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◆目先は日本株買い、米国株売り
2021.05.21 -
おはようございます。株の学校 マナカブ.com講師の中山です。
【相場概況】
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 28,098.25 +53.80
TOPIX 1,895.92 +0.68
マザーズ 1,103.75 +11.68
NYダウ 34,084.15 +188.11
ナスダック総合 13,535.74 +236.00
S&P500指数 4,159.12 +43.44きのうの米国市場は、3指数そろって4日ぶりの反発となりました。
きのうはフィラデルフィア連銀が公表する5月の製造業景況指数が朝方発表と
なりましたが、前月から大きく低下し31.5となり、市場予想をも下回る
内容となりました。今のマーケットはテーパリング(金融緩和の縮小)を警戒しているため、
天邪鬼に動きます。
フィラデルフィア連銀の製造業PMIが悪化したことを受けて経済回復にまだ
しばらくは遅れが生じるとの見方から米長期金利が低下し、ハイテク株が
買われる動きとなりました。またクリプト(暗号資産)が足元で中国の規制強化やテスラのイーロンマスク
ショックなどで足元直近高値から▲50%の急落、一時3万ドル割れ寸前まで下落
していました。クリプトと株式市場とに直接的な関係はありませんが、クリプトを投資対象
とするヘッジファンドなど金融機関も増えてきており、ビットコインなどが
下落することで逆資産効果となった場合、損失を埋めるために株式を売却する
という動きが出てきやすくなったとみています。そしてこれは今後、クリプトをアセットアロケーションに組み込むファンド、
個人が増えれば増えるほどその相関が強くなってくるとみています。あとは半導体はビットコインをマイニングするコンピューターにも使用
されるため暗号資産に下げ止まりが見えたこともハイテク株の追い風に
なったとみています。◆目先は日本株買い、米国株売り
日経平均株価とNYダウを比較すると概ねパラレルに動いているように見えますが、
よく見ると日経平均株価は2月に天井をつけて高値が切り下がってきています。それに対して、NYダウは今月に入り高値を付けたところから上値が重くなって
きており、テクニカル的にみてもヘッドアンドショルダー(三尊天井)と
なってきています。きのうはなんとか反発に転じたダウですが、5月10日つけた高値35091ドルを早期
奪還できなようであれば、目先は下値を探る展開になる可能性もあるとみています。通常米国市場が軟調となれば日本株もそれに連動するように軟調な展開となることが
一般的ですが、足元のマクロ環境を勘案すると日本株はもしかしたら連動せずに
目先はまだしばらく上昇する余地があると考えています。米国はご周知の通りテーパリング、SPAC(特別買収目的会社)へのSEC(米証券取引委員会)
の規制強化の話であったり、大規模な財政出動の財源確保のための増税など懸念材料を
内包しています。方や日本はこれからワクチンの普及による経済界の期待、そして3月企業の決算が
出揃い、トヨタによる2500億円の自社株買いを筆頭に昨年のコロナ禍でシュリンクして
いた自社株買いが今期は復調してきています。また日経平均採用銘柄のPER(株価収益率)は足元で13倍台まで低下しており、
割安感も台頭してきています。これら日米のマクロ環境の違いから米国株が崩れたとしても日本株には買いが
入りやすい環境へと変遷してきているとみています。目先は29000円を試しに行くとみており、そのあとは米国の不安材料が払しょく
するか示現してくるかによって日本株への上昇継続が変わってくるとみています。米国市場に存在する3つの懸念がマーケットで意識が遠退けば米国株の上昇も
手伝って、29000円を突破し30000円を再びキャッチアップしてくるとみていますが、
これが意識されるようであれば29000円を目処に再び調整を余儀なくされると
みています。※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではあり
ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。