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◆円高と海外勢の買い持続が年末高のカギ
2022.11.25 日米相場概況 -
おはようございます。株の学校 マナカブ.com講師の中山です。
【相場概況】
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 28,383.09 +267.35
TOPIX 2,018.80 +24.05
マザーズ 796.58 +16.63
NYダウ 休場
ナスダック総合 休場
S&P500指数 休場きのうの米国市場はサンクスギビング(感謝祭)のため休場でした。
そして感謝祭の翌日にあたる本日は年末商戦のスタートで「ブラック
フライデー」で、米国市場は午後1時までの短縮取引となります。このブラックフライデー(黒い金曜日)という表現、数年前から日本でも
よく耳にすることが増え、一見するとホラー映画のタイトルのようにも
聞こえますが、(13日の金曜日があるせいか)実は、「どんな小売店でもこの日は黒字になる」という意味合いから
名付けられました。以前は年間売上高の3割以上をこの期間に稼ぐとも言われましたが、
最近はセールの前倒しなども行われ徐々にブラックフライデー期間の
売上比率は1年間の中で薄まりつつあります。ことしの年末商戦の売り上げ見込みは前年比で6~8%と予想されていて、
過去10年間の平均4.9%を上回る見込みとなっています。昨年はコロナ禍からの回復ということもあって前年比13.5%の伸びと
なりましたので前年からは伸びが鈍化することになりますが、過去平均は
上回る見通しです。しかしながら小売業であればどんな業態も好調かと言えばそうではありません。
Eコマース市場はここ数年で拡大を続け、ECでもブラックフライデーが恒例行事
となりつつある中で、ECだけに特化した場合の年末商戦は前年比で2.5%増(前年8.6%)
とわずかな伸びとなる見通しです。特にEC業界はセールを前倒しする傾向が強くその影響もあるとは思いますが、
アマゾンが10/11~12にかけて実施した「プライムデーセール」では、
夏のセールと比較すると1世帯当たりの支出額が約4割減少しています。つまりEC業界の年末商戦はあまり期待が出来ないということになります。
それを見越してかEコマースの雄であるアマゾンの株価は足元でダウントレンド
から脱却できておらず昨年11月高値188ドルからことし11月安値85ドルまで半値
以下となり、冴えない動きとなっています。(アマゾン・週足チャート)
このことから実店舗は期待は持てるもののEコマースは望み薄と強弱入り混じる
年末商戦ということになろうかとみています。◆円高と海外勢の買い持続が年末高のカギ
前回の10月のCPI(消費者物価指数)が予想を下回る伸びとなったことから
急速に利上げペース鈍化の期待が市場で高まったことで日本株も上昇と
つながりましたが、その上昇率は米国と比べると際立った上昇とは言えません。足元で好調なように見える日経平均株価ですが、これをドル建てで換算してみると
全く違った景色となります。(ドル建て日経平均株価・週足チャート)
ようやくダウントレンドを上抜けてこようかと、まさに最近のNYダウと似通った
チャート形状をしています。この背景にあるのが米国をはじめとした日本以外の各国中央銀行による
金融引き締めです。他国が拙速な利上げを推し進めたことで円は最弱通貨となり、この円安相場
の中でドル建てで換算した日経平均株価はどんどん値を下げるという展開に
なりました。それが前回10月のCPI鈍化というサプライズがあったことで為替相場の
ファンダメンタルズが転換期を迎え、ドル安円高傾向にシフトしたことで
ドル建て日経平均もやや持ち直しの基調が見えてきました。ドル建て日経平均は株価はさほど上がらなかったとしても円高、つまり
円の価値が上がってくれればチャート上は上昇となります。
そのためダウントレンドを形成している間は買いが手控えられ、この
トレンドが変わってきたら買いたいと考える海外勢も少なくありません。日本株の売買のメインは外国人投資家で、その売買シェアは6割強から
7割で、彼らが日本株を買えば上がり、売れば下がります。(海外投資家の売買動向と日経平均株価の推移)
足元では10月の1週目から11月2週目までで1兆円超の大幅な買い越しと
なっている外国人投資家ですが、年末高になるにはこの海外勢による
日本株買い越しの持続とそれを後押しするドル建て日経平均の上昇、
つまり緩やかなドル安円高傾向の持続が必要条件になってきます。次にこの為替相場、株式市場に影響を与えてくるのは来月初めに
発表される米雇用統計です。ここで失業率が予想を上回る増加となれば、12月以降のFRBによる
利上げペース鈍化の蓋然性が一層高まりますのでドル安円高が進行し、
日米株価共に年末高のきっかけになるものと思われます。それまで足元ではやや急ピッチで上げていたこともあって小幅に
一進一退を繰り返す展開となり、12/2の雇用統計が近づくにつれて
その期待感から徐々に買われてくる動きになるのではとみています。※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証する
ものではありません。また当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の
責任を負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断で
行っていただけますようお願いいたします。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。