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REPORTレポート

◆米GDPは予想を上回る結果だが、その中身は危険

2023.01.27 レポート

いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。

 

◆きのうの日米株価指数終値

 

日経平均株価 27,362.75 -32.26
TOPIX 1,978.40 -2.29
マザーズ 777.28 -0.95
NYダウ 33,949.41 +205.57
ナスダック総合 11,512.41 +199.06
S&P500指数 4,060.43 +44.21

 

きのうの米国市場は、3指数揃って上昇となり、ダウは5日続伸、
ナスダックは反発となりました。

 

きのうは米国の昨年10-12月期GDP速報値が公表されましたが、結果は
年率換算で前期比2.9%増となり、前期7-9月期の3.2%から伸び率が
鈍化したものの市場予想を上回ったことから投資家の景気に対する懸念
が後退し、買い優勢の一日でした。

 

朝方は冴えない決算を発表したIBMなどが重しとなりダウは小康状態から
のスタートとなりましたが、ナスダックは、前日に好決算を発表したテスラ
がけん引役となり上げ幅を拡大し、同社株は+11%弱の上昇。

 

これがセンチメント改善につながり、主要ハイテク株GAFAMが連れ高となり、
半導体関連も概ね堅調に推移したことからダウよりもナスダックが強い
展開でした。

 

個別銘柄では、テスラが上昇したほか、自社株買いと増配を発表した
エネルギー関連のシェブロンが大幅高となり、注目のクレジットカードの
ビザは取引終了後に決算を発表しましたが、調整後の1株利益が予想を
上振れしたことで、時間外で+1%強の上昇となっています。

 

一方で、 半導体のインテルは調整後の1株利益が予想を下回ったほか、
今後の弱気の見通しが嫌気され、時間外取引で▲9.6%と大幅下落
となり、今晩の米市場の半導体セクターの重石となる可能性があります。

 

 

◆米GDPは予想を上回る結果だが、その中身は危険

 

今回の2022年10-12月期の米GDP速報値では市場予想の年率換算2.8%
を0.1ポイント上回る2.9%となりましたが、上述したように7-9月期
の3.2%の伸びから鈍化しており、前年同期比でも7.0%から大幅な
鈍化となりました。

 

またGDPの伸びに貢献しているのが在庫の増加と政府支出が主な要因で
重要な個人消費の伸びは鈍化となりました。

 

数日前にも在庫についてお伝えしたことがありましたが、在庫の伸びは
プラスの意味もあり、マイナスの意味もあります。

 

今回の在庫の増加は個人消費が鈍化していることからモノが売れなく
なって在庫が積み上がっている状態を示しており、これが皮肉にも
GDPを押し上げている部分があり、危険な状態だと推測しています。

 

 

(米国在庫の推移)

 

 

22年の7-9月期は38.7億ドルの在庫だったものが、今回は129.9億ドル
と一気に約3倍まで膨れ上がっています。

 

この伸びが今後の消費増を見越して企業が生産体制を増強し在庫が
積み上がっているのであれば問題はないのですが、12月の小売売上高が
前月比で▲1.1%、11月も▲1.0%と2カ月連続でのマイナスとなりました。

 

実はこの小売売上高の2カ月連続でのマイナスというのは異例なことで、
過去を振り返っても2000年以降、4回しかありません。

 

こんな消費が落ち込んでいる状況の中で在庫を敢えて増やしたとは
考えるにはやや無理があります。

 

ただ、いまのマーケットはご都合主義で悪い材料は無視し、テスラの
決算や強気の見通しなど良い材料には反応するという極めて危険な
状況にあるとみています。

 

これは裏を返せばその反対にもなりやすく、良い材料は無視して、
悪い材料には過度に反応するという動きにもなりやすくなるという
ことです。

 

株価が上昇することは当然良いことですが、楽観的になり過ぎると
その反動が出たときに大きなものとなります。

 

市場、特に米国ではインフレがピークアウトしてきているという
のが大勢の見方ですが、もしかすると1-3月のどこかでCPI(消費者
物価指数)で伸びが鈍化ではなく、再度上昇ということもあり得る
と考えています。

 

懸念している理由となるデータもありますのでまたどこかでお伝え
したいと思います。

 

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