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◆7月半ばまではややこう着感の強い相場
2022.06.28 マーケットニュース -
おはようございます。株の学校 マナカブ.com講師の中山です。
【相場概況】
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 26,871.27 +379.30
TOPIX 1,887.42 +20.70
マザーズ 674.10 +2.43
NYダウ 31,438.26 -62.42
ナスダック総合 11,524.55 -83.07
S&P500指数 3,900.11 -11.63週明けの米国市場は小幅反落となりました。
前週、ダウは1週間で1600ドル超の上昇となっていたこともあって、
小幅な値動きにとどまる展開となりました。この日実施された米2年債入札と米5年債入札が低調な結果に終わったことで
米10年債利回りが3.21%台まで上昇。
これをきっかけに金利上昇に敏感なハイテク株を中心に売られました。きのう発表された5月の米耐久財受注は前月比で予想+0.2%のところ、
+0.6%となったことはプラス材料でしたが、株価への反応は限定的でした。個別銘柄では、原油高を追い風にエクソンモービルやシェブロンなど
エネルギー関連が上昇。一方、アマゾンやマイクロソフト、セールスフォーズなど、金利上昇
局面で割高感が意識されやすいハイテク株は下落となり、米証券
取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長はCNBCとのインタビューで
「多くの暗号資産プロジェクトは不適合」とコメントしたことで
ビットコインは2.1万ドル台から2万ドル台へ再び反落。
クリプトの取引所を運営を運営するコインベースなど関連銘柄の急落
となっています。◆7月半ばまではややこう着感の強い相場
目先、日米株共に7月の半ばまではこう着感の強い相場展開になりやすい
とみています。
もちろん多少の上げ下げはあったとしても連日で上昇や下落が続く
ような相場は今のところ重要なイベントがないため、なりにくいでしょう。7月半ばになると、6月の米CPI(消費者物価指数)が公表されます。
前回、5月は8.6%と2000年以降で過去最高をマークしており、落ち着き
が見られるかが市場の注目点です。また、7月半ばから金融関連、アルミ大手アルコアの第2四半期(4-6月)
決算を皮切りに決算発表が本格化してきます。今のところウォール街のアナリストたちの多くが4-6月期の企業業績
を強気でみているところが多く、アトランタ連銀が経済指標発表ごと
に公表している27日付けの第2四半期の「GDP NOW」では、
成長率が▲0.3%となっています。そのため、5月半ばに決算を発表したターゲットやウォルマートの
ように小売セクター以外でも物価上昇で企業の利益面が圧迫される
ような決算結果が他業種でもみられるようになってくると7月半ば
以降の決算ラッシュ時期に業績を反映した相場での価格調整が行わ
れることになります。もちろん、アナリストたちの予想が正しく、ポジティブな決算結果が
出てくるようであれば、上昇ともなりますが、先で紹介したGDP NOW
の内容が厳しいところを考えるとポジティブな決算結果を出してくる
企業は少ないのではないかとみています。6月のCPI以降、仮にインフレが落ち着きを見せてくれば、それが企業
業績に反映してくるのは早くて年後半であり、同時にFRBを中心とした
各国中央銀行が年後半で利上げのペースを緩めるようなスタンスに
変わることが出来れば、リセッション(景気後退)は避けられると
思います。いまはまだそれが読みにくく、どちらもあり得るというところです。
それまでは相場はどっちつかずの動きになるので、逆に下押しした
タイミングではまだまだ仕込み場として捉えています。※本日の経済キーワード※
【GDP NOW】
GDP NOWとは、アトランタ連銀が発表する米国GDPの予想レポート。
GDPは結果が集計されて発表までタイムラグがあるが、アトランタ連銀
では先行する経済指標が発表されるごとにその数値を基に算出した、
その時点でのGDP予想値を発表。
比較的精度が高いため、注目の指標。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。