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◆バフェット投資に騙される日本人

2018.05.26

こんにちは、株の学校 マナカブ.com講師の中山です。

本日、朝から無料セミナーを開催いたしましたが、そこでご参加いただいた方から「バフェットの投資法などはどうでしょうか?」というご質問を受けました。

バフェットと言うのは、株をやっている人には説明不要かと思いますが、米国の著名投資家、NY市場にも上場しているバークシャーハサウェイの代表のウォーレン・バフェット氏のことです。

 

彼の投資スタンスというのは割安な株を買ったらあとは売らない、つまりバイアンドホールドの長期投資のスタンスで大きな資産を築きました。

 

巷間売っている日本の書店でもバフェット氏の書籍をよく目にします。

最近ではアップル株を100%買いたいと彼がポジショントークをしたことでアップル株が足元では大きく上昇しました。米国株もチェックされている方はご存知かと思います。

アップル株は、ここ1年でバフェット氏のポジショントークのせいで、188.5ドルまで上昇する展開となっています。

実際に1-3月期中にバークシャーハサウェイはアップル株を7500万株取得し、昨年末の時点で1億7000万株保有していましたので単純計算で2億4500万株保有していることになります。

これで同社はアップルの第3位株主へと躍り出ました。

 

バフェット氏の投資スタンスとして元々自分が理解できる会社にしか投資をしないということも有名で、これまでハイテクセクターは敬遠されていましたが、ここ最近ではそのアップル株がポートフォリオでは最も保有比率の高い銘柄となっています。

  • アップル(AAPL 14.63%)
  • ウェルズファーゴ(WFC 14.53%)
  • クラフトハインツ(KHC 13.24%)
  • バンク・オブ・アメリカ(BAC 10.48%)
  • コカ・コーラ(KO 9.59%)

 

彼が多くの投資家の中で神格化されるのは当然のごとく、株で大きな資産を築き上げたからに他ならないわけですが、僕はまったく凄いとは思っていません。

その理由は、「米国株は長期投資が最も利益が出せる投資法」だからです。

 

これは、日経平均株価とNYダウのチャートを1970年から現在まで引っ張ったものです。

上図2つの値動きを見てもらえれば分かることですが、NYダウは多少の乱高下をしながらでも足元で高値を切り上げているのが分かるかと思います。

翻って日経平均株価はどうか?

1989年12月29日、ちょうどバブルの真っただ中で日本の株式市場が誕生して以来の最高値38915.87円を付けましたが、今の株価をみてもその水準を超えることが出来ていないことが分かります。

 

単純にダウのインデックス投資をしていても1970年からバイアンドホールド戦略で大利を掴むことが出来ているということが分かります。

そういう意味でバフェットの投資法と言うのはまったく凄くないということが言えます。

 

 

これを知らずして日本市場でバフェット投資のような超長期投資戦略を講じてやっていくとどうなるか?

 

もうお分かりのとおり2000年以降金融自由化が始まり、ネット証券が台頭していく中ではほとんど資産が増えない投資になっているということがお分かりいただけると思います。

 

しかしながら、出版業界では「売れればとにかく何でもいい」という考え方が敷衍しているがゆえにこのような誤謬が起こるわけです。

 

残念ながらバフェット流投資では日本市場では戦えないのです。

だから僕は長期投資向けの「NISA(小額投資非課税制度)」なんて体のいいダマしでしかないと考えています。当然ながら口座すら開いていません。

 

 

一方で日本市場で有益な投資スタイルは短期売買だと思います。

日本市場を席巻している7割のマネーは海外投資家です。そのほとんどが足の速いヘッジファンドです。

前掲のブログでも書きましたが彼らの資金は今や3兆ドルを超えており、この資金を株式、先物などのデリバティブ、債券、為替、コモディティなどに分散し、複雑な連立方程式を以って投機マネーを投じています。

 

よって彼らの売買の趨勢が相場の値動きのカギを握っていると言っても過言ではありません。

世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーターのレイ・ダリオ氏、債券王のジェフリー・ガンドラック氏、リーマンブラザーズの破たんを事前に予測していた大手ヘッジファンド、グリーンライトキャピタルのデイビッド・アインホーン氏、彼らの投資スタイルの方が日本市場には向いています。

 

きちんと市場を考えて投資スタンス、狙う市場の理解をして投資行動につなげなければいくら最良の武器を手に入れたとしても豚に真珠となってしまいます。

 

 

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