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◆米国雇用統計は良くても悪くても米国株は目先堅調と予想
2019.11.05 -
こんにちは、株の学校 マナカブ.com講師の中山です。
連休明けの日本株は先週に引き続き堅調な展開をみせ、日経平均株価は23251.99円(+401.22円)と大幅高となりました。
先日ブログで取り上げたメンバーズ【2130】、NSD【9759】も本日も絶好調でした。
買われていたマナカブ生の方おめでとうございます。
上昇のきっかけは先週末に発表された米国の良好な経済指標と米中通商協議の第1段階の合意への進展期待でした。
今回のタイトルは先週の時点でメルマガ読者の皆様にお送りしていた内容です。
◆米国雇用統計は良くても悪くても米国株は目先堅調と予想
本日、米雇用統計が発表されますが、事前予想は+8.5万人と前月の+13.6万人と比べると減少する見通しですが、これはきのうもお伝えしましたようにGMのストによる影響が出たためです。
雇用統計の前哨戦でもある民間の給与代行会社ADPが公表する雇用報告では+12.5万人となっており、仮にも事前予想を上回るような内容となれば市場は素直に好感するでしょう。
また、予想通りまたは予想以上に悪い数字が出れば今度は前日に利下げを断行したFRBへの催促が始まり、12月の利下げの確率が高まってきて、利下げ期待から株価が押し上げられる動きになってくるものとみています。
いまのFRBは何としてでも米国経済を減速させないようにと邁進しており、その金融政策はマーケットフレンドリーに傾斜しています。
米国のGDPの7割超は個人消費で支えられているということ、また米国民の金融資産の50%超が株式や債券、投資信託などの金融商品となっていることから株が下がれば素直に消費マインドの逓減に直結しやすく、それはつまり「逆資産効果」をもたらすことを意味します。
これから年末に近づくにつれてクリスマスイベント(年末商戦)が始まりますので消費を落ち込ませないためにもFRBは緩和姿勢を貫くとみています。
<以上抜粋>
結果はどうだったかと言えば10月の米雇用統計は予想以上に強い内容となりました。
非農業部門雇用者数は+12.8万人となり、事前予想を大きく上回りました。GMによるストの影響があったにもかかわらず予想を上回る雇用増となり、過去2か月分においても9.5万人の上方修正です。
失業率は3.6%と前月の3.5%から0.1ポイント上昇となりましたが、依然低水準であることには変わりありません。
これまでは良好な経済指標が出たとしても米中通商協議が合意?決裂?と完全に小田原評定と化していましたので、これにより企業の投資に対するセンチメントが冷え込み、ISM製造業景況指数も好不況の節目となる50を3カ月連続で割り込む状況となっていました。
1日に発表された10月のISM製造業景気指数も予想は下回ったものの9月(47.8)から改善がみられたことも素直にマーケットでは好感される展開となったものとみています。
◆しばらくは不透明要因は特になし、テールリスクがあるとするならば
さて、日経平均株価は年初来高値を更新し続け、米国株はナスダック含め3指数揃っての史上最高値更新となっており、各国の金融政策もマーケットフレンドリーです。
さらに米中の第一弾合意が近づいており、3日にはロス商務長官から米国サプライヤーがファーウェイへ部品を提供するライセンスを付与することも検討に入っているという報道もあってリスク選好の動きが強まっています。
ここまで急上昇するとこの波に乗れていない方はここから乗るのは怖いと思うかもしれませんね。
ただ目先のスケジュールを考えても不透明要因は特にありません。
今月13日にトルコのエルドアン大統領がトランプ大統領の招待により訪米しますが、トルコがシリア北東部のクルド人勢力に対する攻撃で情勢不安となっていますがこれに進展があれば相場にはプラスに働いてきます。
そして15日には米中通商協議への署名が予定されています。
当初チリで開催されるAPEC首脳会議に合わせて米中首脳は歩み寄りを見せてきていましたが、チリでデモが起こったことにより開催がとん挫してしまいました。
この米中進展期待で買われているフシもあり、11月前半も重要な経済指標が公表されますが、仮に悪かったとしても「これからは良くなる」という思惑が台頭し調整するような材料にはなりえません。
では相場を揺るがすようなテールリスクになりえるとするならば何か?
あるとするならばトランプ大統領の弾劾でしょう。
先日、トランプ大統領に対する弾劾調査開始が下院で決議されました。
米国下院はご周知の通り民主党です。
つまり、いくら下院でトランプ大統領の弾劾運動が盛り上がったとしても、上院の共和党でそれを是とする動きにはなり得ないとみています。
今後もしかするとメディアのヘッドラインでちょいちょい取り上げられるかもしれません。
それによって市場も揺さぶられるかもしれません。
しかしそのときは絶好の仕込みの好機と捉えてもらって良いと思います。
トランプ大統領の弾劾は99%ないので。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。