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◆ウォール街では年末のS&P500予想を相次ぎ下方修正
2022.05.12 日米相場概況 -
おはようございます。株の学校 マナカブ.com講師の中山です。
【相場概況】
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 26213.64 +46.54
TOPIX 1851.15 -11.23
マザーズ 660.76 +6.24
NYダウ 31,834.11 -326.63
ナスダック総合 11,364.24 -373.44
S&P500指数 3,935.18 -65.87きのうの米国市場は金融引き締めの警戒感が再燃し、ハイテク
ビッグ5(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、
マイクロソフト)を中心に売り込まれる展開となり、3指数揃って
続落となりました。注目されていた4月の米CPI(消費者物価指数)は前年同月比で
8.3%と3月の8.5%からは0.2ポイント低下したものの、市場予想
の8.1%よりも高い結果となりました。ガソリンや原油などのエネルギーは相変わらず高い物価以上を
示していますが、足元では食品の物価上昇も顕著で前年同月比で
9.4%の伸びとなっています。CPIの発表を受けて米国市場のファーストリアクションとしては
前月からインフレの伸びが鈍化したことを好感してダウは上昇
してのスタートとなりました。しかしその後、アトランタ連銀のボスティック総裁が「インフレが
高止まりした場合、経済成長を抑制する水準にまで政策金利を
引き上げることを支持する」との考えを示したことから金融引き締め
への警戒感が再燃し反落、そのまま下げ幅を拡大しマイナスへと
転じる動きとなりました。ダウは5日続落となり連日で年初来安値を更新。
21年3月上旬以来、約1年2か月ぶりの安値を付けました。前日上昇したナスダックも反落。
再び年初来安値を更新し、こちらも20年11月上旬以来、約1年7か月
ぶりの安値をつけました。◆ウォール街では年末のS&P500予想を相次ぎ下方修正
S&P500も足元で4000ポイントを割り込み、3月に付けた安値4200
ポイントを割り込んだため、ダムが決壊したかのように下押し圧力
が強まっています。ゴールドマンサックスやJPモルガンなどのアナリストやストラテジスト
たちはことしのS&P500の年末予想を下方修正しており、当初は4900や
5000超といった予想もありましたが、いまでは4000ポイントあたりが
コンセンサスとなっています。上記は3月下旬のヘッドラインですが、足元ではさらに下方修正されています。
これはFRBによるインフレを食い止めるための拙速な利上げ、QT(資産
圧縮)の影響が大きく、世界最大の資産運用会社であるブラック
ロックは、3月下旬に発表した週次の市場解説で、「FRBは今年、計画
通りの利上げを進めるが、成長への引き締めの影響が明らかになると
一時停止すると考えている」とも述べています。日本株も足元で3月決算企業を中心に決算発表を迎え、23年3月期の
見通しが出揃ってきています。きのうトヨタが22年3月期の決算をザラバ中に発表しましたが、営業
利益は前期比36%増の2兆9956億円。となり、6年ぶりに過去最高益を
記録しました。受講生の方から「トヨタ過去最高益ですがなぜ株価が下がったのですか?」
という質問を受けましたが、確かにトヨタは22年3月期は最高益となった
ものの、23年3月期、つまり今期の見通しが増収減益となったことが
嫌気されて決算発表後下がる展開となりました。メディアでは【過去最高益!】というような見出しを付けた方がアクセスを伸ばせる
ためそのようなニュースタイトルを付けがちです。(株価とは関係なしに)しかしながら投資は過去ではなくこれからが重要でいくら過去最高益をマークした
としても、先の業績が鈍化するようならばそちらに足を引っ張られます。トヨタは言わずと知れた日本企業の時価総額トップの企業であり、今期、期初の
予想ではコンサバティブな見通しを立てながら、期中に上方修正をカウンター
パンチ的に2,3回繰り出してサプライズを演出する企業です。なので上記で示した内容のまま今期を終えるということは考えにくい
のですが、マーケットは馬鹿正直であるためにこの決算内容を真に受けて素直に
売りで反応したということです。なのでもう少し下押しして2000円を割り込むような展開が訪れれば
仕込んでいきたい銘柄です。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではあり
ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。