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◆米大統領選は接戦で泥沼化も株価にはプラス
2020.11.05 -
おはようございます。株の学校 マナカブ.com講師の中山です。
【相場概況】
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 23,695.23 +399.75
TOPIX 1,627.25 +19.30
マザーズ 1,217.06 +61.64
NYダウ 27,847.66 +367.63
ナスダック総合 11,590.78 +430.21
S&P500指数 3,443.44 +74.28
その他のマーケット:https://sekai-kabuka.com/きのうの米国市場は大幅続伸となりました。
いよいよ投開票が始まった大統領選挙ですが、速報ではバイデン氏が獲得した選挙人は264人、トランプ大統領は214人となっており、ここにきてバイデン氏が優勢となってきています。
日本時間、きのうの夕方時点ではトランプ大統領がフライング気味に勝利宣言をツイッターに投稿していましたが、情勢が変わってきています。
結果が出ていない激戦州のペンシルベニア(20人)、ノースカロライナ(15人)、ジョージア(16人)ではトランプ大統領が優勢となっていますが、この3州で勝利したとしても勝利するために必要な選挙人の過半数である270人には届かない計算となります。
トランプ大統領はすでにホワイトハウスで開催したイベントで演説し、選挙では不正が横行しているとして、投票の集計を停止するよう連邦最高裁に申し立てる方針を表明しています。
◆選挙結果が長引けば追加経済対策に遅れ
接戦となった大統領選挙ですが、以前にお伝えしたシナリオ5になる可能性が濃厚となってきました。
(大統領選挙と議会の組み合わせで想定されるシナリオ)
トランプ大統領はすでに法廷闘争に持ち込む構えを示しているため、これまで与野党で協議をしていた追加の経済対策が遅れる可能性が出てきています。
また大統領選挙と同時に連邦議会選挙も行われていますが世論調査では上院は民主党が勝利するとの観測が出ていましたが、速報では共和党が優勢となっており、仮にバイデン氏が大統領に当選しても、上下院で「ねじれ」が生じれば市場が求める大規模な財政出動も難しくなってくるでしょう。
この先行き不透明感が意識されて、質への逃避が活発化し、債券が買われ金利が低下、米長期金利はきのうは0.9%超ありましたが、足元で0.77%と急落しています。
きのうナスダックが最も上昇したのはこの金利低下が要因となりました。
日本株においては議会のねじれが好感され、上院を共和党が取ればバイデン氏の左派的な政策リスクが和らぐとの見方が強まっています。
特に懸念材料であった法人税法人税増税やハイテク企業への活動規制、キャピタルゲイン増税などバイデン氏が掲げる政策の実現が難しくなることはマーケットにはプラス材料となるとみています。
決着がつくまでは目先は乱高下があると思いますが、いずれ決着はつきますし、追加対策も遅れはするものの後ずれしても出てくるでしょう。
よって、この混乱で下押しする場面があればそこは買いで臨んでもらうと良い結果が得られると思います。
※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではあり
ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、利用者ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。