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Marketマーケットニュース

◆米金利上昇で家計消費は鈍化傾向

2022.07.12 マーケットニュース

おはようございます。株の学校 マナカブ.com講師の中山です。

 

【相場概況】

 

◆きのうの日米株価指数終値

 

日経平均株価 26,812.30 +295.11
TOPIX 1,914.66 +27.23
マザーズ 679.55 -2.93
NYダウ 31,173.84 -164.31
ナスダック総合 11,372.60 -262.71
S&P500指数 3,854.43 -44.95

 

きのうの米国市場は3指数揃って下落となりました。
中国のコロナ感染再拡大により、行動規制の強化が実施されていて、
6月にロックダウン(都市封鎖)を解除したばかりの上海市でも、市内の
1000万人以上を対象にした大規模なPCR検査が行われるなど当局が警戒を
強めています。

 

具体的には上海市で感染拡大の防止を目的に一部地区で屋内運動施設の
利用を停止。
特別行政区マカオでも一定期間の企業活動の停止命令が発出され、外出
自粛を要請。
これらの行動制限が景気減速懸念につながり、リスクオフが強まりました。

 

またロシアから欧州への天然ガス供給の停止が欧州景気の減速を招くとの
懸念も台頭し相場の重石となりました。

 

中国の行動規制を受けて個別銘柄では中国関連のアリババが▲9%超値下がり
したほか、アップルやナイキが下落、景気敏感株の建機大手キャタピラーや
航空機大手のボーイングなど幅広い銘柄が売られました。

 

またイーロン・マスク氏が買収を取りやめたツイッター株も連日の下落で
きのうは▲11%超の下落となっています。

 

加えて短期金利(2年債利回り)と長期金利(10年債利回り)の
長短金利差の逆転(逆イールド)が継続しておりこれもセンチメントを
冷やす材料にもなっています。

 


(米債のイールドカーブ)

 

◆米金利上昇で家計消費は鈍化傾向

 

ここで改めて短期金利と長期金利について解説をすると、どちらも株式市場
と同様に債券市場で取引がなされていて、短期金利は政策金利に連動しやすく、
現在FRBが積極的に利上げを推し進めていることから足元では3%超と上昇
傾向にあります。

 

一方で、長期金利は将来の景気動向に左右されやすく、通常は償還期限の
長い債券の方が金利が高くつくべきであり、銀行などの金融機関は短期金利
(預貯金)で借りて、企業などに長期金利で貸し付け利ザヤを稼いでいます。

 

しかしこの長期金利の方が短期金利よりも低いということは、足元の利上げの
せいで、将来景気が減速するという懸念が強いことで長期金利の方が低くなる
ことが起こります。

 

こうなれば、金融機関などは利ザヤが稼ぎにくくなり貸し渋りが起こりやすく
なって市中にお金が出回らないことで景気後退を招くとされています。

 


(長短金利差推移)

 

過去に長短金利差が逆転したタイミングを赤丸で示していますがその後、
漏れなくリセッションが起こっていて、現在の米市場(株式も債券市場も)
これに戦々恐々としている状況かと思われます。

 

今週15日に6月の米小売売上高が公表されますが、足元では2月から
前月比で4カ月連続の減少となっており、
大手金融機関の英バークレイズと米バンク・オブ・アメリカのデータで
は6月の消費者によるクレジットカードの利用額が減少していると発信
しています。

 


(米小売売上高2月~5月推移)

 

そのため、13日のCPI(消費者物価指数)も注目指標ですが、15日の6月の
米小売売上高がさらに悪化し、5カ月連続で減少となれば消費関連を中心
に売り込まれる可能性もあり、注意が必要です。

 

きのうもお伝えしたように米決算が今週からラッシュとなりますが、
個人的にはさえない決算内容の企業が多いとみています。
ただし、マーケットは天邪鬼なため悪材料出尽くしという見方が
強まれば悪決算でも上昇しますし、悪決算が素直に受け止められれば
そのまま下落します。

 

逆イールドの発生がしばらく継続していくことを前提に考えれば、センチ
メント(投資家心理)は悲観的になりやすいため、「悪決算=素直に売り」
というのがメインシナリオとして考えています。

 

そのため、長短金利の動きは毎日チェックされるようにすると良いと
思います。これによってセンチメントが大きく左右されます。

 

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ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。


【執筆者(講師)情報】

ライター

中山まさかず

学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。

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