きのうの日経平均株価は600円弱の下落となるなど新年度相場
入りして機関投資家によるアロケーション(資産配分)のための益出し売り
が出て大幅安となりました。ただ日本株に対する市場の見方が変わったとかそういったものではなく、
あくまでも季節的な需給要因でのボラタイルな展開ですのでさほどきにすることは
なく、安くなった場面では新年度入りしたことで新たな年金基金や企業の自社株買い
など待機資金もあることから下押ししたところは買われる動きがみられると
思われます。気を付けておかなければならないのが今回の米国の指標が強いだけに利下げ期待
が後退しており、ドル円が152円を抜けてくると為替介入が入りやすくなる
点です。介入の規模にもよりますが過去の介入事例でも瞬間風速的に4~5円ほどの円高
方向への動くことで外需関連を中心に売られる材料になってくるので、慎重な
動き方をしたい方は介入発動後の安いところを待ち構えての方が良いと思います。介入がなければ買うタイミングを逸するということにはなってしまいますが。
※本日の経済キーワード※
【ISM製造業景況指数】
ISM製造業景況指数(ISM Manufacturing Report On Business)とは、
全米供給管理協会(ISM)が公表している、米国の製造業における景況感を示す指数。全米の製造業350社の購買担当役員を対象にアンケート調査を実施し、その結果を
基に作成されます。生産、新規受注、在庫、価格、雇用などの項目について、前月と比較し、
「良い」、「変わらず」、「悪い」から選択してもらい、結果をパーセンテージで
表したもので、50を越えると好況、下回ると不況と判断され、景気の先行指標
として注目されています。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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