REPORTレポート

おはようございます。株の学校 マナカブ.com講師の中山です。

【相場概況】

◆きのうの日米株価指数終値

日経平均株価　26,821.52 -164.28
TOPIX　1,889.64 -7.15
マザーズ　761.05 -31.81
NYダウ　34,308.08 -413.04
ナスダック総合　13,411.96 -299.04
S&P500指数　4,412.53 -75.75

週明けの米国市場は3指数揃って下落となり、特にハイテク株や半導体関連
を中心に売り込まれ、ナスダックは▲2%超の下落となりました。

金融引き締めの警戒感や、今晩発表される3月の米消費者物価指数（CPI）を
控え米長期金利が上昇、一時2.78%まで上ったことから金利上昇に弱い
グロース系の多いナスダックに売りが集まる一日となりました。

個別銘柄では半導体のエヌビディアやEVのテスラなどが▲5%前後の
下落と下げがきつく、マイクロソフトやグーグル、メタ（フェイスブック）
、アップルなど大型ハイテク株も軒並み2%を超える下げとなっています。

◆円安、原油安で日本株の下落は限定的か

米国市場は大きく下落し、ナスダックやS&P500は25日線を再び割り込み、
目先下方向への動きが強まりやすい形となりました。

（ナスダック日足チャート）

米長期金利の上昇により半導体関連が売り込まれたことで、日本でも半導体
の一角が足を引っ張る可能性があるでしょう。

ただ、きのう決算を発表したローツェ【6323】ですが、22年3月期の経常利益
は事前予想で148億円の見通しでしたが、178億円と+20%の上振れ着地。

さらに23年3月期予想の売上高は前期比+32.4％の887億円、経常利益は
+38.9%の247.5億円見通しとコンセンサス予想を上回る内容になったことが
好感されそうです。

また金利上昇とともに為替相場では再びドル円が125円を超えてきていて、
ドル高に動いていることもあって、原油価格も上昇に歯止めがかかっている
状況です。

この円安、原油安は日本株にとってプラス材料となるため米国ほどの下落
にならない可能性があります。

◆工作機械受注も好調

きのう公表された3月の工作機械受注では、内需外需併せて前年同月比で+30%の
1664億円となり、部品を加工する工作機械の需要は内需、外需ともに伸びており、
前年比でのプラスは17か月連続となります。

（工作機械受注額と日経平均株価の推移）

上図を見ても分かるように工作機械受注と日経平均株価はパラレルに動く
性質があり、3か月平均で上向いたことは株価にとってもプラスです。

懸念材料としては米国の物価上昇もさることながら、国内の物価も注目
しておかなければなりません。

本日朝方に日銀から発表された3月の国内企業物価指数では前年同月比で
+9.5%と驚異的な上昇を示しています。

（国内企業物価指数推移）

グラフは2月までの国内企業物価指数の前年同月比推移ですが、昨年4月ごろ
から急激に上昇し始めた格好です。

物価上昇を背景に値上げに踏み切れる企業なら良いのですが、日本ではデフレ
が定着してきたこともあり、「値上げ＝悪」のように考えているところも
少なくなく、企業サイドがコストアップを抱えてしまえば、売上は一定
だったとしても利益の伸びや利益率に悪影響を及ぼします。

さらに円安となればこれも輸入企業にはアゲインストとなるため、コスト
アップを販売価格に転嫁できるかどうかを見極める必要がありそうです。

ポイントとしては、個別銘柄の場合、売上高経常利益率が鈍化していない
かなどに注目しておくと良いと思います。

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