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◆今月14日以降に株価の調整が起こるかも

2020.12.04

おはようございます。マナカブ.com講師の中山です。

【相場概況】

◆きのうの日米株価指数終値

日経平均株価 26,809.37 +8.39
TOPIX 1,775.25 +1.28
マザーズ 1,232.94 -32.62
NYダウ 29,969.52 +85.73
ナスダック総合 12,377.18 +27.81
S&P500指数 3,666.72 -2.29

きのうの米国市場は3指数小動きでまちまちの展開となりました。
朝方発表された11月28日締めの週間失業保険申請者数は71.2万人と
前週より減少したことはプラス材料でしたが、その後に発表された11月の
ISM非製造業景況指数が前月と比べて鈍ったことが相場の方向感をなくす
材料となりました。

(新規失業保険申請件数)

 

(ISM景況感指数とS&P500の推移)

 

ISMのレポートによると雇用環境はサービス産業でも拡大はしているものの、レストラン
などではソーシャルディスタンスによるキャパシティの問題やロジスティクスに苦労を
しており、多くの企業でコロナパンデミックと大統領選挙の不透明感で慎重姿勢をとって
いるとの発表されています。

 

また米製薬大手ファイザーがコロナウイルスワクチンの年内の生産目標の引き下げを
発表したことでこれが懸念材料となり、終盤にかけて失速する動きとなりました。

もともと同社はコロナワクチンの年内1億回分の生産を予定していましたが、これを
5000万回投与分になるとの見通しに変更しました。
ワクチンは2回の接種が必要になるため、5000万回に減れば対象者は2500万人分となります。

きのうもワクチン報道が与えるマーケットインパクトが弱まってきているとお伝え
していましたが、期待先行で先食いしているところが多分にあるため、何か悪い
材料が出てしまうとすぐに流れが変わる脆い材料で株高が醸成されているとみておいた
方が良いと思われます。

 

株価は「期待」で動き、「実体」が分かることでまた動きます。

 

もう少し深堀していくと、マーケットはすでにワクチンの供給は織り込んでおり、
(これは期待部分・足元の上昇分)今度は「実体」として冷凍保存・ロジスティクス、それに
伴うコストの問題、どれだけの人が初期のワクチンを接種してくれるのか?副作用は?
というところにいま視点は移りつつあります。

開発、治験が通常のワクチンとは比肩できないほど異例の急ピッチで進められてきた
だけに供給フェーズに至ったときに上記の部分で問題が起こればいったんの調整を
迎える展開にもなりやすいことには注意が必要です。

 

◆今月14日以降に株価の調整が起こる

きのうの東京市場では、マザーズが▲2.5%超の下落となりました。
この背景にあるのはワクチンの供給が早ければ来週にも行われることや米長期金利が
前日に一時0.96%まで上昇したことが要因です。
きのうは再びワクチン懸念から金利は0.91%まで下落となりましたが、高止まりしている
状態です。

金利の上昇は特に新興企業においてはアゲインストとしてはたらいてきます。

 

また正式に敗北宣言をしていないトランプ大統領ですが世論はバイデン新大統領の
方向で動いており、大規模な経済対策が打ち出されることの期待から製造業や素材を
中心とする景気敏感株に資金が向かっています。

 

まだマーケットはワクチン効果においては半信半疑であるため、景気敏感株←→新興株
(ITサービス関連)を往来している状況ですが、追加経済対策の骨子が出るようになると、
その財源を賄うために赤字国債の増発が意識され、金利が上昇します。

またワクチンの上市段階でも金利は上昇するでしょう。

 

そうなれば米長期金利はおそらく1%を超えるとみており、ナスダックは崩れると思われます。

ナスダックの崩れ、また金利が急ピッチで大きく上昇となれば遅れてダウ、S&P500も調整を
迎えやすくなります。

 

その動きを引き継いでまずはマザーズは下げやすくなり、金利の上昇次第ではありますが急ピッチで
上昇となると米主要指数のダウ、S&P500に引きずられて日経、TOPIXも下がるでしょう。

 

追加経済対策自体は1月以降だと思いますが、再びマコネル院内総務と下院のペロシ氏が
歩み寄りを見せているため、追加経済対策の骨子自体は今月14日の選挙人選挙でバイデン
新大統領誕生確定となれば、その後年末までの間に発表される可能性があります。

そのため、今月14日以降はボラティリティが大きくなりやすいとみていますので、警戒を高めた方が
良いと思います。

 

※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではあり
ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、利用者ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。

 


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【執筆者(講師)情報】

ライター

中山まさかず

学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。

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