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◆相場がクライシスを起こすとき

2021.02.24

おはようございます。株の学校 マナカブ.com講師の中山です。

 

【相場概況】

◆きのうの日米株価指数終値

日経平均株価 30,156.03 +138.11
TOPIX 1,938.35 +9.40
マザーズ 1,274.62 +9.19
NYダウ 31,537.35 +15.66
ナスダック総合 13,465.20 -67.84
S&P500指数 3,881.37 +4.87

きのうの米国市場は指数まちまちで終値では前日比で小幅な
動きでしたがその中身はボラタイルな一日となりました。

先日お伝えしていたようにビットコインが米国市場が開く前から
下落し始めて、6万ドル付近から一気に5万ドル前後まで急落、これを
受けてビットコインを大量保有したと報道されていたテスラが時間外
取引の時点から下落、一時10%近く下落する場面がみられました。

テスラはナスダックに上場している銘柄になるため取引開始から
ナスダックも下落、一時13000ポイントを割り込むかどうかの瀬戸際
まで下落する局面が見られました。

 

さらにはテスラは昨年後半にS&P500にも採用されていることから
S&P500も一時3800を割り込むかどうかというところまで下落しました。

 

ただ幸いにもきのうはパウエルFRB議長の議会証言があり、そこでパウエル
議長は「FRBの政策支援がインフレ高進や危険な資産バブルを招くとは考え
にくいとし、景気支援の継続がなお必要」と強調。

現在のマーケットの動きについてはワクチンによるコロナの終息への期待や
消費の拡大など景気回復への期待を反映していると指摘したことで安心感が
広がりました。

◆緩和継続、金利もしばらくは低水準

金利についても言及しており「当面低水準にとどまる」と再表明、しばらく
金融緩和を維持する姿勢が示されたことに加えて、政策変更をする場合は、
事前に慎重にアナウンスメントするとコメントを出しています。

これはおそらく2013年の5月23日に起きたバーナンキショックを起こさない
ための布石であるとみています。

 

当時のFRB議長であったベン・バーナンキFRB議長は株高を受けて量的緩和
の縮小(テーパリング)を示唆したことから一気に株安の流れへと変わり、
市場が混乱しました。

FRBは当時と同じ轍を踏まないために今後の政策変更の際には慎重な
ガイダンスが必要と認識していることを示しています。

 

ただ住宅価格などは上昇し続けていますし、インフレ圧力が高まれば
金利への上昇圧力としてはたらいてきます。

いま米国はそれでも実質金利ベースでマイナスであり、S&P500に採用
されている銘柄の配当利回りを見ても長期金利を上回っている企業が
60%存在しています。

 

しかし、長期金利が仮にも1.75%まで上昇すると半分以下にこれが
急減します。

金利が上昇したり、政策変更が行われるときというのはいまの実体経済を
反映したハンドリングとなり、株価はその半年から1年先で動いているため
企業業績の成長の鈍化と金融引き締めが同じタイミングでこの先の将来
ぶつかるときがいずれ金融市場をクライシスに引きずり込むことになって
くるとみています。まだ先の話ですが。

※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではあり
ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、利用者ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。


【執筆者(講師)情報】

ライター

中山まさかず

学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。

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