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◆世界最大のヘッジファンドから学ぶ経済の仕組み vol.1

2016.11.24

こんにちは、株の学校 マナカブ.com講師の中山です。

今回はシリーズものとして、世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーターアソシエイツのファンドマネージャー、レイ・ダリオ氏が解説する経済の仕組みをご紹介したいと思います。

 

◆経済を動かす3つの要素

経済のからくりは簡単なものなのですが、それを理解している人は少なく、またそのからくりが納得できず経済的な苦難に追い込まれている人も多いのです。

ですから、今日は経済のからくりを簡単に具体的にお話したいと思います。

これは型破りな考え方ですが、30年以上にわたって確かな成果が証明されたために、私は世界金融危機を予知して避けることができました。では始めましょう。

 

経済の仕組みは複雑に見えますが、そのからくりは簡単なものです。

これは簡単な構成要素と簡単な取引から構成されています。これが繰り返し何度も何度も起こっているのです。

取引を引き起こしているのは人間の知恵です。ここから経済を動かす3つの主な要素が生まれます。

第1は生産力の成長、第2は債務の短期的な周期、第3は債務の長期的な周期です。

この3つの要素を個別に考え、またそれを積み重ねたモデルケースを考えると経済の動向と現在の状況を理解できるのです。

 

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最初に経済の最も簡単な要素である取引を見てみましょう。

簡単に言えば経済は取引の積み重ねであり、取引とは簡単なものです。私たちはいつも取引をしています。

 

何かを買うと取引が発生します。取引では買い手がお金とクレジットを提供し、それと引き換えに売り手が物品、サービス、資産などを提供します。

クレジットはお金みたいなものですから、使われたお金とクレジットを合計すると支払総額がわかります。

この支払総額が経済を動かします。

支払額を売上量で割ると単価がわかります。これが取引です。

これは経済のからくりの構成要素です。

 

 

経済の波と動きは、取引によって引き起こされます。

ですから、取引を理解できたら経済の仕組みが理解できます。経済市場は買い手と売り手が取引をすることで構成されます。

例えば小麦市場、自動車市場、株式市場、そしてその他の市場もです。経済はすべての取引とすべての市場の積み重ねなのです。

 

すべての市場での支払総額と売上総量を計算すると、経済の仕組みを理解することができます。簡単なものです。人、会社、銀行、政府機関、このすべてが今話した取引をしています。

お金とクレジットを、物品、サービス、資産と交換しているのです。買い手と売り手の最大手は政府機関です。

これを2つに分類できます。中央政府は税金を徴収し、お金を支出します。そして中央銀行ですが、これは普通の買い手、売り手と違って経済のお金とクレジットの総量をコントロールできます。

すなわち中央銀行は利子の動きを制御し、また新しい通貨を印刷できるのです。このため中央銀行はクレジットの流れに大きな影響を与えます。

 

 

◆クレジットを理解すれば経済が分かるようになる

クレジットを考えてみましょう。

クレジットは経済の重要な要素ですが、一番理解されていない要素でもあります。

これは一番大きく変動しやすいため最も重要な経済の要素なのです。買い手と売り手が市場で取引をするのと同様に、貸し手と借り手も取引をします。

 

貸し手は手持ち金を増やそうとし、借り手は手持ち金以上のものを、例えば家とか車を買いたいし、ビジネスを始めたり投資をしたいのです。

 

クレジットは貸し手と借り手を助けることができます。

借り手は借用額、すなわち元金に利子を加えて返済することを約束します。

利子が高いと負担が重荷となり借用額は減少します。その反面利子が低いと借用額は増えます。

 

借り手が返済を約束し、貸し手がそれを信じるとクレジットが発生します。

2人が誰であってもクレジットは発生させることができるのです。これは簡単に見えますがクレジットには異なる一面もあります。クレジットが発生すると借金が発生します。

借金は貸し手には資産であり借り手には債務です。将来借り手が元金と利子を返済すると資産と債務は消滅し、取引は精算されます。

 

では、クレジットはなぜ重要なのでしょうか。借り手がクレジットを得ると支出額を増やせます。

支出が経済を押し上げるのです。ある人の支出はほかの人の収入となるからです。

 

 

考えてみてください、あなたの支出は誰かの所得となるのです。あなたが得る所得は誰かの出費です。

ですからあなたの支出がふえると誰かの所得がふえるのです。ある人の収入がふえると貸し手は貸出額を増やそうとします。借り手の信用力が増えたからです。

 

クレジットのある借り手には返済能力と担保があります。借金と比べて収入が大きいと返済能力が増えます。

返済ができなくても担保の価値が大きいとそれを売却できます。

 

そうなると貸し手は安心して貸せるのです。収入がふえると、もっと借りることができ支出を増やせます。

ある人の支出はほかの人の収入となりますから、もっと借りることができるようになるというわけです。この好循環が経済の成長につながります。これで経済の波ができます。

 

 

◆2つの債務周期

取引では何かを得るために何かを提供する必要があり、得られる額はどれだけ生産できるかによって決まります。

知識の蓄積が生活水準を引き上げ、生産高を引き上げます。発明家や勤労者は怠慢で何もしない人に比べて生産性と生活水準が向上します。でもこれは短期で見るとそうでない可能性もあります。

生産性は長期的に重要な要素ですが、短期的にはクレジットが大切な役割をします。

短期的には生産性は余り変動しません。したがって経済の変動に余り影響しません。

でも債務を利用すると生産額より消費額を大きくできます。

その一方、返済の際には消費額を縮小することになります。

 

債務には2つの大きな周期があります。

1つは5年から8年の周期で、もう1つは75年から100年の周期です。

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普通この波の動きを感じることができても周期があることに気づきません。

波の動きは日ごと、週ごとに起こっているので大きな動きに気づきにくいのです。

 

 

ここでは一歩下がってこの3つの大きな要素を調べ、その相互作用が経済にどう影響するか考えてみましょう。

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経済動向の細かい変動は、経済革命とか雇用環境の変化で起こるものではありません。

この変動は、利用できるクレジットの額によって影響されます。

 

 

クレジットが存在しない経済を考えてみてください。

ここでは支出を増加できる唯一の方法は所得の増加です。すなわち生産性と労働時間を増やす必要があります。

 

生産を増加させないと経済は成長できないのです。私の支出はほかの人の所得ですから、私たちの生産性が増えると経済は成長できます。

この環境では経済成長は生産性の成長と同時に起こるのです。

 

しかし借りることが可能なら波に変動が起こります。

これは法律とか規制によって起こるものではありません。これは人の知恵に基づいて、またクレジットの変動で起こるのです。

借金をすることは、言ってみれば支出を前倒しすることです。収入以上の買い物をするためには収入以上を支出することになります。

これを可能にするには未来の自分から借金をするのです。こうすると将来返済のため収入より支出を減らすときが来ます。これは波の上下動を起こします。

 

基本的にお金を借りることは変動を起こすことになるのです。

 

これは個人にとっても経済全体にとっても同じです。ですからクレジットをしっかり理解する必要があるのです。クレジットを発生させると将来予測可能な一連の事態を引き起こすことになるのです。

 

この意味でクレジットはお金と違うのです。

 

Vol.2へ続く

 

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