-
◆S&P500もネックライン越え間近
2022.10.25 日米相場概況 -
おはようございます。株の学校 マナカブ.com講師の中山です。
【相場概況】
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 26,974.90 +84.32
TOPIX 1,887.19 +5.21
マザーズ 726.49 +2.41
NYダウ 31,499.62 +417.06
ナスダック総合 10,952.61 +92.90
S&P500指数 3,797.34 +44.59週明けの米国市場は3指数揃って続伸となりました。
12月のFOMCでの利上げ幅縮小への期待感が週明けも引き続き材料視
され、さらには今週控えている主要ハイテク企業決算への期待も
加わり、米国市場は揃って堅調な展開となりました。また英国でトラス前大統領の44日間というスピード辞任後の
次期首相としてスナク元財務相が25日に首相に就任することに
なったことで、英政治・経済の安定への期待感から欧州株が
上昇したこともプラス材料でした。個別銘柄では音楽配信や動画配信サービスの月額料金値上げを発表
したアップルが収益増期待から買われ上昇。金利上昇に対する過度な懸念後退と業績期待によりマイクロソフトや
グーグルなどの大型ハイテク株も堅調に推移しました。今週は米国で7-9月期のGDP速報値が公表されますが、今のところ
前期比年率で2.3%のプラスという予想で、アトランタ連銀が日々の
重要指標から算出するGDP NOWも10月19日付の時点で2.9%という
予測値になっています。株価を動かしやすいセンチメント(投資家心理)が先週末より12月
からの利上げ幅縮小で変わりつつあり、経済指標への反応も変わる
可能性があります。具体的には利上げ(金利の上昇)に慄いていた少し前までは良好な
経済指標が出ると利上げの継続が意識され株価にマイナスとなって
いました。しかし今月13日に公表された9月の米CPI(消費者物価指数)の発表後
から変わりつつあり、公表された内容では物価の上昇に歯止めが
かかっていないにもかかわらず下落後、大幅上昇となりました。先週は特段重要視される指標の発表がなかったため、今回のGDP速報
後の株価の反応が個人的には気になります。市場予想上回る数字が出て素直に上昇した場合、流れが変わったと
見た方がよく、今後は経済指標と株価のデカップリング(逆相関)は
起こりにくいとみて良いと思います。◆S&P500もネックライン越え間近
(S&P500 日足チャート)
NYダウに続き、足元ではS&P500が逆三尊を迎え、ネックラインを越える
のも時間の問題となってきました。気になる日経平均株価はというと、三角持ち合いの渦中にあり、下げさせたく
ない勢力(買い勢力)と上げさせたくない勢力(空売り勢力)が拮抗している
状態にあります。(日経平均株価・日足チャート)
三角持ち合いというのは厳密には以下3つのパターンが存在していて、足元の
日経平均株価を見ると、上にブレイクしやすい上向きの三角形(アセンディング・トライアングル)
になっています。相場の格言に「持ち合い(保ち合い)放れにつけ」という言葉があるようにこの中から飛び
出した方向に株価が動きやすくなります。しかし、この格言や巷間の株本で書いてあるような「三角持ち合いやレンジは
エネルギーをためている期間で抜ければ大きく値が動く(トレンドが発生する)」
というような表現があり、多くの人はその言葉を鵜呑みにして終始している方が
多いです。「なぜそうなるのか?」の本質をこのような書き方をしている株本を
書いている人も含めて本質を捉えていません。というかエネルギーって何?笑
なぜそうなるのかの本質をロジカルに理解しておかないとまったく意味が
ありません。簡単に説明すると
「保有している投資家と新規注文の需給がすべて【同じ方向を向く】」ためです。(持ち合い放れがその方向に動く理由)
上図のように上に離れた場合、すべての投資家の需給動向が「買い」に回った
ことを意味します。
そのため、大きくそちらに株価が動こうとしていくのです。何度も言うように別にエネルギーをためているわけではありません笑
個人的には個別銘柄をこのようなチャートパターンを持ってきてテクニカル
で見るということはほとんどしませんが、日経平均株価や為替(通貨ペア)
などより多くの市場参加者がいる銘柄はそういう見方をしている人たちが
自ずと増えますので、このような見方をしています。結論を言うと、きのうもお伝えした200日線がものすごく意識されています
ので、これを上にブレイクしたタイミングと同時にこの上昇系の三角持ち合い
も抜けてくれるので、米国の利上げ幅縮小で投資家たちが欣喜雀躍している
最中に抜けてくれることに期待です。※本日の経済キーワード※
【GDPNow】
アトランタ連銀が発表する米国GDPの予想レポートです。
GDPは結果が集計されるまでに時間を要するが、アトランタ連銀では
経済指標が発表されるごとにその数値を基に算出した、その時点での
GDP予想値を発表。
比較的精度が高く、市場の注目度も高いデータの一つ。※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証する
ものではありません。また当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の
責任を負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断で
行っていただけますようお願いいたします。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆マナカブ公式ブログ
https://manakabu.com/news/◆Twitter
https://twitter.com/manakabu◆Facebook
https://www.facebook.com/manakabucom━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではあり
ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
-
【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。