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◆OECDが世界経済見通しを下方修正だが株高へ
2020.12.02 -
おはようございます。マナカブ.com講師の中山です。
【相場概況】
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 26,787.54 +353.92
TOPIX 1,768.38 +13.46
マザーズ 1,263.01 +30.61
NYダウ 29,823.92 +185.28
ナスダック総合 12,355.11 +156.37
S&P500指数 3,662.45 +40.82きのうの米国市場は3指数揃って大幅反発となりました。
米国で追加経済支援策が実現するとの観測が高まったことでリスクオンの
動きがみられ、景気敏感株からハイテク株、金融株まで幅広い銘柄が買われ
ました。米議会の超党派グループが9080億ドルの新型コロナウイルス救済法案を提出し、
ホテルやレストラン、中小企業を支援する2280億ドルの追加給与保護プログラ
ム(PPP)を含む緊急支援を3月31日まで実施することが安心材料につながりました。きのう中国の財新から公表された11月の製造業景況指数は54.9と好不況の節目となる
50をこれで7カ月連続で上回り、コロナを完全に封じ込めていることがこの結果に
現れています。(財新製造業PMIとTOPIXの推移)
輸出相手国としてトップの中国の製造業の景況感が上向けば、自然と日本株(TOPIX)
の上昇にもつながってくるため、ソフトデータであるこの景況感の上昇が続いている
ことは日本株においてプラス材料です。また、米国でも11月のISM製造業景況指数が公表されましたが、予想していた通り
57.5と前月の59.3から低下となりました。11月は米大統領選もあり、すぐに選挙結果も決まらず混とんとしていただけに、追加の
経済対策の行方などが不透明感になったことで景況感の低下につながったものとみています。よって、今回の数字はやや眉唾で見ておいた方が良いと思います。
しかしながらそれでも米国でも50の節目を6カ月連続で上回っており、感染者数は
足元で1日当たり約15万人と第3波が懸念される中で製造業の景況感は明るいと言えるでしょう。(ISM製造業景況指数とS&P500指数の推移)
ISM景況感指数はご覧のようにS&P500との相関が非常に強く、これが50を上回り、かつ
堅調に推移している間は米国の株式市場にとってプラスにはたらき、米国がプラスという
ことは日本株にもプラスということです。◆OECDが2021年の正解経済見通しを下方修正
経済協力開発機構(OECD)は、コロナの感染再拡大が世界経済回復の道筋をより緩慢な
ものにしたと指摘し、各国政府が支援を早期に停止したり、開発期待の持たれるコロナ
ワクチンが普及しなかったりすれば回復ペースはさらに遅くなると警告しています。これを基にOECDは2021年の世界成長率見通しを4.2%と9月時点予想(5%)から
引き下げています。国別で見ると英国は4.2%(従来7.6%)、米国は3.2%(従来4%)にそれぞれ引き
下げられた一方で、日本の2021年のGDP成長率に関しては東京五輪開催予定を鑑みて
2.3%と上方修正されています。ただ、きのうもお伝えした通りFRBを中心に各国中央銀行が「コロナやワクチンに対する
不透明感を懸念するということは、裏を返せば緩和を継続する」ということを示唆して
おり、OECDやIMF(国際通貨基金)なども含め公的機関が先行きを懸念すればするほど
皮肉にも株高が醸成されます。つまり出てくる内容、整合性を含めて目先の相場を読み解くクリティカルシンキング
のスキルが重要となってきます。本日の日本株も米国で幅広い銘柄が買われたことや中国経済の持ち直しが堅調なこと
もあって続伸すると思われます。年末27000円がもう目の前に迫っており、大納会までにこの大台にタッチする日も
十分可能かとみています。調整リスクも考えながらリスクを取ってこの波に乗っていくようにしていけば、
一足早いクリスマスプレゼントに肖れるかもしれませんね。※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではあり
ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、利用者ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。