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◆年末の株価を占う11月の米CPI
2022.12.05 マーケットニュース -
おはようございます。株の学校 マナカブ.com講師の中山です。
【相場概況】
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 27,777.90 -448.18
TOPIX 1,953.98 -32.48
マザーズ 798.98 -7.46
NYダウ 34,429.88 +34.87
ナスダック総合 11,461.50 -20.95
S&P500指数 4,071.70 -4.87先週末の米国市場は朝方は雇用統計の内容を受けて下落からのスタート
となりましたが、取引終了にかけて3指数戻り歩調を強める動きと
なりました。2日の金曜日に発表された11月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が
前月比26.3万人増と、市場予想の20万人を大きく上回り、失業率は
3.7%と前月から横ばい、さらに平均時給の伸び率が予想を上回った
ことから労働環境の強さが意識され、政策金利の高止まりが警戒され
下落スタートとなりました。雇用統計を受けて米長期金利も一時上昇となりましたが、シカゴ連銀の
エバンス総裁が「引き締め過ぎを回避するためにペースを落とすことが
重要」との発言が出たことをきっかけに金利が徐々に金利が低下すると
株価も持ち直す展開となりました。個別銘柄では、個別銘柄ではユナイテッド航空が「787ドリームライナー」
数十機を発注する見込みや数十機の中型機「787」の受注で合意が
近いとの報道が材料視されたボーイングが4%高となり、同社だけでダウを
46ドルほど押し上げプラスに寄与しました。その他ナイキや化学のダウも買われた一方で金利低下を受けてゴールドマン
は売られています。◆年末の株価を占う11月の米CPI
11月の米雇用統計では予想を上回る雇用者数の伸びと増加しない失業率
が警戒されて市場では0.75%の利上げが12月も続くのでは?
という警戒感から株安へとつながりましたが、シカゴ連銀のエバンス総裁
がくぎを刺すように利上げペースを落とすことが重要と発信したことを
受けて、株価が持ち直しました。ただ雇用統計は強くても12月の利上げに関しては0.5%の利上げの
予定は変わらずとみています。しかしながら状況によっては利上げのペースは鈍化させたとしても
利上げを続ける時期はしばらく継続の可能性があり、これが上値を抑える
要因としてはたらいてくる可能性があるとみています。特に最近の雇用統計では労働者の平均時給の伸び率が高い状態が続いて
いて、これはインフレを長期化させる懸念材料になります。(1時間当たりの平均時給の伸び率【前年比】)
この高い伸びが続くようだと利上げ停止にはなりにくい状況です。
ただ個人的には先日もお伝えしたようにすでにFRBは利上げをし過ぎている
と考えていて、例えば労働環境の悪化が示されたときにはすでにかなり
実体経済は悪化していてそれを見て利上げ停止、その後利下げに転じた頃
には完全にリセッションとなったタイミングになるとみています。目先は年末高、クリスマスラリーへの期待感が高まりつつあったところ
ですが、今回の強い雇用統計を受けてマーケットは13日に発表される11月の
米CPI(消費者物価指数)への警戒感を高めることになりそうです。いまのところまだ次回CPIの市場予想は出ていませんが、仮に結果が予想を
上回るようなことになれば、年末ラリーで株高になる可能性は難しく、
逆に予想を下回れば、来年はじめに発表される12月の雇用統計で雇用統計
の低下も期待されて年末株高になってくれる可能性があります。よって年末上がるか、下がるかを決定するのは来週13日発表の米CPIと
言っても過言ではないと思います。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。