-
◆日経平均500円を超える暴落、2万円はバブルだったのか?
2015.04.30 マーケットニュース -
こんにちは、株スクール マナカブ.com講師の中山です。
本日一般的には?恐れていたことが現実のものとなりました。
日経平均が昼過ぎから500円を超える大暴落となり、本日538円安の19520円での着地となりました。
この暴落の要因は何だったのか?
本日お昼に発表された日銀の金融政策決定会合での追加緩和ナシのニュースでした。
参照:http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/k150430a.pdf先日よりブログでお伝えしていたので、きちんと読んでポジションの調整を行っていた方は何の問題もない話しですが、日経平均が2万円を超えたことをイイことにイケイケドンドンで保有銘柄を増やしてしまっていた方には痛い一日になったのではないでしょうか。
ただ、本日を振り返ってみると、これまで上昇相場を牽引してきた東証1部の大型株が大きく値を下げており、時価総額の低い中型株、小型株になるにつれてその下げ幅は限定的なものとなっています。
【前日比騰落率】 4/30付
日経平均 -2.69%
東証1部大型株指数 -2.45%
東証1部中型株指数 -1.85%
東証1部小型株指数 -0.83%
東証2部指数 -0.81%
マザーズ指数 -1.04%
JASDAQ指数 -0.56%単純に日経平均が下げたとか上げたとかを見るんじゃなくて、こういった相場全体の流れの中で、何を掴むか、ここが個人投資家が弱いところのような気がします。
これまで相場を牽引していた大型株が値下がりしたわけですからそりゃ日経平均も暴落します。
ただ、日経平均が下げたからといって何でもかんでも暴落しているかといえば違うわけです。
上記でみれば、特徴的なのが東証1部小型株の値下がり率の低さ。
単純に日経平均の3分の1程度しか値下がりしていないということが数字として見えるわけです。なぜこうも下げ幅が違ったのか?そういうところに視点を置いてその理由は何なのかを探るようにしていけば一歩でも二歩でも上達すると思います。
この理由は、これまで日銀の資産買い入れ、GPIF&かんぽの株式買い入れ増などで右に習えと言わんばかりにゆがんだ上昇相場が作られていたわけです。
さらに今回の日銀追加緩和期待も加えられてイケイケドンドンになっていましたが、
http://ameblo.jp/manakabucom/entry-12017255139.html
の記事でも書いたように冷静に考えれば本日の追加緩和なんてあり得ないことなのに、「専門家が言っているからあるだろう」という安易な思惑が足元の上昇に拍車をかけていました。そこに期待とは裏腹のネガティブニュース。
日銀はETFを買い、ETFに連動した大型株がメインに買われていたわけですから期待とは逆に追加緩和がないとなれば、その負の影響も当然のように大型株に降りかかって、今回の大型株暴落につながったというわけです。
相対的に日銀のETF買い入れに連動しにくい中小型株はその下落も限定的であったということになります。
セクターで見ると、値下がり率が大きかったのが情報通信、精密、食料品など。。。
もうね
「バブルか!?」とツッコみたくなるような直近買われすぎていた銘柄が分かりやすいように大きな下落率を示して下げていました
ただ今回は相場全体で見てみれば企業業績と連動した上昇になっていましたので2000年3月以来の2万円達成となりましたが、そのときのITバブルとは少し様相が違います。
赤:日経平均 緑:PER
上図は日経平均と市場全体PERの推移を示したものです。
PERが分からない方は、投資したときの回収年数と覚えてください。
つまり、投資回収年数は低いほうがいいわけです。日経平均が上昇すると、株価が上がりますので株の取得単価が上がる分、投資回収年数(PER)も上がります。
上図を見ると、日経平均が上がるときにほぼ同じ水準でPERが上がっています。
緩和策などのテコ入れで手を加えられた相場と言えども比較的健全なマーケットです。これが、日経平均の上昇以上にPERが上がったりすると株価上昇以上に投資回収率が悪くなるということになります。
例:
日経平均2万円 PER18倍の場合、
2万円で投資して、毎年1111円企業が稼いでくれれば、18年で回収できるしかし、これが
日経平均22000円 PER25倍となってしまったりすると、
22000円で投資して、企業が毎年880円の稼ぎしかないため回収に25年かかることになるというわけです。
単純に日経平均が22000円になったからと言って喜ぶのではなく、回収率はどうなったのか?これを見ることで投資していいタイミングなのか、ダメなタイミングなのかが分かるようになります。
2000年3月のITバブルのときにも日経平均は20000円をつけていましたがそのときのPERは60~70倍ありました
同じ日経平均2万円でもその回収年数には大きな違いがあったというわけです。これを踏まえ現状考えると、現在の日経平均はしっかりと企業業績を踏襲した株価推移を見せていますのでバブルではありません。
ただ、バブルではないからと言ってこの下落は今日だけの一時的なものなのか?
それともしばらく続くのか?
が目先取引するには気になるところかと思います。これについては、明日に回したいと思います。
-
【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。