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◆FRR、9月からは0.25%の利上げに緩和
2022.05.26 マーケットニュース -
おはようございます。株の学校 マナカブ.com講師の中山です。
【相場概況】
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 26,677.80 -70.34
TOPIX 1,876.58 -1.68
マザーズ 636.88 -16.59
NYダウ 32,120.28 +191.66
ナスダック総合 11,434.74 +170.29
S&P500指数 3,978.73 +37.25きのうの米国市場は3指数揃って上昇し、ダウは4日続伸となりました。
市場で織り込み済みとされていた5月に行われたFOMCの議事要旨が
きのう公表されましたが、大半のFOMC参加メンバーが6月と7月
での0.5%の利上げを支持していたことが明らかになり、過度の
警戒感が後退したことも追い風となりました。日本時間で3時に公表された議事要旨後に改めて買われる展開となる
動きがみられました。また取引終了後に2-4月期(第1四半期)決算を発表した半導体大手
のエヌビディアは売上高が過去最高となったものの、中国での
サプライチェーンの混乱やロシアでの事業縮小のため控えめな
売上高見通しを発表したことで投資家心理を圧迫。5-7月期(第2四半期)の売上高については81億ドルの予想となって
おり、これを受けて時間外取引では▲6%強の下落となっています。きのうが+5%の169.75ドルを付けていましたが、このまま今晩を
迎えるときのうの上昇分をすべて吐き出す格好となります。◆FRR、9月からは0.25%の利上げに緩和
きのうのFOMC議事要旨では6月、7月の会合で0.5%の利上げが支持
されました。
これまでアトランタ連銀のボスティック総裁など一部のタカ派の
連銀総裁からは0.75%の利上げを支持する声も上がっていたことから
市場に安心感が広がり、米国市場は株高となりました。FF金利先物から予想される9月のFOMCでの利上げ確率は0.25%が
もっとも高く、1週間前まで9月も0.5%の利上げとなる確率が
高かったものが逆転してきています。9月のFOMCでは200-225bs(2.00-2.25%)が61.3%となっています。
現在米国では75bs-100bs(0.75%-1.00%)の範囲で動くように
政策金利を設定していますが、6月が125-150bs(0.5%)、
7月が175-200bs(0.5%)の利上げを実施、9月は0.25%となる
見通しです。あくまでも現時点での確率であり、今後のインフレ指標などによって
変動はしていくものの仮に9月以降、0.25%の利上げにペースダウン
させていければ、きのうお伝えしていたリセッション(景気後退)も
防げるかもしれません。日本株は前日まで2日続落となっていましたが、米国市場が上昇
で帰ってきてくれたこともあって本日は反発する動きがみられると
思います。ただ株価を上げる材料は目先乏しく、先日のバイデン大統領訪日の
際の日米首脳会談では株価を上げる材料として防衛費の増強程度で
関連銘柄として三菱重工、川重、IHIなどが該当銘柄に挙げられ
ますが、すでにこれらの銘柄はウクライナロシア戦争もあって、
足元で上昇していたこともあり、新味に欠ける内容でした。今晩はコストコ、GAPの決算もあり、先にも述べたエヌビディアが
時間外取引で下落していることもあって、今晩の米国市場は波乱と
なる可能性もあります。そのため、日本株も本日上昇をしたとしても個別銘柄の決算次第では
再び反落するおそれもあり、積極的な買いを入れづらい相場展開が
もう少し続くとみています。※本日の経済キーワード※
【FF金利先物】
FF先物とは FF先物とは先物市場に上場されている米国の政策金利で、
当月から3年先まで各限月の取引が行われています。FRB(米連邦準備制度理事会)の誘導目標であるFF金利を参照する
金融派生(デリバティブ)商品で、米政策金利の将来の水準を
想定して取引されるため、金融政策に関する市場の見通しを比較的
容易に確認することができる。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。