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◆6月のFOMCで0.75%の利上げはない
2022.06.14 マーケットニュース -
おはようございます。株の学校 マナカブ.com講師の中山です。
【相場概況】
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 26,987.44 -836.85
TOPIX 1,901.06 -42.03
マザーズ 653.98 -33.17
NYダウ 30,516.74 -876.05
ナスダック総合 10,809.23 -530.80
S&P500指数 3,749.63 -151.23週明けの米国市場は利上げ加速懸念から大幅安で4日続落となり、
3指数揃って年初来安値更新となりました。先週末に発表された5月の米CPI(消費者物価指数)が尾を引き週明けも
大幅安となった米市場、急落の背景にあるのはFF金利(政策金利)先物
市場から窺える6月のFOMCで0.75%の利上げに動くとの見方が急浮上し、
米長期金利は一時3.5%弱まで上昇したことが、株式相場の重石と
なりました。(6月FOMCでの利上げ予想)
瞠目すべきは5月の消費者物価指数発表前までは0.5%の利上げ予想が95%
超だったのが、先週末の予想を上回る物価の伸びを示したことで一気に
0.75%利上げの確率が高まり、逆転しているのが分かります。◆6月のFOMCで0.75%の利上げはない
タイトル通りですが、個人的な見方としては0.75%の利上げは99%
ないとみています。もちろん絶対ではありませんので信じるも信じないも皆さん次第と
なりますが、その理由として、FRBはFOMC前の直近の経済イベント
(指標)の動向に対して、事前に示していたフォワードガイダンス
(声明等を通じて政策金利の据え置き期間や政策変更の条件などを
明言し、市場参加者へ浸透させること)を基本的には変更しない
というスタンスを取っています。そのため、今回の物価上昇が予想を上回る結果となったとしても、
6月15日に行われるFOMCで0.75%の利上げはないとみています。ただその後のパウエルFRB議長の会見では、これまでの会見で
7月のFOMCでも0.5%の利上げを支持していますが、「0.75%の
利上げも考慮する」というような発言があるかもしれません。「しかし次回のFOMCまでに経済指標でインフレが落ち着く
兆しが見えればそのまま」というヘッジ文言を欠かさず付けると
思いますが。目先の見通しに関してですが、マーケットで湧出した0.75%利上げ
の観測で今週15日までは日米株ともに正直上がる要素はほとんど
ないとみています。そして迎える15日のFOMCの政策金利発表で予想通り0.5%の利上げ
となれば拙速な利上げはしないという当局の姿勢の安心感から
買い直される動きが入るのではないかとみています。問題はその後のパウエルFRB議長の会見です。
0.5%の利上げを踏襲する姿勢のままならFOMC後、ダウは500ドル
~1000ドルの大幅高となると思われますが、会見で0.75%の
利上げをにおわせば、FOMCのレポートが出たタイミングで上昇、
その後の会見で上昇分を吐き出す展開になるのではとみています。また万が一、0.75%の利上げが実施されるとなれば、パニック売りが
出る可能性があります。こちらもその後のパウエルFRB議長の会見内容次第かと思いますが、
「とりあえず一度だけ一気に利上げして、インフレを食い止める」
「今後しばらくは0.75%の利上げはない」というヘッジ的なコメントを
発信すれば、逆に利上げで急落した後、会見では上昇という展開も
あり得るかと思います。※本日の経済キーワード※
【利上げ(利下げ)確率】
CME(シカゴマーカンタイル取引所)が公開しているFF金利先物レートを
基に算出される利上げの確率
FRBも注目していて、市場がどの程度利上げに許容度があるかを
チェックしている。参照:
http://www.cmegroup.com/trading/interest-rates/countdown-to-fomc.html(fed watch)
https://www.cmegroup.com/ja/education/files/fed-funds-futures-probability-tree-calculator.pdf(利上げ確率の計算方法)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。