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◆バイデンポジションでS&P500が史上最高値更新
2020.11.16 -
おはようございます。マナカブ.com講師の中山です。
【相場概況】
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 25,385.87円 -135.01
TOPIX 1,703.22 -23.01
マザーズ 1,245.00 +23.54
NYダウ 29,479.81ドル +399.64
ナスダック総合 11,829.29 +119.70
S&P500指数 3,585.15 +48.14先週末の米国市場は3指数揃って反発の動きとなりました。
特にS&P500指数は終値ベースで9月に付けた高値を更新し、史上最高値を
マークしました。コロナの感染者薄は増加しているものの、好調な企業決算に加えて、ワクチン開発
への期待が持続しており、堅調な展開となりました。コロナを無視すれば、景気回復局面に見られるセクターアロケーション(循環物色)
の動きが先週のファイザーによるワクチン開発報道から見えてきており、景気敏感株
の素材や資本財セクターのいわゆるバリュー株が買われる一方で、ハイテクなどの
グロース株が売られ、その動きが落ち着くと今度は逆にグロース株が買われ、
バリュー株が売られる動きが見えるようになってきています。売られると言っても大きく調整するわけではなく、相互循環の良い環境が続く
ようになってき始めたというのが大きな変化です。今月3日に大統領選が行われ、はや2週間が経とうとしていますが、いまだ次期大統領は
正式決定しておらず、トランプ大統領は週末に「バイデン氏は選挙に不正があったから
勝利した、今回の選挙の違憲性を求めて大型訴訟を起こす」と投稿しています。一方でバイデン氏は16日にも次期大統領として景気回復への具体的なプランを公表する
予定で、クリーンエネルギーとインフラへの2兆ドル(約210兆円)の支出が含まれ
選挙後、経済について詳細な考え方を示す最初の機会となるため注目が集まりそうです。◆感染者数が増えても株高が持続
選挙の混乱、感染者数の増大が懸念される中でも目先は株高が持続されるとみています。
その理由としてこの冬に感染者数が増えても、ことし2月3月の初期のまだ知見が得られて
いない状況とは違って、パニックになりづらいという点。そしてコロナ感染拡大によるロックダウンが再度実施されたとしても、バイデン氏率いる
大きな政府による大型の追加経済対策がいずれ実施されることが支えとなり、大きな
調整が起こりにくい環境にあるためです。リスクとしては2つですが、まずはポリティカルリスクとして、トランプ大統領が
バイデン氏が勝ったと認めてはいるものの、敗北宣言をしておらず訴訟を起こすことを
明言していることです。投票結果に不正がなければこのままバイデン氏が次期大統領になる可能性がありますが、
トランプ大統領が言うように不正が行われていて、その証拠などが出てきた場合は
マーケットはすでにバイデン大統領という方向でポジションを取っているため、この
アンワインド(巻き戻し)が起こることが十分に考えられます。そして2つ目としてこれも「バイデンポジション」の話につながりますが、すでに
多くのマーケット参加者がバイデン大統領として環境関連、景気敏感株買いの一方で
大型財政出動を控えて債券売りによる金利上昇が顕著となっています。足元で米長期金利は再び0.9%をマークしてきており、S&P500も史上最高値を記録。
今のS&P500が3500ポイントを超えている状態で、米長期金利が1%を超えてくると
イールドスプレッド(利回り差)の観点から、株式等のリスクアセットへの投資妙味が
薄れ、調整を迎えやすくなります。この2点には警戒をしつつ、この波をうまく活用しリスクも取っていくという、ちょっと
難しい環境ですが、このような形で臨んでいくと良いかと思います。※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではあり
ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、利用者ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。