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◆トランプ大統領誕生、マイク・ペンス氏の政治手腕がカギを握る
2016.11.09 -
こんにちは、株の学校 マナカブ.com講師の中山です。
本日大統領選挙の結果が引け後にほぼ出た形となり、538議席中過半数である270議席を獲得したのはドナルド・トランプ氏となり、新大統領が誕生しました。
また、同時に行われた上院議員選挙も共和党が勝利する結果となりました。
いい意味で捉えればねじれのない政府、悪い意味で捉えれば「トランプ帝国」の誕生です。
今日はこの大統領選挙に日本市場も振り回される展開となりました。
前出の報道ではクリントン氏が私的メール問題でFBIから問題なしとお墨付きをもらったことで優勢との報道が尾を引き日経平均は朝方からプラス展開が続いていましたが、徐々に開票結果が進むにつれてトランプ氏が票を集めていることが明らかになると急落し、マイナス転換した後は一気に下げ幅を拡大する展開となり、トランプ大統領誕生の結果がほぼ確定となった大引けでは919円安の16251円でクローズとなりました。
デイトレをやっている人にとってはかなりエキサイティングな一日となったと思います。
この結果を見ると本当に事前の世論調査をはじめとしたマスメディアやブックメーカーは当てにならないことをまざまざと見せつけられました。
日経平均はトランプ氏の勝利が見えてくると投げ売りとそれに重ねるような空売りの応酬で900円以上下落しましたが、ダウ先物の動きを見ると、東京時間では一時17479ドルと昨晩のダウの終値から850ドル以上下落していましたが、ブログを書いている19時半現在では18000ドルを回復しており、きのうの終値の18332ドルと比較するとその下げ幅は▲300ドル(▲1.8%)程度と早くも落ち着きを取り戻すような展開になってきています。
このところメルマガでは下げたところは投げ売らず絶好の仕込み場であるとお伝えしていましたが、多くの銘柄が明日から行き過ぎた下落の是正が始まるでしょう。
◆トランプ氏が大統領になったからといって企業価値が毀損するわけではない
マーケットは不測の事態が起きると常に行き過ぎる動きをします。
これはHFT(超高速自動取引)が広がった結果と言えるかもしれません。
しかし、普通に考えてみてください。
本日日経平均は5%以上の下落となりましたが、トランプ氏が大統領になったからと言って日本企業の1株利益が5%一瞬で吹き飛ぶということはないわけです。
もちろん、トランプ氏が大統領になったことで政策の不透明さからドルが売られ円高が進行しこの円高が重石となり日本の輸出関連企業の利益圧迫することは考えられますが、それでも今日のドル円の値動きは安値で101円台前半、19時半時点では103円台までドル安が是正されてきています。
つまりここに大きなミスプライスが生じるわけであり、投機、投資のチャンスが転がっているということになります。
冷静に対処すれば今日の日経平均900円の下落に感情的になって狼狽売りすることなく、むしろここをチャンスと捉えて取組むことが出来る人が相場で勝てる人になると思います。
トランプ氏になったことや上院、下院とも共和党が勝利したことでTPP妥結が危ぶまれることもあるでしょう。
中間所得者層に対する減税措置に対する財源はどうするのか?
法人税を15%に引き下げてその財源はどうするのか?
銃規制の緩和で治安はどうなるのか?
など問題は山積ですが、言えることはこれで「不透明要素」が一つ消えたという事実です。
マーケットが最も嫌うのがこの不透明要素、不確定要素です。どうなるか見えないというものが不安を煽るわけですが、本日トランプ氏になったことは変わらざる事実であり、次の市場の注目点は具体的な政策がどういうものになってくるのかという点に徐々に視点が移ることになります。
◆副大統領マイク・ペンス氏の手腕が米国政治のカギを握る
そこでことし7月にトランプ氏から指名されて副大統領候補となったマイク・ペンス氏がいかにトランプ氏のサポートができるかがカギを握るでしょう。
このペンス氏は2000年に下院選で当選し、2012年にはインディアナ州知事を務め今回の副大統領候補に名前が挙がった生粋の政治家です。
トランプ氏はこれまで政治経験がないことが不安要素とされていますが、ペンス氏率いる優秀な閣僚がこの部分を補うことで逆に「良いコンビ」となり、新たなアメリカの改革者としての一面を発揮できれば市場はこれを交換する形で今回の大暴落の結果を翻すことになるでしょう。
クリントン氏になっていたとしてもレームダックは回避できなかったわけですから、新たな米国の大統領誕生を素直に喜びたいと思います。
日銀の買い支えで相場が動かないよりぜんぜんマシです。
マナカブ生からもLINEで場中、引け後にいろいろと本日の相場展開についてメッセージをいただいていますので順次ご返信したいと思います。
少々お待ちください。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。