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◆日本株下落の真の影武者、センチメンタル分析

2018.10.30

こんばんは、株の学校 マナカブ.com講師の中山です。

今の相場はこの波紋に似ています。

 

個人投資家の方はあまり知らないかもしれませんので、

「今回のような急落や急騰の動きの裏で何が要因となってそうなっているのか?」

についてお伝えしたいと思います。

 

最近の欧州系ファンドでは歴史あるテクニカル分析やファンダメンタルズ分析のほかにまた違った分析で取引を行うことが流行ってきています。

 

それが「センチメンタル分析」です。

このセンチメンタル分析というのは、「インターネット、SNSが流行り出したから出来た!」と言っても過言ではありません。

あるキーワードがネットニュースやSNSで増えてくるとそのボリュームに応じて売買プログラムが発動するというものです。

これは僕の知り合いの大手金融情報ベンダーも商品化して運用会社に販売しています。

 

最近では2016年のブレグジット投票、同年の米大統領選挙の時などにこれが裏で暗躍していたとされています。

たとえば、「トランプ勝利」というキーワードがニュースやSNSなどにどれくらい増えてくると売り注文が発動するというような感じです。

今回もこれが発動したと思われます。

 

「米国長期金利上昇」、「パウエル」、「ハードブレグジット」、「イタリア財政」、「中東情勢」、「中国景気減速」、「悪決算」最近のセンチメントを冷やす材料というのが多すぎるためキラーワードが何だったのかは分かりませんが、このセンチメンタル分析による自動売買プログラムが発動し、同業他社のアルゴリズム取引やHFT(高頻度取引)へと波及していきます。

 

ここには不安や恐怖などの感情的なものはありません。

しかし一つ走り出したプログラムからまた別のロジックのプログラムへと波及していくためにマーケットにおいては非常にボラタイルな動きが起こりやすくなります。

そして、感情を持たない機械の売りに対して、感情を持つ人間の不安心理がこれに耐えかねて狼狽売りをしてしまうのです。

 

これを防ぐにはどうしたら良いのか?

ネットやSNSにみんながマーケットのことについて書き込みをしなければマシーンは発動しません笑

というか解析すらできなくなります。

ただ、それは難しいですね。

 

発信するメディアはそれで広告収入などを得ていますし、SNSの多くはシェア機能があります。

情報を見たユーザ-は自分にとって有益な情報は、他人にとっても有益なものだと考えて教えてあげたくなってしまうものです。

 

特に属性の近しい人とつながっていればそれは他人にとっても有益な情報である可能性は高まり、情報をシェア(共有)することが人々のためになると思うバイアスがかかるためシェアし、それが等比級数的に膨らんでバズるのです。

 

この「人のため」という親切心にツケ込むプログラムがこの「センチメンタル分析」なのです。

 

このようなイメージです。

内側からこのトリガーとなる波紋は徐々に外側へ向かうにつれて増幅していき、最後には大きな振幅を示現させるのです。

 

すでにファンド勢のHFT(高頻度取引)のシェアは東京マーケットの7割ともいわれています。

これが意味することは何か?

 

そう、今後もこのようなボラタイルな動きはより一層起こりやすくなるということです。

そのために、マーケットと向き合うときにはこのような想定の範疇を越えた動きが起こることも想定した立ち回りをしていかなければならないということです。

 

 

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【執筆者(講師)情報】

ライター

中山まさかず

学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。

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