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◆ドル円が127円台まで円高進行、輸出関連に重石
2023.01.16 マーケットニュース -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 26,119.52 -330.30
TOPIX 1,903.08 -5.10
マザーズ 736.78 -7.11
NYダウ 34,302.61 +112.64
ナスダック総合 11,079.16 +78.05
S&P500指数 3,999.09 +15.92先週末の米国市場は本日のキング牧師生誕記念の祝日を前に3指数
揃って続伸となりました。朝方に金融大手のJPモルガンやバンク・オブ・アメリカなどが
22年10~12月期決算を発表。市場予想を上回ったものの、経営陣が景気の先行きに警戒感を
示したことから投資家心理が悪化し、指数は反落スタート。
ダウの下げ幅は一時270ドルを越えました。しかしその後、ミシガン大学が発表した1月の米消費者態度指数が
予想60.5に対し64.6と上昇し、1年先の期待インフレ率は4%となり、
21年4月(4.4%)以来の低水準となったことからセンチメントが改善し、
徐々に下げ幅を縮小し、指数はプラス圏に持ち直しました。(ミシガン大学消費者態度指数とS&P500指数の推移)
このミシガン大学消費者態度指数が60を上回るのは昨年4月以来の
ことで、株価との相関が強く出ることもあるので注目です。これが上昇していけば株高、下落すれば株安につながりやすくなります。
ダウは4日続伸となり昨年12月上旬以来、約1カ月半ぶりの
高値を付ける展開となり、ナスダックも6日続伸で昨年12月中旬
以来、約1カ月ぶりの高値を付けました。個別銘柄では景気敏感の重機大手キャタピラーが買われたほか、
主要ハイテク株のアップル、マイクロソフトなども買われて
います。一方でディフェンシブの医療保険ユナイテッドヘルスや
ジョンソンエンドジョンソン、映画、娯楽のウォルトディズニー
などは下げています。◆ドル円が127円台まで円高進行、輸出関連に重石
先週は米市場は堅調な展開になったものの、その裏ではFRBによる
利上げペース減速への期待から為替相場でドルが相対的に売り込まれ
ドル円相場では一時127円台半ばまでドル安が進行しました。(ドルインデックス・日足チャート)
上図はドルインデックスと言って、ドルの他通貨に対する相対的な
強さを示すチャートですが、昨年末日銀が長期金利の変動幅を0.25%
から0.50%に拡大(金融引き締め)に政策転換をしたことが主な理由
ではなく、インフレの鈍化によるFRBの利上げペース減速期待から
ドルが他通貨に対して売り込まれていることを示しています。米市場が上昇してくれることは日本株にとって追い風ですが、その
一方で為替が円高に進行してしまっては元の木阿弥です。昨年から何度もお伝えしているようにこうなると3月期決算企業の
輸出関連を中心に下期(10~翌3月)の想定為替レートを円安
方向に切り下げて業績見通しを出している企業には為替差損による
下方修正リスクがつきまとい、売られる材料となりやくなります。週末の日経の330円の下げの要因はファストリのさえない決算で
1銘柄だけで日経平均を200円以上押し下げていて全体が売られた
というよりもファストリが日本株を下げた形です。しかし、週末夜中の225先物は想定以上にドル円が下落し、円高に
振れたことで25780円まで下げ幅を拡大させていて、上述したように
ファストリ以外の想定レートを円安に甘く見積もっているところ
はしばらく上値の重たい展開になるものとみています。今週行われる日銀会合で日銀は「大規模な金融緩和策に伴う副作用を
点検する」と報じられていて、18日の会合後は為替市場、株式市場
ともに乱高下する可能性もあり、注意が必要です。※本日の経済キーワード※
【ミシガン大学消費者態度指数】
米国の消費者のマインドを示す指標。
ミシガン大学の調査研究センターがアンケート調査を実施し、
毎月300人を対象とした速報値、500人を対象とした確報値を
発表している。現在の景況感を示す現状指数(約40%)と先行きを示す期待指数
(約60%)で構成されている。
調査会社コンファレンス・ボード(CB)の消費者信頼感指数に
先行して発表されるため、市場関係者の注目度が高い指数とされている。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。