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REPORTレポート

◆日米株ともに目先は反発する

2022.09.26 レポート

おはようございます。株の学校 マナカブ.com講師の中山です。

 

【相場概況】

◆きのうの日米株価指数終値

日経平均株価 27,153.83 -159.30
TOPIX 1,916.12 -4.68
マザーズ 712.50 +2.24
NYダウ 29,590.41 -486.27
ナスダック総合 10,867.93 -198.88
S&P500指数 3,693.23 -64.76

 

先週末の米国市場は3指数揃って続落、ダウ、ナスダックともにこれで
4日続落となり、ダウは6月に付けた安値をとうとう割り込むという展開
となりました。

 

(NYダウ・日足チャート)

 

一般的にファンダメンタルズではGDPが2四半期連続でマイナス成長と
なるとリセッション、テクニカル的には直近の安値を割り込むと弱気
相場と言われますが、その弱気相場へと変わったとみて良いと思います。

 

足元で大きく値崩れを起こしている要因はこれまでもお伝えしている米
長期金利の急騰です。

3.6%を越えると下げが継続するとお伝えしていましたが、週末は一時
3.81%まで米長期金利が上昇する場面があり、週末ダウはこの
タイミングで一時800ドル超の下げ幅を記録し、価格の節目とされる
30000ドルを割り込んでしまいました。

 

欧米のヘッジファンドなどでは金利が上昇するとその分、自動的に株を
売るというプログラム売買を使用しているところも多く、このアルゴリズム
取引が引き起こした下落であるとみています。

 

 

◆弱気相場入りだが、短期的には反発する

 

上述したようにダウは6月の安値を割り込む動きとなりましたが、ナスダックや
S&P500はかろうじて6月に付けた安値を割り込むことにはなっていません。

 

だから目先反発するという理由にはまったくならないのですが、米国の
個人投資家のセンチメント(投資家心理)をみると、目先6か月間の株価に対する
強気、弱気を指数化したものを確認すると弱気派が直近60%を越えました。

 

(米国個人投資家の投資家心理指数)

 

この60%超という数字は2000年以降、リーマンショック直後の10月初旬(弱気60.8%)、
そしてそこから下落が加速していき大底をつけにいった2009年の3月初旬(弱気70.2%)
以来、3度目という非常に稀有なことであり、その後すぐの株価は反発に転じています。

 

また先週末に日本の財務省が2011年ぶりの為替介入を行いました。
2011年11月はドルを買って円を売るという円安方向に持っていくための
介入でしたが円買いによる介入をしたのは1998年6月以来、24年ぶりとなります。

 

この為替介入は外貨準備高といって介入できる弾数が限られています。
分かりやすく言えば、個人投資家の口座の残高のようなもので、無制限に株を買う
ことはできないのと同じです。

 

そのため、介入したところで大枠のファンダメンタルズである米国は利上げ、
日本は金融緩和という金融政策の方向性に変化がない限りはいずれまたドル高円安に
動くことになります。

 

(ドル円・1時間足チャート)

 

実際に介入した直後は146円手前から140円前半まで5円以上ドル安円高に
することができました。

しかし、そこを良い押し目として捉えたFXのトレーダーたちは安いところを
拾ってあっという間に143円台半ばまで戻るという展開を示しています。

 

多くのメディアでも為替介入は一時的にドル安円高にするだけという論調が多く、
個人的には同感ですが、実際にこれまでは口先だけというイメージが強かった
為替相場で日本が実際に介入してきたという「事実」が重要なのです。

 

これにより今回介入を行った145円~146円あたりでは「また介入してくる
のでは?」
という思惑がはたらき積極的にドルを買いにくい相場になったということです。

 

当然外貨準備には限りがあるため、ドルを中心に外貨を売って円を買うという
行為は永続的に行うことが出来ないので、「日銀はいずれ緩和を継続できなくなる
ことを見越して日本国債を空売りしまくっている海外の債券ディーラー」同様に海外を
中心とする為替ディーラーに残高という財務省の懐事情、足元をみられての為替バトル
というのが今後展開する可能性もあります。

https://jp.reuters.com/article/boj-policy-idJPKBN2QL0OX

 

特に為替は国債のように打ち出の小槌が如く振れば国債が発行でき、あとは日銀に買って
もらい市中にお金をバラ撒くという錬金術は使えず、外貨は事前に持っていないと
売れないため為替市場の方が円安を食い止めるのは難しいと捉えています。

 

ただ、今回ドル円が146円台手前で介入しましたが、今後ドル円が
140円台のところでアトランダムに介入を仕掛けることによって「いつ日本が介入して
くるか読めないためドルが買えない」という相場を醸成できれば自然と上値が
重くなると思います。

すべては神田財務大臣の手腕、アナウンスメントにかかっています。

 

話を戻して日米の株式市場は短期的には戻りを試す局面が近いと考えて
います。

期間としては早ければ今週、遅くとも来週の末あたりまでの間には反発が
スタートするとみています。

 

市場はダウが年初来安値を更新したことで総悲観状態となり、投げ売りが
出始めている状態にあります。

その損失覚悟の投げ売りがなくなってしまえば、保有している買い方が
いないわけですので上値は軽くなります。

 

よってその戻り幅もある程度大きくS&P500で言えば、5~10%弱の値戻しを
してくるのではと考えています。

 

先週末のS&P500の終値は3693ポイントでしたので5%戻って3877ポイント、
10%戻って4062ポイント、ざっくり3800後半~4000弱くらいの反発局面が
目先訪れるのではとみています。

 

日経平均で言えば、28000円前後の上昇は見込めると思います。

 

 

(S&P500と米長期金利の推移)

 

ただし上昇はそのあたりまでです。

9月のFOMCで3会合連続の0.75%の利上げを実施し、FRBが年内の政策金利の
予測中央値を4.40%と引き上げていることからいくら財務省が為替介入をした
ところで米国の金利上昇圧力を食い止めることはできないためです。

 

上図を見ても分かるように米長期金利とS&P500はきれいな逆相関で動いており、
今後もFRBが利上げを推し進めるとなると株式市場には下方圧力がかかってきます。

 

政策金利は短期金利市場(2年)に最も影響を及ぼすため、長期金利である10年
金利が4.4%になることはないとは思いますが、それに近い水準まで上昇していく
可能性があり、この金融政策の方針が変わるまでは株価に下方圧力がかかること
になり、S&P500は戻りを試したあと、再び下落に転じていくのではとみています。

 

その場合は、上図青い矢印で示したように6月や直近につけた安値を割り込んで
下落ということも想定しています。

 

※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証する
ものではありません。

また当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の
責任を負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断で
行っていただけますようお願いいたします。

 

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