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◆PPIは反応薄でもCPIは警戒
2022.10.13 マーケットニュース -
おはようございます。株の学校 マナカブ.com講師の中山です。
【相場概況】
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 26,396.83 -4.42
TOPIX 1,869.00 -2.24
マザーズ 713.58 -3.29
NYダウ 29,210.85 -28.34
ナスダック総合 10,417.10 -9.09
S&P500指数 3,577.03 -11.81きのうの米国市場は3指数とも小幅な下落となりました。
ただナスダック、S&P500は続落したことで年初来安値更新と
なっています。物価指標の一つとして注目された9月米PPI(卸売物価指数)ですが、
前年同月比で市場予想を上回る伸びとなったものの、価格変動の
激しい食品、エネルギーを除くコアPPIは予想7.3%に対して、7.2%
と0.1ポイント下回ったことや先週の雇用統計の強さから大きく下落
していたこともあって、PPIの影響を受けての下げ幅は限定的なもの
となりました。取引時間中はプラス圏で推移する場面も多く最終的には小幅なマイナス
にとどまりました。またこの日は9月に開かれたFOMCの議事要旨が公表されましたが、
「インフレ対策優先で積極的な金融引き締めを継続する」旨の内容で
これまでのパウエルFRB議長の発言を踏襲するもので特段のサプライズ
はありませんでした。議事要旨全文:https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcminutes20220921.pdf
PPIの発表はあまり反応がありませんでしたが、今晩はPPIに続いて
9月のCPI(消費者物価指数)が公表されることもあって、積極的に上を
買う動きも見られず様子見機運の高い一日となりました。個別銘柄では、好決算を発表した食品・飲料のペプシコーラのペプシコが
大幅高。6-8月期決算では売上高・利益ともに市場予想を上回り、通期の業績見通し
を上方修正されたことが好感されました。その他レジャー関連のエアビーアンドビー、動画配信のネットフリックス
などが買われる動きを見せています。◆PPIは反応薄でもCPIは警戒
(9月PPIの結果)
上述したように9月のPPI(卸売物価指数)の結果がマーケットに与える
影響は軽微なものにとどまりましたが、過去の動きを見ても本日発表
となるCPI(消費者物価指数)の方がその後の株価の方向性を決める
契機となることが多いです。理由としては米国のGDPの7割を占める個人消費に大きく影響を及ぼす
ことがあるという理由からかと思われますが、最近では6月の下落、
9月の下落はすべてこのCPIの発表後に米市場が崩れ、それに連れ安
する形で日経平均株価も下げていきました。そのため、きのうお伝えしていたように予想を上回るような結果
になりますと金利上昇から株が一段と売られる展開も想定しています。一方で、今回のPPIの発表後割と堅調に推移したことも評価すべきで、
足元で大きく下げていることもあって、予想を上回ったとしても
小幅な下げにとどまるという可能性もあると思います。予想を上回った場合、どれくらい上回る結果になるかで下げの大きさ
が変わってきます。一方で上図を見ても分かるように今回のPPIの結果を見ると、一般的
なPPIは予想を上回る結果、一方でコアPPIは下回る結果となり、
市場もネガティブかポジティブか判断しづらいという結果だったことも
下げが小さく済んだことにつながったとみています。そのため、CPIも片方は予想を上回る、片方は予想を下回るというような
結果になってくれれば反応は限定的なものになる可能性もあります。どちらも下回って金利低下、株価上昇が理想的なシナリオですが、
仮にそうなった場合、足元で金融引き締めへの警戒感がくすぶっている
だけに空売りのショートカバーを巻き込んでダウは一気に30000ドル
回復、日経平均株価も27000円前後まで急上昇する可能性は十分に
あるとみています。結果が出てみないことにはどちらもあり得るシナリオなので結果が
出てから動き出す流れで良いかと思います。※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証する
ものではありません。また当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の
責任を負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断で
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。