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◆良い金利上昇へと動きが変わってきた米国市場

2022.06.07 レポート

おはようございます。株の学校 マナカブ.com講師の中山です。

 

【相場概況】

 

◆きのうの日米株価指数終値

 

日経平均株価 27,915.89 +154.32
TOPIX  1,939.11 +5.97
マザーズ 676.14 +5.77
NYダウ 32,915.78 +16.08
ナスダック総合 12,061.37 +48.64
S&P500指数 4,121.43 +12.89

 

週明けの米国市場は、3指数揃って反発となりましたが、上げ幅を縮小
させる展開となりました。

 

中国の上海でコロナ感染対策のためのロックダウン(都市封鎖)が
事実上解除されたのに続いて、北京市でも新型コロナウイルスの流行に
伴う規制が緩和されたことで経済正常化への期待が広がったことや、
中国当局が配車アプリの滴滴(DiDi)グローバルの調査を終了する
とも安心材料とつながり同社株は一時335ドル高の上昇となりました。

 

しかしインフレやFRBによる金融引き締めペースへの不透明感は
くすぶっていて、米長期金利が再び3%を上回ったことでハイテク株
など割高感が意識されやすい銘柄が売られ、買い一巡後は上げ幅を
縮小させる展開となりました。

 

ダウは取引終盤にマイナスに転じる場面もありましたが、プラス圏に
戻って取引終了となっています。

 

個別銘柄では、ディディやアリババなどの中国関連が上昇となった
ほか、1対20の株式分割を実施したアマゾンが上昇。
テスラやアルファベット(グーグル)、メタ(フェイスブック)など
も買われました。

 

◆良い金利上昇へと動きが変わってきた米国市場

 

先週末の強い雇用統計を受けて、為替相場ではドル円が1ドル=132円
まで円安が進みました。

 

これは約20年ぶりの水準ですが、それ以上に瞠目してほしいのがS&P500
と米長期金利の動きがパラレルになってきたということです。

 


(S&P500と米長期金利の推移)

 

少し前まで悪い金利上昇が叫ばれて金利が上がるたびにハイテク企業を
中心に売り込まれる展開を示してきた米国株ですが、足元では金利が
上昇する局面でも株価は下がらず、むしろ連動して上昇してきている
というのが窺えます。

 

これは、「悪い金利上昇」から「良い金利上昇」へと変遷を遂げようと
している証左です。

 

そもそも米長期金利(10年債利回り)は名の通り10年先の金利動向を
移して債券市場で取引されて決定される金利ですが、今後景気が悪く
なると解釈されれば低下し、良くなると解釈されればFRBは利上げを
進めることもあって上昇していきやすくなります。

 

ただそのときに「金利が上昇する局面で株価はどうか?」
というところが重要となってきます。

 

金利が上昇しても株価が下がるようであれば、金融引き締めが消費を
抑え込み企業業績の重石となって株安へとつながっては意味がありません。

 

しかし、金利が上昇していく中で株価も上昇となると金利が上昇しても
企業業績がそれを吸収できると市場が解釈しているためです。

 

とは言え「株価=業績-金利」であるため、企業の業績成長に対して、
金利水準の度合いが重要であり、業績以上に金利が上がってくるよう
ですと金利負担が大きくなり株価の下げにつながってしまいます。

 

前回5月の日本の連休中に米長期金利は3.1%超の上昇をみせましたが、
そのときのS&P500は4123です。足元はきのうの終値で4121ポイント
まで上昇してきており、金利が3%超の水準ならばS&P500ベースで
4100ポイントは維持できることを示します。

 

◆イールドスプレッドは2%割れ

 

その「金利上昇を株価がどこまで許容できるか?」
これを測る指標の一つとしてイールドスプレッドというものがあります。

 

これは、PER(株価収益率)の逆数である株式益利回り(1/PER)で
計算するもので、株式に対する期待リターンを示したものです。

 

足元のS&P500の予想PERは20.83倍となっており、ここから求められる
株式益利回りは4.8%となります。

 

そしてイールドスプレッドは名の通り利回り(イールド)の差(スプレッド)
ということです。

一般的には長期国債の利回りと株式益回りの差を比べるもので、
「株式益利回り-長期金利」で求められます。

 

単純に益利回り4.8%で長期金利が3.0と考えると足元のイールドスプレッド
は1.8%となり、この差が開いていればいるほど株式への投資妙味が
高くなります。

 

理想は3%以上スプレッドがあると株式へ分があると言われているため、
このスプレッドが開くためには企業業績が向上しPERが低下(株式益利回り
の上昇)につながるか、金利が低下するかしかありません。

 

米市場にも持ち直しの動きが見えてきたもののここからさらに上伸していく
には金利上昇を吸収できる企業業績(増益)が必要ということになると
考えています。

 

 

※本日の経済キーワード※

 

【株式益回り、イールドスプレッド】

 

株式益回りは、PER(株価収益率)の逆数(1/PER)で計算され株式投資に
利回りの概念を取り入れたもの。
通常、PERが低いほど株価が割安とされるのに対して、株式益利回りは高い
ほど株価が割安とされます。

 

例えば、PERが25倍であれば益回りは4%に、またPER50倍であれば
益回りは2%になります。

 

一般的に株式益回りは、株価水準と1株利益を比較する点ではPERと同じ
だが、金利水準との比較を目的としているため逆数を用いる。

 

また、株式益回りから長期金利(10年債利回り)を差し引いたものを
「イールドスプレッド」とよび、株式相場の割安感や割高感を債券利回り
と比較して投資妙味があるかどうかを判断する場合にも用いられる。

 

債券と株式益利回りの格差(イールドスプレッド)が大きいと株式相場は
まだ上昇の可能性が高い、低いと下落のリスクが高まる。

 

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