-
◆雲散霧消したマイナス材料
2020.11.24 -
おはようございます。マナカブ.com講師の中山です。
【相場概況】
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 25,527.37 -106.97
TOPIX 1,727.39 +0.98
マザーズ 1,198.36 -0.32
NYダウ 29,591.27 +327.79
ナスダック総合 11,880.63 +25.67
S&P500指数 3,577.59 +20.05週明けの米国市場は3指数揃って反発となりました。
ファイザー、モデルナに続いて英国製薬のアストラゼネカのワクチン開発報道で
特に恩恵を受ける景気敏感株が買われ、ハイテク株は比較的軟調な動きでした。アストラゼネカは23日、英オックスフォード大学と開発するコロナワクチンに
ついて、臨床試験(治験)の最終段階で平均70%の効果が確認されたと発表、入院や
重症化も確認されなかったとしています。アストラゼネカのワクチンの特筆すべき点は米ファイザーや米モデルナが開発する
ワクチンは長期保管のためにセ氏マイナス80~マイナス20度の温度管理が必要なのに
大志て、同社のワクチンは通常の冷蔵庫で対応できるため、途上国も含めたワクチンの
供給が可能ということです。冷蔵保存がきくということはそれだけ輸送コストも抑えられるため、一般人でも
ワクチン接種できやすく、これを契機に景気敏感株に買いが入る展開となりました。◆財務長官に前FRB議長のイエレン氏起用
この日の注目点は女性初となる財務長官に前FRB議長のイエレン氏が起用される
見通しが出たことです。イエレン前FRB議長はFRB議長の任期中、常に緩和継続、利上げには慎重姿勢を
見せていた人であり、財務長官に抜擢されればマーケットフレンドリーな金融政策が
持続されるという見方ができます。これに早速反応したのが債券市場で、リスクオンの動きから債券は売られ長期金利が
上昇、先週0.8%台前半だった米長期金利は足元で0.85%にまで上昇する展開となって
きています。(米長期金利の推移)
◆雲散霧消したマイナス材料
米大統領選から20日が経過しましたが、トランプ大統領は依然として敗北宣言を出して
おらず、12月14日の選挙人選挙が実施されるか危ぶまれています。ただ、ここにきてトランプ大統領の身内である共和党内部でもトランプ氏の選挙結果を
覆そうとする取り組みに対して批判も出始めており、バイデン氏への正式な政権移行を
開始すべきと訴える声が広がりつつあります。不正があったにせよなかったにせよ、選挙結果を覆すには法的な根拠が必要で、法律の
専門家たちも現状では選挙結果を覆すのは難しいとの見解を示しています。一方で、上述したように製薬各社のワクチン開発への期待、加えてハト派のイエレン氏が
財務長官に起用されるなど、マーケットにおいては非常にポジティブサプライズの材料が
増えてきており、怖いくらいマイナス材料が消失していっている雰囲気が出てきています。さらには今期は日経平均採用の老舗の企業を中心に減収減益のところも多いですが、
ワクチン開発によって来期は前期比で大幅な回復という見通しが強く、この期待がある
以上、大きな調整は起きにくい状況にあります。本日の日経平均株価は再び26000円を回復する展開が予想され、ワクチンの緊急使用許可が
来月にでも下りれば年末には26500円~27000円という展開も考えられます。少し前までは僕も持続性について疑問視をしていて、いったんの調整を迎える可能性があると
お伝えしていましたが足元では日経平均採用銘柄だけでなく、TOPIXが示しているように全体的に
買われる動きが出てきてきました。そのため、見方を変えました。何度も言うように今は怖いくらいマイナス材料が消失していってます。
ただ、米国や欧州の全面的な再ロックダウン実施には警戒する必要がありますが、もし
実施されて下押しした場面は絶好の買い場であると捉えています。※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではあり
ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、利用者ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
-
【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。