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◆サイクルは逆業績相場へ徐々に移行、米決算に注意
2023.01.18 日米相場概況 -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 26,138.68 +316.36
TOPIX 1,902.89 +16.58
マザーズ 721.65 -4.18
NYダウ 33,910.85 -391.76
ナスダック総合 11,095.11 +15.96
S&P500指数 3,990.97 -8.12連休明けの米国市場はゴールドマンサックスのさえない決算が嫌気され
その他の金融株にも波及しダウは400ドル近い下落、ナスダックは7日
続伸と指数まちまちの展開となりました。第4四半期(22年10-12月)決算を発表したゴールドマンサックスの
売上高やEPS(1株利益)が報酬費用が嵩んだことや貸し倒れ損失の
増加により利益を圧迫、調整後の1株当たり利益が予想を大きく
下回り市場予想に届かずこれが嫌気された格好で同社株は前日比
▲6.4%の下落となりました。この決算を受けて先週末決算発表を行ったJPモルガン・チェースや
バンカメ、ウェルズファーゴなどの大手銀も連れ安し、金融株の
下げが相場全体の重石となる一日でした。ダウは前週末までの4連騰で800ドル近く上昇していたこともあって、
利益確定売りも出やすく、17日に発表された中国の22年10-12月期
のGDPが急減速したことやニューヨーク連銀が発表した1月の
製造業景況指数が大幅に悪化したことも重石となりマイナス圏での
推移となりました。一方でEVのテスラは米レンタカー大手のハーツが2025年までに欧州の
主要都市でテスラやボルボを含む2.5万台の電気自動車を利用する試み
がることが材料視され+7.4%の大幅高となり、ナスダックをけん引
しました。その他新製品の投入などでアップルも小幅に上昇しています。
◆サイクルは逆業績相場へ徐々に移行、米決算に注意
先週から本格的に始まった22年10-12月期の米決算ですが、
バンカメやJPモルガンなどの決算は市場予想を上回ったものの経営陣
が先行きの見通しに警戒感を持っていることや、今回のゴールドマン
サックスの市場予想を下回る決算などが出始めており、これから
発表してくる一般企業の決算に注目が集まります。目先は
18日
アルコア(アルミ大手)19日
ネットフリックス(動画配信)24日
GE
スリーエム
マイクロソフト25日
ボーイング
IBM
ラムリサーチ(半導体)
テスラ26日
インテル
ビザ(消費関連)
マスターカード(消費関連)27日
アメックス(消費関連)
シェブロン(エネルギー関連)などが注目決算となります。
先日、投資の格言として「節分天井、彼岸底」という流れが相場には
あることをお伝えしましたが、米企業の決算ラッシュに差し掛かる
のもちょうどこの頃で、足元の株価上昇が示しているように市場では
まだ企業業績を楽観視しているところも多く、今回のゴールドマン
サックスのように市場予想を下回る決算が相次いで来るようになると
相場の重石となる点には注意が必要です。(2023年 S&P5001株利益見通し)
現在のところ、S&P500のEPS(1株利益予想)は232.5ドルとなっており
昨年の221.2ドルから+5.1%上昇する見込みとなっています。株価は最終的に業績に収斂するためこの予想通りの展開となれば、
ことしは米市場は堅調となりそうですが、個人的には利上げによる
消費減退、サービス価格のインフレの高止まり、製造業、サービス業で
新規受注の低迷、在庫の積み上がり、受注残の減少などが顕著に見られ
始めており、今回の10-12月期、またはことしの1-3月期決算で増えてくる
とみています。つまり、市場はかなり楽観視していると思われます。
1月31日には43社、2月1日には33社、2日は55社、3日には10社と
決算発表をしてくる企業も増えてきて、来月末にかけて10-12月期
決算を発表してくるタイミングとなります。まずは今回、1月下旬から2月半ばにかけて米市場を中心とした
相場の急変動には警戒をしておいた方が良く、このあたりでは
持ち高を調整してキャッシュ比率を高めておくようにしていきたい
と思います。2月半ばは日本株にも下落のリスクがありますが、これはまた
今週か来週のどこかでお伝えしていきたいと思います。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。