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REPORTレポート

◆3月の米CPI、予想よりも強い結果となれば利下げペース縮小か

2024.04.09 レポート

いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。

 

 

【相場概況】

◆きのうの日米株価指数終値

日経平均株価 39,347.04 +354.96
TOPIX 2,728.32 +25.70
グロース 697.26 +6.22
NYダウ 38,892.80 -11.24
ナスダック総合 16,253.95 +5.43
S&P500指数 4,825.42 +6.29

 

きのうの米国市場は3指数ともに前日終値を挟んでの展開で終始しました。

 

先週末に発表された3月の米雇用統計では雇用者数が予想を上回る伸びを
示し、失業率は予想を下回る結果となり労働市場は引き続き堅調。

 

ただこれによりFRBによる利下げ時期が後退する懸念や今週10日に発表される
3月の米CPIを前に積極的な売買は手控えられ様子見ムードの強い一日となりました。

 

個別銘柄ではEVのテスラが先日低価格のEVモデルの開発を中止し、8月8日に
完全自動運転のロボタクシーを発表するとしてテスラが5%弱の大幅高。

 

英半導体設計のアームやクアルコム、テキサスインスツルメンツなど半導体
の一角が上昇。

 

金利の上昇を受けてバンクオブアメリカやモルガンスタンレーなどの金融株
も買われました。

 

一方で、アパレルのGAPや百貨店大手のコールズ、1ドルショップのダラーツリー。
ダラーゼネラル、ディスカウントストアのターゲットなど小売関連が軟調
でした。

 

 

◆3月の米CPI、予想よりも強い結果となれば利下げペース縮小か

 

今週10日に市場が注目するイベントとして3月の米CPIの発表があります。

 

今のところ予想は以下となっています。

 

*3月CPI [前月比] 前月:0.4% 予想:0.3%
*3月CPI [前年同月比] 前月:3.2% 予想:3.5%
*3月CPIコア[前月比] 前月:0.4% 予想:0.3%
*3月CPIコア [前年同月比] 前月:3.8% 予想:3.7%

 

足元で地政学リスクから原油価格が上昇してきていることもあり、総合の
CPIは前年度月比で3.5%の伸びとなる見通し、その一方でエネルギー、
食品を除くコアは前年同月比で3.7%と前月より0.1ポイント低下する
見通しとなっています。

 

FRBは物価指標としてCPIよりもPCEを指標としており、先月末に発表
された2月のPCEはいずれも予想とほぼ一致する結果で、パウエルFRB議長
はPCEの結果を受けて、「昨年下半期に得られた多くの良好な数値ほど
低くはなかったものの、私たちの期待により沿っていたことは間違いない」、
今回の結果に「過剰に反応することはない」と明言。

 

利下げの計画に変更がないことを示しています。

 

ことしは年3回の利下げ計画をFRBは3月のFOMCで公表しており、スケジュール
的には6月、9月、12月と四半期ごとに行う可能性が高いですが、市場の
織り込む金利見通しでは6月の利下げの可能性が5割程度となっており、
今回のCPIの結果が予想を上回る数字になることはもとより、そもそもの
予想値が高いことからほぼ予想通りの数字となったとしても利下げペース
鈍化が意識される可能性があるともみています。

 

(6月の利下げ確率)

 

この結果次第では米長期金利が急騰し、株安へとつながるリスクがあることには
警戒が必要です。

 

国内ではきのう2月の毎月勤労統計調査速報値が公表されましたが、労働者
全体の実質賃金は23か月連続のマイナスとなりました。

 

名目では上昇しているものの実質がマイナスということは、足元の物価上昇に
賃金上昇が追い付いていないことを示しています。

 

(名目賃金と実質賃金の推移)

 

足元の日本株、特に日経平均株価は史上最高値を更新していますが、その中身は
AIによる半導体特需、自動車の半導体不足解消によるものが中心で、
これらのほとんどは外需であり、多くの国民がいまの株高を好景気と捉えることが
できない要因となっています。

 

ことしの春闘では大企業を中心に大幅なベースアップが計られていますので、
これが実体経済に反映してくるのは夏ごろとなり、徐々に投資資金の矛先は
外需から内需へとシフトしていき、日経平均株価はあまり上がらないけど、
これまで上がってきていなかった内需系の銘柄が上昇してくるという動きが
みられてくると考えています。

 

 

※本日の経済キーワード※

 

【個人消費支出(PCEデフレータ)】

 

米商務省が毎月末に発表している個人消費の物価動向を示す指標。
個人消費支出の物価上昇圧力を測る尺度として用いられます。
PCEデフレーターから、価格変動が激しい食品とエネルギーを除いたものを
「PCEコアデフレーター」と呼び、FRBが最も重視している物価指標です。

 

CPI(消費者物価指数)との違いはCPIは棚卸しされている実際の商品の
物価で測るものに対して、PCEデフレーターは「実際に消費者が購入したモノ」
の価格で測られるという違いがある。

 

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