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◆高値更新した日経平均株価の持続性
2020.11.11 -
おはようございます。マナカブ.com講師の中山です。
【相場概況】
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 24,905.59円 +65.75
TOPIX 1,700.80 +18.90
マザーズ 1,185.03 -80.70
NYダウ 29,420.92ドル +262.95
ナスダック総合 11,553.86 -159.92
S&P500指数 3,545.53 -4.97昨日の米国市場は3指数でダウだけが続伸となりました。
前日に米製薬大手ファイザーがドイツのバイオ医薬ベンチャーのビオンテックと
共同開発している新型コロナワクチンの臨床試験で感染を防ぐ有効率が90%を
超えたと発表したことをきっかけに大きく上昇した米国株は本日も景気敏感株を
中心に買いが入り、航空機大手のボーイングが5%超の上昇となったほか、
原油価格も上昇したことからエネルギー関連株のシェブロンも5%弱の上昇となりました。一方でこれまで相場のけん引役となっていたアマゾンやマイクロソフト、ことしに
入って新規にダウ構成銘柄に採用されたセールスフォースには売りが継続する
格好となっています。日本株もこれを受けてきのうは朝から買い優勢の展開となりましたが、足元で
急騰していることや、実際に供給されるまでにはまだしばらく時間がかかる見通し
であることから、取引終盤にかけて上げ幅を縮小させる展開となりました。個別では旅行関連、イベント、フィットネスなどのこれまで敬遠されていた銘柄に
物色の矛先が向かう動きがみられました。◆高値更新した日経平均株価の持続性
29年ぶりの高値を更新した日経平均株価ですが、個人的にはこの上昇の持続性には
疑問を持っています。きのう公表された10月の景気ウォッチャー調査は前月を上回る良好な結果となり
現状54.5の先行き49.1という内容でした。
(景気ウォッチャー調査)また10日に発表された9月の景気動向指数(速報値)も前月を上回っており非常に
良好な内容です。
(景気動向指数)この2つの指標は株価との相関も高く、指標が上向けば株価も上昇基調にあることが
分かります。しかしながら、国内でも寒くなるにつれて感染者数が増えてきていますし、ファイザーの
ワクチンに関しても上市して、世界的に供給されるまでにはまだ時間がかかります。また、流通したとしてもはたしてどれほどの人が初期のワクチンを接種してくれるか?
という安全性に疑問を持つ人も出てくるため、高値更新の持続性に両手を挙げて喜ぶには
まだ早計であると考えています。需給面で見ても信用買い残が過去の高値で示現した2.5兆円まで膨らんでおり、ここから
買い上がるにはややハードルが高いようにもみえます。
(日経平均株価と信用買い残の推移)目先の調整には警戒しておいた方が良いと思います。
また大統領選挙についても、バイデン氏が勝利宣言をしていますがトランプ大統領は
負けを認めておらず、ポンペオ国務長官も10日に「合法な」票が集計され次第、
「トランプ政権2期目」が発足するとコメントしていてバイデン氏の勝利を認めて
いません。予定では来年1月20日に新大統領の就任となりますが、トランプ大統領が法廷闘争を
進める構えを崩していないため、このスケジュールにも遅れが生じる可能性もあり、
まだまだ波乱含みとみておいた方が良いと思います。ちょっとここから買い向かうには怖い時間帯です。
※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではあり
ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、利用者ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。