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REPORTレポート

◆悪決算でも株価暴落にならない理由

2022.10.18 レポート

おはようございます。株の学校 マナカブ.com講師の中山です。

 

 

【相場概況】

 

◆きのうの日米株価指数終値

 

日経平均株価 26,775.79 -314.97
TOPIX 1,879.56 -18.63
マザーズ 715.00 -0.58
NYダウ 30,185.82 +550.99
ナスダック総合 10,675.80 +354.41
S&P500指数 3,677.95 +94.88

 

きのうの米国市場は大幅反発で3指数揃って上昇となりました。
英国の財政刺激策の撤回で同国の財政悪化をきっかけにした世界金融市場
の混乱が落ち着くとの見方から買い優勢の展開となりました。

 

英国のハント財務相が、9月23日にトラス政権が打ち出した大規模減税策
について「ほぼ全てを撤回する」と表明。これが上昇要因となり、3指数
揃って大幅高となり、前週末の下落を打ち消しました。

 

また米国では第3四半期(7-9月)決算が、金融セクターを中心にスタート
しましたが、市場予想を上回る内容となったことも安心感につながり買い
直される動きが強まりました。

 

バンク・オブ・アメリカが17日朝発表した7-9月期決算は1株利益と
売上高がともに市場予想を上回り、+6%高。前週末に決算を迎えた
JPモルガンも市場予想を上回っての着地で+4%の上昇となっています。

 

その他個別銘柄ではテスラやネットフリックスなどが上昇。
JPモルガンが優良銘柄として指定したアップルなども買われ、マイクロソフト
、アルファベット(グーグル)、メタ(フェイスブック)などの主要
ハイテク株も総じて上昇となっています。

 

 

◆悪決算でも株価暴落にならない理由

 

金融セクターを中心に米市場では決算発表がスタートしましたが、
これから製造業、サービス業の決算も始まります。

 

少し前まで個人的にも警戒をしていた今回の決算ですが、悪決算が
散見されるような事態になる可能性は低く、仮に悪い決算が出ても
表題の通り、株価暴落にはつながりにくいとみています。

 

先週公表された9月の米小売売上高は約6900億ドルで前月比で0.0%の
伸びとなりましたが、インフレによるマイナスの影響はほとんど
ありません。

(米小売売上高とS&P500指数の推移)

 

加えてフィラデルフィア連銀がビジネス状況を数値化して公表する
ADS指数も基準の0から大きく沈むことなく安定しています。

 

(ビジネス状況指数ADS)

 

そして何よりも株価の下落につながりにくいのは主要指数の
S&P500の予想PERが前日までの株価下落の時点で15.5倍と過去5年平均
(18.5倍)を大きく下回っていることです。

 

金融引き締めによる米長期金利の上昇での下落もありますが、過去平均
を大きく下回るということはすでに悪決算をも織り込んで下げてきた
可能性があり、悪決算が出ると1株利益が減少しPERは上昇します。

 

いまの15.5倍という数字は、企業の最終利益が前年比で▲16.2%悪化
するとPERは平均の18.5倍に戻されます。

 

逆に▲16.2%よりも悪化しなかった場合は過去平均からみても売られ
過ぎているため、揺り戻しで買い直される展開となります。

 

PERというものは単純に数字だけを見ても分からず、過去の平均や
個別銘柄では同セクター、同業他社との相対評価により現状が
割高であるか割安であるかを測るもので、特に意識されるのが過去平均
です。

 

そのため多くの投資家が悲観的に売り込んで大きく下げた以上に
企業業績が悪化しない限りは悪決算を受けて株価下落にはつながり
にくいとみています。

 

(日経平均株価・日足チャート)

 

日経平均株価は足元で200日線が抵抗ラインとして意識されており、
今後の日米の企業決算で想定通りの展開となれば、早晩上抜けて
年末高に向けての足掛かりを掴むことになると思います。

 

※本日の経済キーワード※

 

【ADS指数】

 

ADSとはAruoba-Diebold-Scottiビジネス状況指数と言い、実際の
ビジネス状況を追跡するように設計されています。
その基礎となる (季節調整済み) 経済指標 は週次の初期失業保険
申請件数、月次の給与雇用、月次の鉱工業生産、月次の実質個人
所得から移転支払いを差し引いたもの、月次の実質製造業と貿易
売上高などで構成され、ADS 指数の平均値は0です。

0よりも大きくなれば良好、悪くなれば悪化と判断されます。

 

 

※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証する
ものではありません。

 

また当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の
責任を負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断で
行っていただけますようお願いいたします。

 

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