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◆逃れられる暴落を制してこそ資産を増やすコツ
2015.05.13 マーケットニュース -
こんにちは、株スクール マナカブ.com講師の中山です。
本日の日本株は欧州の景気回復や、インフレ期待などを背景に金利(10年債利回り)が上昇したことが嫌気されて欧州株が値下がりしたことをきっかけに米国株も2日続落、これを受けて日本株も朝は弱い展開でしたが、後場から先物に仕掛け的な買いが入り、現物株を押し上げる展開となりました。
アメリカでは利上げの警戒感がある中、ヨーロッパの低金利が、アメリカの金利を抑え、株価を支えてきただけに、直近の債券市場の巻き戻しは、株価上昇の重石となります。
「金利と株価」、「金利と国債価格」の関係は基本的には逆相関関係にあります。
これについては今回のテーマではないので、ネットで検索などして勉強してみてください。
さて、3月決算企業を中心に決算発表が引き続きラッシュとなっていますが、悪い決算を出しているところは暴落を喫しています。
また決算と同時に悪材料、不祥事などの発表も暴落の要因を招いています。
毎日株式相場をチェックしている方であればご周知の通り不適切な会計処理により決算発表を遅らせた東芝【6502】、1200億円の資本金を1億円にする(減資)と発表し、累積損失を解消させるシャープ【6753】などは発表をきっかけに暴落しています。
東芝【6502】
シャープ【6753】
上記2銘柄はイレギュラーですが、単純に悪決算で値下がりしている銘柄も散見されます。
本日の東証1部の値下がり率ランキングでみても昨日の大引け後に決算発表した銘柄がたくさん入っているのが分かります。
たとえばエスクリ【2196】、ミマキエンジニアリング【6638】、フージャース【3284】、イマジカロボット【6879】、ミクニ【7247】、大王製紙【3880】、ミツミ電機【6767】、オリジン電気【6513】、大林道路【1896】と枚挙に暇がありません。
これらの共通点は何か?
それは決算発表の内容が悪かったということになるのですが、まず株初心者の方に知っておいていただきたいのが上場企業は投資家へ向けて年に4回の決算発表を行っています。
3月決算企業の場合、
第1四半期:4月1日~6月末の業績結果
第2四半期:4月1日~9月末の業績結果
第3四半期:4月1日~12月末の業績結果
本決算:4月1日~翌3月末の業績結果と今年の見込み(現在はココを発表)
です。
発表する時期も決まっていて、各期末後45日以内に発表しなければならないのです。
なので、3月で締めたものを45日前にあたるちょうど今の時期に各企業が決算を発表しているわけです。
このルールを知らない方も多いと思いますのでぜひ覚えてください。
そして大事なのが今回のテーマでもある「逃れられる暴落からは逃れておきましょう」ということです。
正直、決算発表というものはリスクでしかないと思っています。
ここで言う「リスク」というのは下がるリスクということではなく、
経済学的に言う「ある事象の変動に関する不確実性」をリスクと指します。
つまり、どう転ぶか分からないものはリスクであるということです。
ただ、先ほども言うように、この決算発表というのは上記のルールを覚えていさえすればそのリスクを低減できるわけです。
決算発表はまたがない(もしくはポジションを許容できるところまで減らしておく)のが正解なのです。
企業の決算発表はネットで検索をすればいつ発表されるかというのも分かりますし、証券会社によってはいつ発表予定か提示してくれていますのでカンタンに確認ができます。
個人投資家の中には「明日決算だ!」とワクワクしている人もいるようですが、僕からしてみればまったく意味が分かりません。
かなりのギャンブル好きな方なのでしょう。
特に今回の3月決算企業で挙げれば本決算です。
この本決算とは通常の第1~第3四半期とは大きく異なる点として次期予想を発表してきます。
今回ならば2015年度(16.3月期)の予想ですね。
株価というものは将来の企業収益に倣って上下しますのでこの次期予想が悪ければ当然失望売りへと変わるわけです。
そのリスクから逃れられるのであれば、逃れておくのが得策であるわけです。
いくら企業分析をしたとしても会社が発表する次期予想が良いものか悪いものかを判断するのはかなり難しいものです。
自分が買った銘柄が決算を機にいきなり暴落したら、そのショックから何もできなくなったりします。
そして持ち続けても業績内容が悪いため買い手も付かず上がらない。
これが恐怖の塩漬け株への第一歩になるわけです。
不確実性から逃れるために、保有している銘柄の決算発表予定をチェックし、事前にリスクコントロールを行うことが、負けない投資家になるためのテクニックです。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。