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◆悪決算で始める米企業、来週は更なるボラタイルな展開に注意
2023.01.20 マーケットニュース -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 26,405.23 -385.89
TOPIX 1,915.62 -19.31
マザーズ 744.65 +5.02
NYダウ 33,044.56 -252.40
ナスダック総合 10,852.27 -104.74
S&P500指数 3,898.85 -30.01きのうの米国市場は3指数揃って続落となり、ダウは3日続落し、
3日間の下げ幅は1200ドル近く年初の上昇分をすべて吐き出す
恰好となりました。このところ強かったナスダックも米長期金利が上昇したことで
高PER銘柄を中心に売り込まれ2日続落です。朝方発表された新規失業保険申請件数が予想21.4万人に対し、
19.0万人と予想以上に減少し昨年5月半ば以来の低水準となった
ことから、利上げ継続が意識され金利が上昇。これによりセンチメントが悪化し続落でのスタートとなりました。
ダウの下げ幅は一時300ドルを越えましたが、前日までの2日間で
1000ドル近い下落となっていたこともあり、下値を拾う動きも
みられましたが、鳥ひい終盤にかけて下げ幅を拡大する展開と
なりました。個別銘柄では、メタ(フェイスブック)がアナリストによる
投資判断の引き上げで上昇、動画配信のネットフリックス
は取引終了後に決算を発表。予想を下回る結果でしたが、新契約者数が予想を上回ったほか、
自社株買い再開計画が好感され時間外取引で買われる動きと
なっています。その他IEA(国際エネルギー機関)が中国の需要回復を見込み
ことしの世界の石油需要が過去最高を更新するとの見通しを
示したことを受けてシェブロンやエクソンモービルなど
エネルギー株も上昇となりました。◆悪決算で始める米企業、来週は更なるボラタイルな展開に注意
先週より金融株を皮切りに昨年10-12月期決算発表が始まった米
ですが、JPモルガンやバンクオブアメリカの決算は良好だった
ものの、その後のゴールドマンサックスの冴えない決算発表が
出たあたりから流れが変わり始めました。今週は18日にアルミ大手アルコアが決算発表を迎え、利益面で
アナリスト予想を下回り、今年のアルミ出荷は市場予想を下回る
見通しであることを発表、次いで19日に10-12月期決算を発表したP&G(プロクター・アンド
・ギャンブル)は、インフレによる商品価格の上昇で消費者が
慎重になったことで販売数量が減少したことを発表。先日、企業在庫が増えているという話をしましたが、数量ベースで
消費が伸び悩んでいることがこれで明らかとなりました。来週はいよいよハイテクや半導体関連の企業決算が始まります。
24日
GE
スリーエム
マイクロソフト25日
ボーイング
IBM
ラムリサーチ(半導体)
テスラ26日
インテル
ビザ(消費関連)
マスターカード(消費関連)27日
アメックス(消費関連)
シェブロン(エネルギー関連)特にマイクロソフトなどは先日従業員1万人の人員削減を行う
ことを発表し、その動きから収益が鈍化していることが窺えます
し、半導体のラムリサーチの決算が冴えないものになると、他の
半導体関連銘柄にもその懸念が伝播し、連れ安する展開が考え
られます。あとは後半のクレジットカード関連です。
米国は古くからカード決済社会ですので、これらの決算が悪い
内容となれば、「消費の伸び悩み→景気減速」が本格的に意識
され全体相場の重石となりやすくなるとみています。(米国政策金利の推移)
FRBは昨年3月のFOMCより利上げを開始しました。
だいたい半年から1年後に実体経済にこの金利上昇の悪影響が
顕在化してくると言われています。これを考えるとおそらくですがこの10-12月期、そしていまの
1-3月期決算が米企業にとって非常に厳しい決算数字になってくるとみていて、
今回ならば来月半ばにかけて、そして1-3月期決算の場合は、4月半ばから
5月半ばにかけて相場の急変動には注意が必要となります。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。