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◆5月までに行って来い相場にはなりにくい
2022.04.06 マーケットニュース -
おはようございます。株の学校 マナカブ.com講師の中山です。
【相場概況】
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 27,787.98 +51.51
TOPIX 1,949.12 -4.51
マザーズ 842.01 +21.84
NYダウ 34,641.18 -280.70
ナスダック総合 14,204.17 -328.39
S&P500指数 4,525.12 -57.52きのうの米国市場は金融引き締めの警戒感から売られ3指数揃って反落と
なりました。6日発表の3月に行われたFOMC議事要旨を前にカンザスティ連銀の
ジョージ総裁、サンフランシスコ連銀のデイリー総裁などタカ派
(金融引き締め賛成)の連銀総裁に加えて、昨年までハト派(金融緩和
賛成)だったブレイナードFRB理事は公演で「インフレ抑制が最重要課題」
だと述べ、QT(FRBのバランスシート縮小)を早ければ5月に開催される
次回FOMCで決定」すると言及したことでリスク回避の動きから売られる
展開となりました。前回は、利上げが2015年から2018年まで、QTは2017年から2019年まで実施
されましたが、今回の金融引き締めサイクルは前回と異なり、利上げと
QTが同時期に進行する可能性が高まり警戒感が広がっています。コロナからの経済回復のため、国債を中心にFRBは資産の購入を行ってきました
がそれが足元で8兆9000億ドル(1100兆円)まで上っており、ドイツ銀行の
エコノミストは利上げに加えて来年末までに約2兆ドルの資産圧縮を行うと
予想。これらの金融引き締め材料を受けて米長期金利は一時2.56%と2019年5月以来の
高水準を付け、NY株式市場では急速な金融引き締めに対する警戒感から
ハイテク株を中心に売りが膨らみました。個別銘柄では、前日、テスラのマスク氏がツイッターの株式を大量に取得し
ツイッター社の筆頭株主となり、ツイッター社がマスク氏を取締役に指名
すると発表を受けツイッターが続伸。一方で金利上昇の警戒感からアマゾン、アップル、マイクロソフト、テスラ
など主要ハイテク株やエヌビディア、ラムリサーチなど半導体関連などが
売られました。加えて米国とEU(欧州連合)およびG7は、ロシアのジェノサイドに対する
追加制裁の取りまとめに協調して取り組んでいて、対ロシアの投資禁止措置
やEUへの石炭禁輸が含まれます。早ければ6にも制裁内容が発表されることから相場の重石となるとみられます。
◆5月までに行って来い相場にはなりにくい
4日のメルマガでもお伝えしたように、4月は海外勢が日本株を買い越し
してきやすいというアノマリーに加えて新年度入りとなり、GPIF(年金積立金
管理運用独立行政法人)等の年金ファンドからの資金流入、そしてことしは
大学ファンドによる投資も日本市場へ入ってきます。このような需給面での買い圧力があるため、昨年9月の菅元総理の総裁選
出馬見送りで上昇下落となったような動きにはならないとみています。ただ5月の初旬に次回のFOMCがありますので、市場では0.25%の追加利上げ
になるのか、0.5%になるのかまた本当にQTが実施されるのか意識され
FOMCに近づくにつれて上値が徐々に重たくなるとみています。そのFOMCまでにどれだけ上昇できるか、そして5月のFOMCの内容次第では
市場が想定したほどのタカ派的な政策でなければ、FOMC後に上昇、
想定以上のタカ派政策であれば反落する動きとなります。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。