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◆株が上がろうとするとFRBよりけん制発言が続く
2022.11.15 マーケットニュース -
おはようございます。株の学校 マナカブ.com講師の中山です。
【相場概況】
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 27,963.47 -300.10
TOPIX 1,956.90 -20.86
マザーズ 773.66 +13.14
NYダウ 33,536.70 -211.16
ナスダック総合 11,196.22 -127.11
S&P500指数 3,957.25 -35.68週明けの米国市場は3指数揃って反落となりました。
先週発表の米CPI(消費者物価指数)が予想を下回る結果となった
ことを受けて、足元では利上げ幅縮小観測が出ていて、これをきっかけ
に株価上昇につながっていましたが、FRBのブレイナード副理事、
ウォラー理事(どちらもFOMC投票メンバー)が利上げを停止するまで
には「まだ道のりは長い」との認識を示したことから終盤にかけて
株価下落となりました。12月のFOMCでは「利上げ幅を0.5%に減速させることはあり得ると
しながらも、利上げの停止に近づいているわけではない」と改めて
けん制したことが警戒された模様です。個別銘柄では半導体メーカーのAMD(アドバンスト・マイクロ・
デバイセズ)がアナリストの投資判断引き上げが好感され上昇。
動画配信のネットフリックスや新型コロナ・オミクロンBA.5の
追加ワクチンが従来のワクチンに比べコロナ感染経験者に対し
有効性が5倍高まると発表したモデルナなども買われました。一方で、週内にも大規模な人員削減を実施すると伝わったアマゾンが
下落。マイクロソフトやアップルなどの大型ハイテク株も軟調で、
相場の重石となりました。◆株が上がろうとするとFRBよりけん制発言が続く
先週の10月米CPIの結果を受けて米市場が大きく上昇したことで
今後もインフレの指標が弱まるにつれてFRBによる利上げペースの
減速が意識されて株価の上昇につながりやすい環境が醸成されて
くると思われます。しかしながら、今回のように急激に株価が上昇してしまうと資産
効果により、再度物価が上がってしまうリスクも高まるため、
FRBからのけん制発言が出やすく、上昇していた相場はそこで
いったん冷やされるような展開がしばらく続くとみています。ただし、今後の金融政策は当然ながらマクロのデータ次第で
方向性がすべて決まってくるため、今後も出てくるであろう
タカ派の要人発言に一喜一憂することなく、むしろそれで
下がったところは買いのチャンスと捉えて取り組んでいくのが
良いと思います。来年の1-3月、または4-6月に今回のアマゾンや少し前の
フェイスブック、ツイッターなどハイテク企業で大規模な
人員削減が出たことによる大型ハイテク株の成長鈍化により、
調整局面を迎える場面(逆業績相場)へと移行し、その調整を
済ませれば、金融相場へ移行し、不景気の株高のフェーズに
入ってくるとみています。(マーケット4つのサイクル)
本日は日本時間22:30に10月の米PPI(卸売(生産者)物価指数)が
公表されます。今の予想では前年同期比で8.3%、エネルギー、食品を除くコアPPIは
前年比で7.2%の予想となっていますが、先日のCPIの予想を下回る
結果となったことで今後の利上げペースの減速の蓋然性を見極める
上で今回は非常に注目度が上がると思います。予想通り、または予想以上に低下となれば、12月14日のFOMCでの
0.5%の利上げが9割以上の確率で確定的となるため、金利低下
から株高につながる可能性が十分にあると思われます。逆に予想を上回るようなことになれば、CPI発表後の株価上昇を
帳消しにするまでとはいきませんが、調整する展開になってきます。ちなみに前回9月のPPIでは8.4%の予想に対して8.5%、コアPPIは
7.3%の予想に対して7.2%となり、結果を受けた米市場の反応は
取引開始直後、いったん小幅に下げで始まるもその下げを取り戻す
ような展開となりました。今回は先週のCPIの結果が予想を下回ったことでPPIも予想を下回る、
少なくとも予想通り前月から低下するだろうという期待感が市場
には存在しているとみていますので、その通りとなれば株高の
支援材料となりますが、予想を上回る伸びとなってしまうと期待
剥落から下げる展開となってしまうのですでに大量に買いの仕込みを
されている方はそこだけ注意が必要です。インフレのピークアウトは見えてきていますので年末までの基本
スタンスとしては下がったところは積極的に買いで臨んでいきたい
と思います。※本日の経済キーワード※
【米国生産者(卸売)物価指数/PPI】
米労働省が毎月発表する経済指標で、「PPI(Producer Price Index)」、
「卸売物価指数」とも呼ばれる。個人が購入する商品やサービスの原材料や中間財など、売り手側の価格の
変動を指数化したもので一般的に消費者物価指数よりも卸売物価指数の
ほうが景気を反映させるのが早いといわれ、先行指標として注目される。※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証する
ものではありません。また当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の
責任を負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断で
行っていただけますようお願いいたします。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。