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◆喉元過ぎれば熱さ忘れる
2015.08.28 -
こんにちは、株の学校 マナカブ.com講師の中山です。
日経平均は水曜日から3連騰となり、先週末とはまったく景色が変わった展開となりました。
昨日発表された4-6月期の米国GDP改定値が前回速報値の2.3%から3.7%へ上方修正されたことや週間発表の失業保険申請者数が予想を下回ったことなどが好感されて欧米市場が上昇し、これを引き継いだ格好で日本株も前日比+561円高の19136円となりました。
この3日間で上昇幅は1330円上昇したことになります(8/25終値より)
僕はこれとの結びつきは完全否定派なのですが、中国株が3日ぶりに心理的節目となる3000ポイントを超えてきたことも安心感が広がったということになるのでしょう。
本日の値上がり率ランキングを見てもらえれば分かりますが、早い銘柄ですと、下落前の株価まで価格が戻っているものも散見されます。
こういったときに、冷静になって今回の暴落は何が原因だったのか?
やはりこれを一歩立ち止まって情報収集を行い、自分で考えていく、考える習慣をつけていかないとまた同じことが起きたときに狼狽売り、投げ売りに振り回されて大きな損失を被ってしまうということになるんじゃないかと思います。
ここが勝てる人、負け続けてしまう人の大きな分かれ道だと僕は思います。
前回から何度も言うように中国の影響で株が下げたと言われていますが、じゃあその中国が日本にどれだけの影響力があるのか?
このあたりを冷静になって調べていくことで今回の下げで騒ぐのか、絶好の仕込み場として捉えるのかまったく違う見え方になるはずです。
上図は2013年から現在の日経平均株価と日経平均採用銘柄の1株あたりの純利益(EPS)の推移です。
見ての通り、企業業績をしっかりと反映した株価であるため20000円という大台をタッチしているわけであり、この1株利益は市場の今期のコンセンサスでは1320円程度と言われています。
株価というものはメインは業績(に対する期待)、将来の1株利益を見越した水準で動き、マーケットでの株価は市場のセンチメントで大きく揺れ動きますがそれが今回のように投げ売りにより値を下げて明らかに割安な水準となれば、必ず値戻しが起こることは過去の歴史が何度も証明しているわけです。
つまり需給で動いている株価というものは実態であり実体ではないということです。
そのため、下落した局面を悲観するのと、実体経済を把握して判断するのとでは同じ相場でも見え方がまったく変わってくるのです。
現在は見ての通り実体経済に伴っていない株価水準にあるため、日柄の調整(戻り待ちの売り)はあってもそれが解消されれば必ず業績に見合った株価に戻っていくのです。
◆喉元過ぎれば熱さ忘れる
今回、この諺を記事のタイトルにした理由は2つあり、今回の暴落したときに冷静になって考えることを忘れないで欲しいということ。
そして、きちんとした投資尺度を持って株式投資に臨んでいただきたいのです。
なんとなく上がりそうだから買って、上がったら売って、下げたらロスカットして・・・これではいくら月日が経とうとも上達はしません。
今一度、自分が行っている投資尺度で今後の相場と対峙していけるのか、考えるようにされてみてください。
もう一つは、今回の下落が落ち着いて通常の相場の動きに流れが変わったときに、安心してしまうということに気をつけてください。
人は嫌なことは忘れていく生き物です。
そういう風に脳ができています。
ですので、今回の相場で投げ売りさせられた方の多くはドカ買いが原因。
常に一発勝負している人かと思います。
それでは投資とは呼べません。
僕は株式投資において大事なことは
・銘柄選び(何故その銘柄を買うのか)
・エントリータイミング(なぜそこで買うのか)
・資金管理(初めにいくら買うのか、下げてきたときはどうするのか)
だと思っています。
これを決めて行うことが大事であるとブログの中でも何度かお伝えしています。
相場は好き勝手に動くものであり、自分の思惑通りに動いてはくれないのです。
逆を言えばその歪が起きるからチャンスが表れるのです。
そして、その好き勝手に動く相場に対して唯一個人投資家の皆さんができること、それこそが資金管理とトレードルールなのです。
これで帳尻を合わせていくしかないのです。
授業の中では今回のように大きく下げたときに拾える余力を残しておくことをお伝えしています。
これがあるのとないのとでは精神的に大きな違いが出てきます。
なので、今回の下落で投げ売りにつられて大きく損失を出してしまった方はおそらく3ヶ月、半年もすれば忘れ慎重姿勢ではなく、ドカ買いに走ってしまうでしょう。
そしてまた資産を目減りさせる。
これでは成長がありません。
上記2つのことを忘れないようにしていただき、またしっかりと利益を出していただきたいと心から思います。
僕がやっている体験勉強会はこちらです
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。