-
◆目先は乱高下しやすいが大きな調整はなし
2021.01.28 -
おはようございます。株の学校 マナカブ.com講師の中山です。
【相場概況】
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 28,635.21 +89.03
TOPIX 1,860.07 +12.07
マザーズ 1,275.83 +5.33
NYダウ 30,303.17 -633.87
ナスダック総合 13,270.60 -355.47
S&P500指数 3,750.77 -98.85きのうの米国市場はリスクオフの動きが強まり3指数揃って▲2%を超える
大きな下げとなりました。朝方決算発表を迎えた航空機大手ボーイングは過去最大の赤字を計上
したことで▲3.97%となり、ダウ採用銘柄の中でも指数ウェイトが
高いだけにダウの下げを主導する展開となりました。前日10-12月期決算を迎えたマイクロソフトの売上高は430.8億ドルと、
前年同期の369.1億ドルから17%増となり、アナリスト予想の401.8億
ドルを上回る好決算だったものの、市場心理の悪化には耐え切れず上げ幅
縮小となりました。◆目先は乱高下しやすい展開に
ことし最初のFOMCでは、パウエルFRB議長は景気回復ペースの鈍化を
指摘し、超緩和策の維持を決定しました。FOMC自体はあまり材料とはなりませんでしたが、足元では米国の
ロビンフッターと呼ばれる投機的な個人投資家とヘッジファンドでの
バトルが繰り広げられる展開となっています。ロビンフッターたちはSNS上で情報交換をしており、最近ではメルビン
キャピタル(Melvin Capital)という大手ヘッジファンドがビデオ
ゲーム販売のゲームストップ(GME)に大量のショート(空売り)
をしている情報を掴むと、これに対してコールオプションを積んで
(株価が上がると儲かる権利)を大量に買い付けてヘッジファンドらの
ショートスクィーズ(空売りの買戻し)をさせて締め上げるという行為が
目につくようになってきました。
(※米国では個別銘柄にオプション取引が存在します)そのせいでゲームストップはきのう1日だけで+134%高と日本株の
ように米国市場は1日当たりの値幅制限というものがありませんので
上がるときはどこまででも上がるし、下がるときはどこまででも下がります。これにより締め上げられたヘッジファンドは空売りで巨額損失を被り売り
ポジションを解消すると発表したことも投資家の警戒感を強めました。このような仕手戦とも呼べるような動きがはロビンフッターたちが台頭した
いま、今後激しい攻防戦がしばしば起こるようになってくるでしょう。そうしたときに彼らの売買とアルゴリズム取引も重なって思わぬ急騰、急落
する場面が訪れると思います。
ただ冷静に見ればそのときは行き過ぎた動きをすることが往々にして予測
できるため、逆張りの戦略で短期的な値幅取りが狙えるかと思います。◆今回は大きな調整はないだろう
今回11月の選挙後よりワクチンの開発、供給の期待もあって上昇の一途を
辿っていただけに調整を迎える場面かと思いますが、今回の下げによって大幅な
調整になることは考えにくいです。理由としてはFRBは金融政策のスタンスを変えておらず、むしろ経済回復の
遅れを懸念しているほどです。
経済回復の遅れが懸念されればバイデン政権のもと積極的な財政出動が
行われるでしょう。
上院で与野党50議席であるため通りにくい可能性もありますが、財政出動
して効果がなければ追加で規模拡大に打って出るしか選択肢はなく、増発
された国債をFBRが買い入れることで金利の上昇を抑えるという動きが
継続されるためヘッジファンドの売りが落ち着けばマーケットも2,3日で
落ち着くとみています。※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではあり
ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、利用者ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
-
【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。