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◆ついに発表、キャピタルゲイン増税!
2021.04.23 -
おはようございます。株の学校 マナカブ.com講師の中山です。
【相場概況】
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 29,188.17 +679.62
TOPIX 1,922.50 +34.32
マザーズ 1,226.76 +22.53
NYダウ 33,815.90 -321.41
ナスダック総合 13,818.41 -131.81
S&P500指数 4,134.98 -38.44きのうの米国市場は3指数揃って反落する展開となりました。
朝方に発表された17日の週の失業保険申請件数は54.7万人と
市場予想の61.7万人を大きく下回り改善したものの、3月の中古住宅
販売件数は前月比で▲3.7%と市場予想の+0.8%を下回る結果となり、
経済指標はまちまちの展開でした。米国では日本と違い、新築住宅よりも中古住宅市場の方が大きく、低金利、
ワークフロムホームを背景に住宅販売が堅調で、新しい物件が出れば1週間
以内には申し込みがあるほど活況です。年率換算でみれば3月は601万件と減少したにもかかわらず高原推移しています。
住宅市況に関しては今が特段良いだけで、しばらくすると過去平均の500万件
あたりまで減少し、安定推移するものとみています。◆ついに発表、キャピタルゲイン増税!
バイデン政権によるこれまでの経済対策のための財政出動、その財源を
賄うためのトレードオフとも呼べるのが増税です。計画では、現行で21%の法人所得税率を28%に引き上げるとともに、世界的に
事業展開する企業の利益に税率21%のミニマム税を適用される予定ですが、
今回これに加えてキャピタルゲイン増税案が浮上しました。具体的な内容として、所得が100万ドル(約1億800万円)以上の個人に
対するキャピタルゲイン税率を現行の20%から39.6%に引き上げるという
ものです。
加えて所得税の最大税率も現行の37%から39.6%に引き上げるとの
見通しのようです。これまでもキャピタルゲイン増税については一時的な相場の重しになると
メルマガ、ブログでお伝えしてきましたが、きのうの米国市場の反落はこれ
に対する反応が最も強く、増税実施前に株式を売却する動きが一部投資家
から出るとの観測が広がったことで売り込まれる展開となりました。今回の増税に関する詳細については今月28日に上下両院合同会議で発表
され最終的には上下院でのコンセンサスが必要となります。共和党のグラスリー上院議員はこの提案に対して「投資が減り、失業を
招くことになる」と批判していますが、個人的にはこれに託けたイベント
ドリブン戦略を取るヘッジファンドなどが短期的に仕掛けてくる可能性は
ありますが、、一時的な売り材料となる可能性が高いとみています。その理由は増税が財政出動のトレードオフとしてワンセットであること、
そして多くの試算かは流動性相場が続く中でリスクアセットに資金を
向かわさざるを得ないということからです。長くなりましたのでここらはまた別の機会に。
さて、日本株は前日の下げをすべて取り戻す日経で言えば+679円高と
なりました。まだその前の日から考えると1100円以上下げていたわけですから戻し
きれていないわけですが、本日は米国が安く帰ってきたため日本株も
週末要因、決算間近、今週末から東京、大阪を中心とした緊急事態
宣言の再発出などが重しとなり、反落する可能性が高いです。ただ、過去2回の緊急事態宣言のときも、発出される前までは軟調、
しかし宣言実施中は株価は上昇する動きをみせており、今回の実施で
も感染者数の逓減が見られれば、実施期間中から持ち直しの動きも
出てくるとみています。※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではあり
ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、利用者ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。